罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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「では降りよう」

御者台に座ったエドモントに促され、私達は馬車を降りた

「万一のことを考えて荷馬車は隠しておいたほうが良いんじゃないか?」

「確かに言われてみればそのようにしたほうがよいかもしれない。あの岩陰に隠しておいたらどうだろう?」

ジェイクの言葉にエドモントは頷き、刑務所を囲むような岩々を指さした。
そうだ。ジェイクの言葉はもっともだ。私達はこれから刑務所の中に入り、万一ベルンハルト家の騎士たちが捕らえられていれば救出する予定だ。
恐らく強硬手段で救出することになるはず。そうなると、他の囚人たちも一斉に脱獄する可能性もある。
そのような者達に馬車を取られては大変なことになる。

そこで私達は荷馬車を岩陰に運び、地面に杭を打ってそこに馬の手綱をくくりつけた。

「これで恐らく大丈夫だろう。では……行こう。仲間を助けに」

エドモントの言葉に私達は頷いた――



****


「何だって? 知り合いが牢屋に入れられているかもしれないから会わせてほしいだと?」

看守は私達をじろりと見た。

「ああ、頼む」

エドモントが頭を下げる。

「駄目だ駄目だ。あいつらはな、凶悪犯罪者なんだよ。会わせられるはず無いだろう。とっとと帰れ」

この看守は仕事に対していい加減な人物なのだろう。欠伸をしながら私達を手で追い払う仕草を見せた

するとそこへジェイクが口を開いた。

「別にただで会わせろとは言っていない」

そして懐から布袋を取り出すと、無造作に看守の前に差し出した。

「何だ? 一体……言っておくが俺は買収には……」

看守は布袋に手を突っ込み……次の瞬間、息を飲んだ。

「!」

何と看守の手には大きな真っ赤なダイヤが握りしめられていたからだ。

「こ、こ、これは……!」

出てきたダイヤの大きさに、当然私達も驚きを隠せなかった。

一体、何故ジェイクはあんなに見事なダイヤを持っていたのだろう? 勿論エドモントもラルフも目を見開いているのは言うまでもない。

「どうだ? お前の欲しい物じゃないのか?」


ジェイクがニヤリと笑う。

「あ、ああ……た、確かに……」

「なら、そのダイヤはあんたにやる。その代わり袋は返してもらうぞ」

「分かった。別に俺はこんなボロボロの袋は欲しくはないからな」

看守はずる賢そうな笑みを浮べながら、ジェイクに袋を返した。

「どうだ? 会わせて貰えるんだろうな?」

エドモントが看守に尋ねた。

「ああ、いいだろう。囚人たちはこの上の牢に収容されている。お前たちの仲間がいるかどうかは分からんが、勝手に捜すといい」

「ああ、分かった。勝手にさせてもらう」

エドモントは頷き、私達は囚人たちが収容されていると言われている上の階をめざした――
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