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第184話 憧れの先輩
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その日以来、私はあの人のことが気になって仕方なくなってしまっていた。
まだ学校内では一度も見かけたことが無かったので、あの人は恐らく私よりも上の学年であることは間違いなかった。
一体何年生なのだろう?名前は何て言うのだろう……?
気付けば学校内であの人の姿を探す日々が続いていた。それにも関わらず、一向にあの人の姿を見つけることが出来なかった。
しかし後に、あの人が誰なのか意外な形で知ることになる――。
**
それは4月も半ばになってからのことだった――。
この日は新入生のオリエンテーションも兼ねての生徒総会が行われる日だった。
私達は全員体育館に集まり、その時を待った。
すると、壇上に現れたのがあの人だったのだ。彼は一礼すると、マイクに向かって挨拶を始めた。
「皆さん、こんにちは。この度、新しく生徒会長に就任した氷室隼人と申します!」
壇上に笑顔で立つ、その人は……あの日以来、私が探していた彼だった。
「ねぇ、橘さん。あの生徒会長……格好いいと思わない?」
隣の席で座って話を聞いていた友人がそっと耳打ちしてきた。
「うん。本当ね……」
氷室……隼人先輩。
笑顔で話をする姿はとても素敵だった。
そしてあの人は……少し遅い、私の初恋の相手となった――。
**
あの人の名前を知ることは出来たけれども、私と先輩を繋ぐ接点は何も無かった。
私は1年生だったし、氷室先輩は3年生。校舎も違うから当然滅多に会うことは無かったし、何より先輩はとても人気者だった。
たまに見かけることがあると大抵先輩の回りには人が集まっていて、いつも輪の中心にいた。
学年の違う私がその輪に当然入っていくことは出来ず、ただ私は片思いの相手として先輩を遠くから見つめることしか出来なかった。それでも私は構わないと思っていた。
何故なら所詮、手の届かない人だと思っていたから。
けれど思いがけない出来事により、私と先輩の距離は急激に縮むことになる――。
**
それは5月のGW中の出来事だった。
この日、私は1人で駅前の繁華街に買い物に来ていた。
「やっぱり外に出ると気分がいいな……」
数日前から息切れが酷くて自宅で安静にしている日々が続いていた。けれども、この日は久しぶりに息切れが治まり、起き上がることが出来た。
そこで両親に頼み込んで、ようやく外出許可を貰って買い物に出てきたのだった。
本当は新しく出来た友人たちと遊びに行きたかった。けれども、もし一緒に出掛けている最中に具合でも悪くなったらと思うと、友人たちを誘えなかった。
私は友人たちに気を使わせたくなかったので心臓の病気のことは伏せていたからだ。
本屋の前を通りかかった時に何気なく店内に目をやると、私が愛読している雑誌の新刊広告が貼り出されていることに気付いた。
「あ、新刊が出てる」
そこで早速私は本屋の中へと入ってみることにした。
「何処にあるのかな……?」
店内に入り、早速お目当ての雑誌を探していたけれどもどうしても見つからない。
「お店の人に尋ねてみようかな……」
ポツリとつぶやき、カウンターに視線を移した私は驚いてしまった。
「氷室……先輩……?」
何と、驚いたことに本屋のカウンターレジに先輩の姿があったからだ――。
まだ学校内では一度も見かけたことが無かったので、あの人は恐らく私よりも上の学年であることは間違いなかった。
一体何年生なのだろう?名前は何て言うのだろう……?
気付けば学校内であの人の姿を探す日々が続いていた。それにも関わらず、一向にあの人の姿を見つけることが出来なかった。
しかし後に、あの人が誰なのか意外な形で知ることになる――。
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それは4月も半ばになってからのことだった――。
この日は新入生のオリエンテーションも兼ねての生徒総会が行われる日だった。
私達は全員体育館に集まり、その時を待った。
すると、壇上に現れたのがあの人だったのだ。彼は一礼すると、マイクに向かって挨拶を始めた。
「皆さん、こんにちは。この度、新しく生徒会長に就任した氷室隼人と申します!」
壇上に笑顔で立つ、その人は……あの日以来、私が探していた彼だった。
「ねぇ、橘さん。あの生徒会長……格好いいと思わない?」
隣の席で座って話を聞いていた友人がそっと耳打ちしてきた。
「うん。本当ね……」
氷室……隼人先輩。
笑顔で話をする姿はとても素敵だった。
そしてあの人は……少し遅い、私の初恋の相手となった――。
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あの人の名前を知ることは出来たけれども、私と先輩を繋ぐ接点は何も無かった。
私は1年生だったし、氷室先輩は3年生。校舎も違うから当然滅多に会うことは無かったし、何より先輩はとても人気者だった。
たまに見かけることがあると大抵先輩の回りには人が集まっていて、いつも輪の中心にいた。
学年の違う私がその輪に当然入っていくことは出来ず、ただ私は片思いの相手として先輩を遠くから見つめることしか出来なかった。それでも私は構わないと思っていた。
何故なら所詮、手の届かない人だと思っていたから。
けれど思いがけない出来事により、私と先輩の距離は急激に縮むことになる――。
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それは5月のGW中の出来事だった。
この日、私は1人で駅前の繁華街に買い物に来ていた。
「やっぱり外に出ると気分がいいな……」
数日前から息切れが酷くて自宅で安静にしている日々が続いていた。けれども、この日は久しぶりに息切れが治まり、起き上がることが出来た。
そこで両親に頼み込んで、ようやく外出許可を貰って買い物に出てきたのだった。
本当は新しく出来た友人たちと遊びに行きたかった。けれども、もし一緒に出掛けている最中に具合でも悪くなったらと思うと、友人たちを誘えなかった。
私は友人たちに気を使わせたくなかったので心臓の病気のことは伏せていたからだ。
本屋の前を通りかかった時に何気なく店内に目をやると、私が愛読している雑誌の新刊広告が貼り出されていることに気付いた。
「あ、新刊が出てる」
そこで早速私は本屋の中へと入ってみることにした。
「何処にあるのかな……?」
店内に入り、早速お目当ての雑誌を探していたけれどもどうしても見つからない。
「お店の人に尋ねてみようかな……」
ポツリとつぶやき、カウンターに視線を移した私は驚いてしまった。
「氷室……先輩……?」
何と、驚いたことに本屋のカウンターレジに先輩の姿があったからだ――。
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