嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした

ナイトウ

文字の大きさ
21 / 46
出会い編

21, 夫は僕のガチ勢でした。 章終

しおりを挟む
言われた言葉の意味を理解するのにしばらくかかった。

伯爵は僕が他の男の人に恋をするところを見たくない。
ルパートさんはそれを嫉妬と言った。

つまり?

「ルネ、君を愛している。」

予感があったから、今度の言葉を理解するのはもっと早かった。
言葉がじわっと体に入ってきて、僕の体温を無理やり引き上げていく。

「えっ、ええ?」

「だから、立場を利用して無理やり結婚した。君がエドヴァルを愛しているのは知っている。俺は、その弱みに付け込んで君の夫になったんだ。」

ぼ、僕の思ってた話とだいぶ違うぞ。

二の句が告げないでいると、伯爵の顔が真っ赤になった。
表情は剣闘士みたいな厳つさだけど、これ、怒ってるんじゃなくて照れてるんだ。

初めて会ったとき、一生懸命挨拶してくれてたんだ。

薬品からも必死で守ってくれた。

僕の無茶なお願いにもノートを読んで応じてくれて。未だに何であんなもの読み上げたのかのかイマイチわかんないけど。

なんか、なんだろう。

「かわいい……」

思わず口の中で呟く。
ルパートさん、僕も伯爵の可愛さわかったよ。

「……っ、駄目だ、ルパート、俺を殺せっ!」

さらに真っ赤になった伯爵が言う。

「ええ!?」

「かしこまりました。」

あっさりルパートさんが応じる。

「ええええ!?!?」

慌てて僕の手を離して顔を押さえてしまった伯爵の手を掴んで引き戻した。

「ダメですよ!未亡人とかさらに面倒そうだし、僕はこれ以上家族を失いたくないです!」

「か、ぞく……?」

伯爵は目を丸くしている。
うん。そういう顔なら怖くない。

「だって結婚してるなら、僕と伯爵は家族って事じゃないですか。今は形だけだけど……」

「今は」、何でそう付けたんだろう。離婚出来なかったら役者をやれなくなるかもしれないのに。でもさっきからずっと伯爵にドキドキしてて、この人のこともっと知りたいって思ってる。

「それは、形だけじゃなくなるチャンスをくれるということか?」

伯爵の手がまた僕の手を握る。
初めての時と同じように優しい手付きで、やっぱり僕はその強い瞳から目を反らせなかった。

「分かりません。けど、僕ももっと伯爵の事を知りたいと思ってます。」

触れてくる指をそっと握り返してみると、胸の奥がふわっとした。

「っ……夢みたいだ。ルパートっ俺を殴れっ!」

「後にして頂いてよろしいですか?前菜がもう控えてますので。」

ルパートさんの冷静な言葉に我に帰った僕と伯爵は、それからぎごちなく夕食を食べた。




—————————
第1章 「出会い編」完




ここまでのお付き合いありがとうございました!
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

【完結】異世界召喚されたのに命を狙われまくるなんて聞いてない。

u
BL
裏タイトル『執着の檻から逃げ出して、』 いつも通り大学から帰ってきてご飯を食べて眠って目が覚めたら、なぜかそこは異世界だった。どうやら俺、鵺野心翔(ヌエノミト)は、異世界召喚というものをされたらしい。 異世界召喚をしたペンドリック王国の王様から第一王子のライナスと結婚し、子をなせと言われる。男である俺に何を言い出すんだと思ったが、どうやら異世界人は子が生めるようになるらしい。 俺は拒否した。だってどう見てもライナス王子も嫌そうな顔をしているし、毎日違う女を閨に呼ぶような奴と結婚どころか仲良くなれるはずがない。そもそも俺は一夫多妻制断固反対派だ。 どうやら異世界召喚した本当の理由、陰謀に巻き込まれていることに気付かない俺は異世界に来てしまったなら学ばねばとこの世界のことを知っていく。 この世界はピラミッド型をしていて上から神界、天界、魔界、妖精界、妖界、獣人界、そして俺が召喚された元・人間界であり現・底辺界と呼ばれる7つの層に分かれた世界らしい。 召喚される理由があるから召喚されたはずなのに、なぜか俺はあらゆるところから命を狙われ始める。しまいには、召喚したはずの当人にまで。………え?なんで? 異世界召喚されたミトは護衛で常にそばにいる騎士、アルウィン・シーボルトに一目惚れのような思いを寄せるようになる。しかし彼には幼い頃からの婚約者がおり、ミトはアルウィンに命を守られながらも叶わない恋心に苦しんでいく。どうやら彼にも何か秘密があるようで……。さらに最初は嫌われていたはずのライナス第一王子から強い執着心を持たれるようになり……。 次第に次々と明らかになるこの世界における様々な秘密。そして明かされる、異世界召喚の衝撃の真実とは――――。 訳あり一途ド執着攻め×努力家一途童顔受けが様々な問題を乗り越え2人で幸せを掴むお話。 ※複数攻めですが総受けではありません。 ※複数攻めのうち確定で一人死にます。死ネタが苦手な方はご注意ください。 ※最後は必ずハッピーエンドです。 ※異世界系初挑戦です。この世界はそういうものなんだと温かい目でお読み頂けると幸いです。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。 行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。 異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?

貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話

タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。 叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……? エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。

転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。 突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。 有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。 約束の10年後。 俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。 どこからでもかかってこいや! と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。 そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変? 急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。 慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし! このまま、俺は、絆されてしまうのか!? カイタ、エブリスタにも掲載しています。

処理中です...