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正編 第2章 パンドラの箱〜聖女の痕跡を辿って〜
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アッシュ王子が病から復帰して、正式な次期国王になったことは貿易都市国家ペルキセウス国内だけではなく、精霊魔法都市国家アスガイアでも話題になっていた。トーラス王太子と婚約破棄をして実質追放状態だったアメリアが、ペルキセウスの王妃になることが確定したからだ。
『凄いわ! このままアッシュ王子が国王になれば、アメリア様は本当に王妃様ね』
『あーあ、国を出て行かれたアメリア様の方が先に王妃様になるんじゃ、この国もそろそろ落ち目かな。私もペルキセウスに引っ越したい』
『トーラス王太子は、以前はあんなに優秀だったのに最近はレティア様の言いなりだ。かつてのような外交力がなくなったのもレティア様のせいに違いない。本当に……嫁選びは失敗すると恐いな!』
災害続きのため予算や人手が足らず対策が滞るアスガイア上層部の対応に、国民達は苛立ちを覚え、その原因をトーラス王太子の現婚約者レティアにぶつけていた。
(何よ、何よ! アメリアお姉様がトーラス王太子の婚約者だった頃は、私のことみんなでチヤホヤして王妃になってくれって騒いでいたのに。いざ、婚約者をすげ替えたら途端に手のひら返しをして。結局、アスガイアの国民は自分の国の王太子と結婚する王妃のことが気に入らないだけだわ。)
トーラス王太子の手腕が落ちるように感じるのは、本来の魂から悪魔像の魂に入れ替えたせいである。
そもそも悪魔像は、アスガイアを潰すのが目的である為、手腕が落ちているのではない。むしろかなり遣り手なのだが、気づいたのは身近にいるレティアだけだった。
「ふむ、この国は……頑張ってはいるが災害をフォローする金策が上手く出来ていないな。クククッ。いや、我が外交を上手く行かせていないからか。あと少し、あと少しよ、のう……レティア。次の会食、上手くいかなければ……お前もそろそろ」
「はい、お任せください。悪魔像様のお望み通りに……」
レティアは悪魔像とは上辺、よくするようにしているが、このまま任せていては自分まで殺されてしまうと常に危機感を抱いていた。
(不味いわよ、この悪魔像……私のことそろそろ始末するつもりだわ。やられる前にやらないと……!)
悪魔像と中身を入れ替えたせいで、トーラス王太子に相談することが出来ない。けれど、トーラス王太子が馬鹿なようでいて、意外と政治的手腕にも優れていることに気づいたのは、悪魔像の悪政が始まってからだ。
『レティア様は運もなければ賢くもない。実はウリにしていた霊能力も、アメリア様に頼りっきりだったらしい』
『この際、霊感はどうでもいいから外国との付き合いだけでも上手くやって欲しいよ。隣国のペルキセウスから援助が少ないのは、レティア様がアメリア様を追放したせいだって言われているし。今は災害で喧嘩している場合じゃないのに』
『レティア様って、いつも派手なメイクとファッションで誤魔化しているだけで、本当の自分では勝負出来ない感じ。国民は厳しい暮らしなんだから、見た目くらいは質素にして欲しいよね』
『きっとアスガイアはまだ余裕があるって見せたいんじゃない? 財政も困難っぽいし、貴賓を招いての食事会、本当に出来るのかなぁ』
『アッシュ王子が退院したてで、アメリア様達は来られないらしいし。食事会をしたところで、フォロー入れてくれる人は居なさそう』
『上手くいかないのは……ぜーんぶ、レティア様のせいだねっ!』
『レティアのせい』
『レティアが馬鹿だから……』
『役立たずのレティア』
頼る相手を失い、絶え間なく新聞や口コミでレティアへの誹謗中傷が続く。レティアは心を蝕まれ、そのストレスはピークに達していた。
「あぁああああああっ! うるさいっ、煩い、五月蝿い、煩瑣い、ウルサイッ、いい加減にしてよっっ!」
はっ……と、自分の叫び声で目を覚ますと、夜中の二時過ぎ。西方のお姫様のような天蓋付きのベッドで心地よく眠れるはずが、どんなに広く豪華な部屋を与えられても悪夢を見ては元も子もない。
「……夢、か。いえ、国民が私の悪口を言っているのも、私が悪魔像を召喚したせいで外交が上手くいかないのも、アメリアお姉様がペルキセウス国の次期王妃になるのも、現実だわ」
レティアは王太子を奪い邪魔な異母姉アメリアを追放したはずなのに、結局アメリアは隣国の王太子に見初められて結婚してしまった。美しく大人しい異母姉に婚約破棄で恥をかかせてやりたかったのに、なかなか王妃になれない自分は逆に恥をかかされた。
だが、それを恥だと感じてしまう自分にも問題があることを、レティアもそろそろ気づいている。
「ううん、本当は美しい姉が隣国の王妃になるのは自慢になるし、パイプが出来て有利なはず。けれど私達の間に、異母姉妹特有のわだかまりがあるから活かせないだけ。こんな時、トーラス王太子だったら、持ち前の軽い性格で上手くやるのかしら?」
馬鹿な王太子のことも疎ましくて、霊能力を与えてくれる悪魔像と王太子の魂をすり替えたら、知恵を貸してくれる相手を喪った。
――全てにおいて、苦しい思いをするのはレティア自身だ。
「次の食事会、頼みの綱のアメリアお姉様とアッシュ王子は体調が優れないとかで欠席だって返事が来た。当たり前か、王子は長期入院から復帰したばかり……国内の仕事がようやくだわ。アスガイア国としては、アッシュ王子達を呼んで、支援を頼みたかったんだろうな」
期待の食事会も最初から梯子を外された形となり、外交は何もかも上手くいかない。が、隣国ペルキセウスからはアッシュ王子達の代わりに、アスガイア神殿の元運営者で今はペルキセウス王立騎士団の錬金顧問を務めている精霊ラルドが来ると聞かされている。
「精霊ラルド氏……錬金術のお偉いさん相手に、何を話せば良いのやら。トーラス王太子を、悪魔像の中に魂ごと閉じ込めちゃったけど。どうにかして他の物体に移動させれば。無理か。けど……アイツくらいしか、相談出来ない。悪魔像はまだ神殿の地下に封印されているはず。癪だけど、トーラス王太子に頼むしかないか……」
悪魔像の管理を部下任せにしていたレティアはトーラス王太子の魂が今、どのような状況になっているのか把握していない。もう自分は、崖っぷちにいることにまだ気づかないのであった。
――レティアにとっての最後の晩餐まで、あと数日となっていた。
『凄いわ! このままアッシュ王子が国王になれば、アメリア様は本当に王妃様ね』
『あーあ、国を出て行かれたアメリア様の方が先に王妃様になるんじゃ、この国もそろそろ落ち目かな。私もペルキセウスに引っ越したい』
『トーラス王太子は、以前はあんなに優秀だったのに最近はレティア様の言いなりだ。かつてのような外交力がなくなったのもレティア様のせいに違いない。本当に……嫁選びは失敗すると恐いな!』
災害続きのため予算や人手が足らず対策が滞るアスガイア上層部の対応に、国民達は苛立ちを覚え、その原因をトーラス王太子の現婚約者レティアにぶつけていた。
(何よ、何よ! アメリアお姉様がトーラス王太子の婚約者だった頃は、私のことみんなでチヤホヤして王妃になってくれって騒いでいたのに。いざ、婚約者をすげ替えたら途端に手のひら返しをして。結局、アスガイアの国民は自分の国の王太子と結婚する王妃のことが気に入らないだけだわ。)
トーラス王太子の手腕が落ちるように感じるのは、本来の魂から悪魔像の魂に入れ替えたせいである。
そもそも悪魔像は、アスガイアを潰すのが目的である為、手腕が落ちているのではない。むしろかなり遣り手なのだが、気づいたのは身近にいるレティアだけだった。
「ふむ、この国は……頑張ってはいるが災害をフォローする金策が上手く出来ていないな。クククッ。いや、我が外交を上手く行かせていないからか。あと少し、あと少しよ、のう……レティア。次の会食、上手くいかなければ……お前もそろそろ」
「はい、お任せください。悪魔像様のお望み通りに……」
レティアは悪魔像とは上辺、よくするようにしているが、このまま任せていては自分まで殺されてしまうと常に危機感を抱いていた。
(不味いわよ、この悪魔像……私のことそろそろ始末するつもりだわ。やられる前にやらないと……!)
悪魔像と中身を入れ替えたせいで、トーラス王太子に相談することが出来ない。けれど、トーラス王太子が馬鹿なようでいて、意外と政治的手腕にも優れていることに気づいたのは、悪魔像の悪政が始まってからだ。
『レティア様は運もなければ賢くもない。実はウリにしていた霊能力も、アメリア様に頼りっきりだったらしい』
『この際、霊感はどうでもいいから外国との付き合いだけでも上手くやって欲しいよ。隣国のペルキセウスから援助が少ないのは、レティア様がアメリア様を追放したせいだって言われているし。今は災害で喧嘩している場合じゃないのに』
『レティア様って、いつも派手なメイクとファッションで誤魔化しているだけで、本当の自分では勝負出来ない感じ。国民は厳しい暮らしなんだから、見た目くらいは質素にして欲しいよね』
『きっとアスガイアはまだ余裕があるって見せたいんじゃない? 財政も困難っぽいし、貴賓を招いての食事会、本当に出来るのかなぁ』
『アッシュ王子が退院したてで、アメリア様達は来られないらしいし。食事会をしたところで、フォロー入れてくれる人は居なさそう』
『上手くいかないのは……ぜーんぶ、レティア様のせいだねっ!』
『レティアのせい』
『レティアが馬鹿だから……』
『役立たずのレティア』
頼る相手を失い、絶え間なく新聞や口コミでレティアへの誹謗中傷が続く。レティアは心を蝕まれ、そのストレスはピークに達していた。
「あぁああああああっ! うるさいっ、煩い、五月蝿い、煩瑣い、ウルサイッ、いい加減にしてよっっ!」
はっ……と、自分の叫び声で目を覚ますと、夜中の二時過ぎ。西方のお姫様のような天蓋付きのベッドで心地よく眠れるはずが、どんなに広く豪華な部屋を与えられても悪夢を見ては元も子もない。
「……夢、か。いえ、国民が私の悪口を言っているのも、私が悪魔像を召喚したせいで外交が上手くいかないのも、アメリアお姉様がペルキセウス国の次期王妃になるのも、現実だわ」
レティアは王太子を奪い邪魔な異母姉アメリアを追放したはずなのに、結局アメリアは隣国の王太子に見初められて結婚してしまった。美しく大人しい異母姉に婚約破棄で恥をかかせてやりたかったのに、なかなか王妃になれない自分は逆に恥をかかされた。
だが、それを恥だと感じてしまう自分にも問題があることを、レティアもそろそろ気づいている。
「ううん、本当は美しい姉が隣国の王妃になるのは自慢になるし、パイプが出来て有利なはず。けれど私達の間に、異母姉妹特有のわだかまりがあるから活かせないだけ。こんな時、トーラス王太子だったら、持ち前の軽い性格で上手くやるのかしら?」
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――全てにおいて、苦しい思いをするのはレティア自身だ。
「次の食事会、頼みの綱のアメリアお姉様とアッシュ王子は体調が優れないとかで欠席だって返事が来た。当たり前か、王子は長期入院から復帰したばかり……国内の仕事がようやくだわ。アスガイア国としては、アッシュ王子達を呼んで、支援を頼みたかったんだろうな」
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悪魔像の管理を部下任せにしていたレティアはトーラス王太子の魂が今、どのような状況になっているのか把握していない。もう自分は、崖っぷちにいることにまだ気づかないのであった。
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