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14.後宮のお茶会①
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後宮の中心部は広い庭園になっていて、季節毎に様々な花が楽しめるように工夫が凝らしてある。
今日はその庭園の東屋でお茶会が開かれる、参加者は正妃と3人の側妃、傍から見たら何かが起こりそうなメンバーとなっている。
日頃から側妃に振り回されている後宮の使用人達は、これ以上余計なトラブルに巻き込まれたくないと、こぞってその日に有給休暇を取ろうとしたが、みんな平等に却下された。
(((有給休暇は労働者の権利だー!)))
今日のシルビアはシンプルな装いをしている。上質なシフォン素材の黒いドレスに、髪は軽くハーフアップし所々に真珠を挿し込んでいる。余計な装飾品を一切付けていないが、煌めく真紅の髪と新緑色の瞳は宝石のようで、シルビアを十分輝かせている。
今回のお茶会担当に指名された後宮の侍女達も正妃の気品のある美しさに、おもわず見惚れている。
(((有給休暇却下、バンザーイ!)))
一方側妃達の装いはシルビアとは正反対で、かなり気合いが入った格好であった。
まずパトラ妃はピンクのマーメイドドレスで、なぜかティアラまで頭に載せている。どうもテーマは人魚姫らしいが(サーサリサーチ 情報源パトラ専属侍女その一)、人魚いうよりは肥えたジュゴンになっている。パトア妃専属侍女達は、パトアが動くたびに悲鳴を上げているドレスから目が離せない。ドレスがいつ破れても対応出来る様に、手には裁縫箱が握られている。
(((頑張れー マーメイドドレス!)))侍女達の必死の応援が聞こえてくる、…幻聴だろうか。
ネーリー妃はさすが才女、昼間に相応しい格好に見えた…が、そんな事はなかった。前から見ると普通のドレスだが、後ろはほぼ布が無かった…、辛うじて尻が隠れる独創的なドレスなのだ。
胸に自信がないネリーが『前は隠し、その分後ろは大胆に』と注文して作らせた、ある意味最強のドレスであった。でも尻尾が揺れるたびに後ろの布がヒラヒラ捲れ、ネリー妃の尻が丸見えになり、ネリー妃専属侍女達が慌てて扇を広げて隠す努力をしている。その俊敏な動きは、もう芸人の域に達していた。才女の辞書には『公然猥褻』はないのだろうか…。
こんな2人に比べるとまともに見えてしまうマアラ妃のドレス、確かにバランスのとれた肉体美を持つマアラは完璧に着こなしている、美しい部類にはいるだろう。でもそのドレスは夜会仕様だ…。両肩を大胆に出し長い裾を引きずっている、これを着るのは今ではない…夜だ!
なんでマアラ妃専属侍女達は教えないのだろうと、シルビアが怪訝な顔で彼女達に視線を向けると
(((無理なんです…脳筋には常識が通じません…)))と一斉に首をプルプルと横に小さく振っている。
お茶会はシルビアが側妃達に持ち掛けたものだ。国王からの依頼を遂行する為、まずは直接情報収集する事にした。会話をする前から、問題ありと分かる側妃達の装い、国王が逃げたくなる気持ちが少しは理解できた。(でも同情はせん!)
テーブルの上には美味しそうなお菓子が多数用意され、良い香りがする紅茶もそれぞれの前に置かれた。
シルビアが極上の微笑みを浮かべて、お茶会開始となった。
「本日は急なお誘いにも関わらず来てくださり、有り難う」
「「「お招き有り難うございます」」」
「皆さん後宮での生活はどうですか?」
まずは当たり障りのない事から聞き出そうとすると
「シルビア様は後宮で生活しないので分かりませんよね~。正妃なのに離宮とはお可哀想に」
ネリー妃がいきなりストレートをかましてくる。
(ほほぉ~、無駄話は無しですか。狐だけど直球勝負がお好きと)
「あらあら離宮は豪華な建物と聞きましたわ。ただギルア様が来ないだけで♪」
(牛はおっとり系かと思ったけどネチネチ系か~)
「2人とも!シルビア様がお飾りの正妃でギルア様と初夜を迎えていないのは公然の秘密なんだから、大きな声で言うものではないわ」
(いやいや、脳筋狼が一番抉ってきてるし!それに一番の声が大きい!)
側妃達の無礼な言葉に周りは固まるが、そんなことは気にせず側妃達はやる気満々だ。側妃達、『不敬罪』って知ってる…?
「確かに私は正妃とは名ばかりの人質ですわね。国王には素敵な側妃方が3人もいるので、私の出番はないでしょう」
目に涙を滲ませながら謙虚な発言をするシルビア、かなりの名演技である。周りの侍女達も(お可哀想に…)と目をウルウルさせている。
側妃達は『正妃≒ライバル』と再確認し明らかに安心している。
皆の視線がシルビアに集中している、侍女サーサは透かさずテーブルに近づいて目薬を回収する。証拠隠滅成功!2人の連係プレイは完璧だった、トト爺指導の下、3時間も特訓した成果である。
「そう落ち込まないでください、きっと良い事があります」
「いつか良いご縁もあるかもしれません!」
「そうですわ。お飾りでも正妃、腐っても鯛です!」
敵ではないと認識したのでシルビアに優しい(?)言葉を掛けてくる側妃達、現金なもんである。
「うっうっー、優しい言葉を有り難う。なんか元気が出ましたわ」
(よっしゃー!第一段階クリア。側妃達のガードを外せた♪)
励まされて前向きになれたヒロインのように、はにかんだ笑顔を見せるシルビア、
「さぁ、仕切り直してこれから女子トークを楽しみましょう」
(ガンガン喋ってもらうわよ~♪私の未来の幸せは貴方達に掛かっているんだから!)
今日はその庭園の東屋でお茶会が開かれる、参加者は正妃と3人の側妃、傍から見たら何かが起こりそうなメンバーとなっている。
日頃から側妃に振り回されている後宮の使用人達は、これ以上余計なトラブルに巻き込まれたくないと、こぞってその日に有給休暇を取ろうとしたが、みんな平等に却下された。
(((有給休暇は労働者の権利だー!)))
今日のシルビアはシンプルな装いをしている。上質なシフォン素材の黒いドレスに、髪は軽くハーフアップし所々に真珠を挿し込んでいる。余計な装飾品を一切付けていないが、煌めく真紅の髪と新緑色の瞳は宝石のようで、シルビアを十分輝かせている。
今回のお茶会担当に指名された後宮の侍女達も正妃の気品のある美しさに、おもわず見惚れている。
(((有給休暇却下、バンザーイ!)))
一方側妃達の装いはシルビアとは正反対で、かなり気合いが入った格好であった。
まずパトラ妃はピンクのマーメイドドレスで、なぜかティアラまで頭に載せている。どうもテーマは人魚姫らしいが(サーサリサーチ 情報源パトラ専属侍女その一)、人魚いうよりは肥えたジュゴンになっている。パトア妃専属侍女達は、パトアが動くたびに悲鳴を上げているドレスから目が離せない。ドレスがいつ破れても対応出来る様に、手には裁縫箱が握られている。
(((頑張れー マーメイドドレス!)))侍女達の必死の応援が聞こえてくる、…幻聴だろうか。
ネーリー妃はさすが才女、昼間に相応しい格好に見えた…が、そんな事はなかった。前から見ると普通のドレスだが、後ろはほぼ布が無かった…、辛うじて尻が隠れる独創的なドレスなのだ。
胸に自信がないネリーが『前は隠し、その分後ろは大胆に』と注文して作らせた、ある意味最強のドレスであった。でも尻尾が揺れるたびに後ろの布がヒラヒラ捲れ、ネリー妃の尻が丸見えになり、ネリー妃専属侍女達が慌てて扇を広げて隠す努力をしている。その俊敏な動きは、もう芸人の域に達していた。才女の辞書には『公然猥褻』はないのだろうか…。
こんな2人に比べるとまともに見えてしまうマアラ妃のドレス、確かにバランスのとれた肉体美を持つマアラは完璧に着こなしている、美しい部類にはいるだろう。でもそのドレスは夜会仕様だ…。両肩を大胆に出し長い裾を引きずっている、これを着るのは今ではない…夜だ!
なんでマアラ妃専属侍女達は教えないのだろうと、シルビアが怪訝な顔で彼女達に視線を向けると
(((無理なんです…脳筋には常識が通じません…)))と一斉に首をプルプルと横に小さく振っている。
お茶会はシルビアが側妃達に持ち掛けたものだ。国王からの依頼を遂行する為、まずは直接情報収集する事にした。会話をする前から、問題ありと分かる側妃達の装い、国王が逃げたくなる気持ちが少しは理解できた。(でも同情はせん!)
テーブルの上には美味しそうなお菓子が多数用意され、良い香りがする紅茶もそれぞれの前に置かれた。
シルビアが極上の微笑みを浮かべて、お茶会開始となった。
「本日は急なお誘いにも関わらず来てくださり、有り難う」
「「「お招き有り難うございます」」」
「皆さん後宮での生活はどうですか?」
まずは当たり障りのない事から聞き出そうとすると
「シルビア様は後宮で生活しないので分かりませんよね~。正妃なのに離宮とはお可哀想に」
ネリー妃がいきなりストレートをかましてくる。
(ほほぉ~、無駄話は無しですか。狐だけど直球勝負がお好きと)
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(牛はおっとり系かと思ったけどネチネチ系か~)
「2人とも!シルビア様がお飾りの正妃でギルア様と初夜を迎えていないのは公然の秘密なんだから、大きな声で言うものではないわ」
(いやいや、脳筋狼が一番抉ってきてるし!それに一番の声が大きい!)
側妃達の無礼な言葉に周りは固まるが、そんなことは気にせず側妃達はやる気満々だ。側妃達、『不敬罪』って知ってる…?
「確かに私は正妃とは名ばかりの人質ですわね。国王には素敵な側妃方が3人もいるので、私の出番はないでしょう」
目に涙を滲ませながら謙虚な発言をするシルビア、かなりの名演技である。周りの侍女達も(お可哀想に…)と目をウルウルさせている。
側妃達は『正妃≒ライバル』と再確認し明らかに安心している。
皆の視線がシルビアに集中している、侍女サーサは透かさずテーブルに近づいて目薬を回収する。証拠隠滅成功!2人の連係プレイは完璧だった、トト爺指導の下、3時間も特訓した成果である。
「そう落ち込まないでください、きっと良い事があります」
「いつか良いご縁もあるかもしれません!」
「そうですわ。お飾りでも正妃、腐っても鯛です!」
敵ではないと認識したのでシルビアに優しい(?)言葉を掛けてくる側妃達、現金なもんである。
「うっうっー、優しい言葉を有り難う。なんか元気が出ましたわ」
(よっしゃー!第一段階クリア。側妃達のガードを外せた♪)
励まされて前向きになれたヒロインのように、はにかんだ笑顔を見せるシルビア、
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