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14 深まる疑問、そして……
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結局――
私の本当の正体を明かさないままジェイクの演説は終わり、私達は荷馬車に乗って『ウィスタリア』地区を目指していた。
「それにしても刑務所に荷馬車が残されていた、ついていたな」
エドモントがラルフに話しかけた。
「ええ。本当に良かったですよ。これで助け出した仲間たちを連れ帰ることが出来るのですから」
私達の背後には三台の荷馬車が後に続いて走っている。『ウィスタリア』地区で必要なものを買い揃えた後に、再び隠れ家に戻る予定だった。
「……」
私は御者台に座り、手綱を握りしめているジェイクの後ろ姿をじっと見つめた。
本当にジェイクが彼らに演説した内容は全て真実だったのだろうか?
「どうかしましたか? ユリアナ様」
エドモントが声を掛けてきた。
「え? 別に……何でも無いわ」
「そうですか? ですが、先程の話は驚きでしたね。妙に真実味がありました」
「俺もそう思います」
エドモントの言葉にラルフが頷く。
「二人もそう思う? とても作り話に思えなかったわ……」
「ユリアナ様。もうこの際、はっきり彼に尋ねてみてはどうですか? 思い悩むくらいなら本人に確認したほうが良いでしょう?」
エドモントが私を見つめる。
「分かったわ……聞いてみるわ」
そこで私は立ち上がると、御者台のジェイクに声を掛けた、
「ジェイクさん。……隣、座ってもいいですか?」
「別に構わないけど……フードは被っておくように。ユリアナの姿は目立ちすぎるからな」
「分かりました」
フードを目深に被り、私はジェイクの隣に腰掛けた。
「でも、彼らを全員救出出来て本当に良かったな。まさか、二人が手榴弾を持っていたとは思わなかった」
「ええ。火薬の量も抑えていたから大きな被害も出なくてすみましたし」
そう、エドモントとラルフが捕らえられていた騎士たちを救出することが出来たのは
二人が事前に用意しておいた手榴弾のお陰だったのだ。
牢屋に向かって手榴弾を投げつけて入り口を破壊したことにより、囚人たちは全員牢屋を脱出した。
中には凶悪な犯罪を犯した罪人もいたかも知れないが、仲間を助け出すには囚人たちを全員脱走してしまったほうが都合が良かったからだ。
罪人たちがその後どうなるのか……そこまでは関与するつもりはない。何より、今は戦時下に置かれているのだから。
「あの……ジェイクさん」
「何だい?」
ジェイクは私を見つめて笑みを浮かべる。それは初めて出会った頃の彼と変わらぬ笑顔だったけれども……恐らくこの笑顔は私に向けられたものではない。
「あなたは……一体何者なのですか?」
ゴクリと息を呑み……私はついに、意を決してジェイクに尋ねることにした――
私の本当の正体を明かさないままジェイクの演説は終わり、私達は荷馬車に乗って『ウィスタリア』地区を目指していた。
「それにしても刑務所に荷馬車が残されていた、ついていたな」
エドモントがラルフに話しかけた。
「ええ。本当に良かったですよ。これで助け出した仲間たちを連れ帰ることが出来るのですから」
私達の背後には三台の荷馬車が後に続いて走っている。『ウィスタリア』地区で必要なものを買い揃えた後に、再び隠れ家に戻る予定だった。
「……」
私は御者台に座り、手綱を握りしめているジェイクの後ろ姿をじっと見つめた。
本当にジェイクが彼らに演説した内容は全て真実だったのだろうか?
「どうかしましたか? ユリアナ様」
エドモントが声を掛けてきた。
「え? 別に……何でも無いわ」
「そうですか? ですが、先程の話は驚きでしたね。妙に真実味がありました」
「俺もそう思います」
エドモントの言葉にラルフが頷く。
「二人もそう思う? とても作り話に思えなかったわ……」
「ユリアナ様。もうこの際、はっきり彼に尋ねてみてはどうですか? 思い悩むくらいなら本人に確認したほうが良いでしょう?」
エドモントが私を見つめる。
「分かったわ……聞いてみるわ」
そこで私は立ち上がると、御者台のジェイクに声を掛けた、
「ジェイクさん。……隣、座ってもいいですか?」
「別に構わないけど……フードは被っておくように。ユリアナの姿は目立ちすぎるからな」
「分かりました」
フードを目深に被り、私はジェイクの隣に腰掛けた。
「でも、彼らを全員救出出来て本当に良かったな。まさか、二人が手榴弾を持っていたとは思わなかった」
「ええ。火薬の量も抑えていたから大きな被害も出なくてすみましたし」
そう、エドモントとラルフが捕らえられていた騎士たちを救出することが出来たのは
二人が事前に用意しておいた手榴弾のお陰だったのだ。
牢屋に向かって手榴弾を投げつけて入り口を破壊したことにより、囚人たちは全員牢屋を脱出した。
中には凶悪な犯罪を犯した罪人もいたかも知れないが、仲間を助け出すには囚人たちを全員脱走してしまったほうが都合が良かったからだ。
罪人たちがその後どうなるのか……そこまでは関与するつもりはない。何より、今は戦時下に置かれているのだから。
「あの……ジェイクさん」
「何だい?」
ジェイクは私を見つめて笑みを浮かべる。それは初めて出会った頃の彼と変わらぬ笑顔だったけれども……恐らくこの笑顔は私に向けられたものではない。
「あなたは……一体何者なのですか?」
ゴクリと息を呑み……私はついに、意を決してジェイクに尋ねることにした――
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