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5 芽生えた不信感
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「ハッ!」
突如、夢から目覚めた私は飛び起きていた。
「な、何……? 今の夢は……?」
夢にしてはあまりにも鮮明すぎる。思わず自分の両手を広げてみるも、当然そこに血はついていない。
心臓は早鐘を打ち、身体の震えは止まらない。
「ふぅ……」
ため息をつくと、ベッドから降りた。目が冴えて、とても眠れそうには無かった。
カーテンを開けて外を見ると、まだ空は暗く星が瞬いている。
「今、何時なのかしら……?」
この部屋には時計がないので、時間が全く分からなかった。それにしても先程の夢のせいで、すっかり眠気は飛んでいる。
テーブルに置かれた水差しの水をコップに注いで飲んだ。
「あれは本当に夢だったのかしら? 夢にしてはあまりにも生々しかったわ……」
それにしても気になることがある。
……夢の中で私は『ミレーユ』と呼ばれていた。そして身分は王女だった。しかもどういうわけか姫でありながら北の塔に幽閉されていた。
挙げ句に父親である王を殺害。
極めつけなのが……
私は自分の右手をじっと見つめた。この右腕からはかなり強力な炎の魔法を出すことが出来る。
「もしかして、この身体の持ち主……ミレーユは魔法使いだったのかしら……?」
それに、ジェイクは私のことをミレーユと呼んだ。
「ひょっとしてジェイク……本当はこの身体の持ち主のことを知っていた……?」
ふと、ジェイクの言葉が脳裏に蘇る。
『もし、この先も今のような夢を見た場合は教えてもらえないか?』
あのとき、ジェイクは私にそう言った。けれど今の私は少しだけジェイクに関して不信感を抱き始めていた。
ジェイクは秘密を抱えている。
「一体彼は何者なの……?」
今日見た夢は……ジェイクには黙っていることにしよう。
私は心にそう、決めた――
****
翌朝。
――コンコン
部屋の扉がノックされ、声が聞こえてきた。
『おはよう、ユリアナ。起きているか?』
その声はジェイクだった。私の身体に緊張が走る。
「え、ええ。起きてます、どうぞ」
声を掛けると扉が開かれ、ジェイクが姿を現した。
「早いな。もう起きていたのか? これから食事に行くというから、声を掛けにきたのだが……どうかしたのか? 顔色が良くないぞ?」
そしてジェイクは私の頬に触れてきた。
「い、いえ。大丈夫です。少し……早く目が覚めてしまっただけですから」
さり気なくジェイクの手を払いながら、視線をそらす。
「そうか? なら別に構わないが……」
「準備が終わったら、階下に降りるのでどうぞ先に行って下さい」
「……分かったよ。それじゃ先に行ってるよ」
「はい、お願いします」
そしてジェイクは背を向けると、去っていった。
「……」
そんな彼の後ろ姿を見届けると、扉を締めてため息をついた。
「ふぅ……駄目ね。平静を装わないと……これから先もジェイクとは行動をともにするのだから」
そして私は身だしなみを整えると、部屋を出た――
突如、夢から目覚めた私は飛び起きていた。
「な、何……? 今の夢は……?」
夢にしてはあまりにも鮮明すぎる。思わず自分の両手を広げてみるも、当然そこに血はついていない。
心臓は早鐘を打ち、身体の震えは止まらない。
「ふぅ……」
ため息をつくと、ベッドから降りた。目が冴えて、とても眠れそうには無かった。
カーテンを開けて外を見ると、まだ空は暗く星が瞬いている。
「今、何時なのかしら……?」
この部屋には時計がないので、時間が全く分からなかった。それにしても先程の夢のせいで、すっかり眠気は飛んでいる。
テーブルに置かれた水差しの水をコップに注いで飲んだ。
「あれは本当に夢だったのかしら? 夢にしてはあまりにも生々しかったわ……」
それにしても気になることがある。
……夢の中で私は『ミレーユ』と呼ばれていた。そして身分は王女だった。しかもどういうわけか姫でありながら北の塔に幽閉されていた。
挙げ句に父親である王を殺害。
極めつけなのが……
私は自分の右手をじっと見つめた。この右腕からはかなり強力な炎の魔法を出すことが出来る。
「もしかして、この身体の持ち主……ミレーユは魔法使いだったのかしら……?」
それに、ジェイクは私のことをミレーユと呼んだ。
「ひょっとしてジェイク……本当はこの身体の持ち主のことを知っていた……?」
ふと、ジェイクの言葉が脳裏に蘇る。
『もし、この先も今のような夢を見た場合は教えてもらえないか?』
あのとき、ジェイクは私にそう言った。けれど今の私は少しだけジェイクに関して不信感を抱き始めていた。
ジェイクは秘密を抱えている。
「一体彼は何者なの……?」
今日見た夢は……ジェイクには黙っていることにしよう。
私は心にそう、決めた――
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翌朝。
――コンコン
部屋の扉がノックされ、声が聞こえてきた。
『おはよう、ユリアナ。起きているか?』
その声はジェイクだった。私の身体に緊張が走る。
「え、ええ。起きてます、どうぞ」
声を掛けると扉が開かれ、ジェイクが姿を現した。
「早いな。もう起きていたのか? これから食事に行くというから、声を掛けにきたのだが……どうかしたのか? 顔色が良くないぞ?」
そしてジェイクは私の頬に触れてきた。
「い、いえ。大丈夫です。少し……早く目が覚めてしまっただけですから」
さり気なくジェイクの手を払いながら、視線をそらす。
「そうか? なら別に構わないが……」
「準備が終わったら、階下に降りるのでどうぞ先に行って下さい」
「……分かったよ。それじゃ先に行ってるよ」
「はい、お願いします」
そしてジェイクは背を向けると、去っていった。
「……」
そんな彼の後ろ姿を見届けると、扉を締めてため息をついた。
「ふぅ……駄目ね。平静を装わないと……これから先もジェイクとは行動をともにするのだから」
そして私は身だしなみを整えると、部屋を出た――
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