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1-6 過去の記憶 <デスループ 2回目>
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「そうだった・・・あの時も鐘の音が鳴り響ていたわ。一体どういう事かしら?」
だけど一番の謎は自分自身だった。何故、死んだはずなのに毎回同じ場所、同じ日に目が覚めるのだろうか?殺され方は毎回違っていたのに・・・。
「そうだった・・2回目の死は・・・。」
<デスループ 2回目>
水死
あの日はとても良く晴れた日だった。前日の最終試験でアンリ様の婚約者に選ばれた私は湖の中の小島に建つ城で祝賀パーティーが開かれるという事で、参加することになったのだ―。
その日、私は久しぶりに部屋の中で1人でのんびり雑誌を読みながら過ごしていた。
コンコン
不意に部屋のドアがやや乱暴にノックされた。
「はーい、どなた?」
ソファに座りながら返事をすると、ドアの外で声が聞こえてきた。
「俺だ、ユベールだ。」
「え?!ユ・ユベール様っ?!」
慌ててソファから立ち上がり、ドアに駆け寄るとガチャリと開けた。するとそこには不機嫌そうな顔のユベールが立っている。
「あ、あの・・・ユベール様・・どうかしましたか?」
するとユベールは眉をしかめると言った。
「は?どうかしましたか?じゃない。一体お前はこんなところで何をやっているのだ?!」
何故かユベールは酷くイライラしている。
「え・・・?な、何をって・・・。御覧の通り、昨日試験も無事に終わったので・・久々の休暇だと思ってのんびり過ごしていたのですが・・?」
私はまた何かユベールを怒らせるような事をしてしまったのだろうか?
するとユベールは大げさなくらい大きなため息をつき、額を手で押さえると言った。
「お前・・今日が何の日か知らないのかっ?お前が王子の婚約者に決定した事を祝う祝賀パーティーの日だっただろう?!」
「え・・ええっ?!な、何ですかっ?!その話は・・初耳ですけど?!」
そんな話は一度も聞かされていない。
「何・・?初耳だって・・?嘘を言うなっ!どうして当事者のお前が何も知らされていないっ?!大体・・お前の侍女はどこにいるんだっ?!」
「侍女なら初めからおりませんけど・・・?」
「え・・?」
ユベールは信じられないと言わんばかりの目で私を見た。
「どういうことだ?侍女がいないとは・・?」
「ああ・・ユベール様はご存じなかったのですね?全ての令嬢が侍女を持てるわけではないのですよ?基本伯爵令嬢から専属侍女を用意してもらえるのですが・・どうやら私には手違いか何かわかりませんが侍女は与えられませんでした。メイドはおりますけど、彼女たちも時間で働いていますから・・。」
「何だって・・?それではお前は侍女もいない状態で試験に合格したのか?」
「そうですね・・運が良かったのかもしれませんが・・。」
けれど、本当に運が良かったのだろうか?試験が始まった時から私は・・いえ、全ての令嬢たちは明らかにアンリ様に歓迎されているとは思えなかった。けれどもやはり時期王妃という座は貴族令嬢たちは欲しかったのだろう。皆必死で試験に合格しうようと奮闘していたが、私は微塵も興味が無かった。それなのに最終的に選ばれてしまったのだ。
「・・・と、とにかくパーティーはもう始まっている。王子が早くお前を連れて来い
と言ってるのだ。今すぐ行くぞ。」
ユベールは踵を返すと速足で歩き始める。
「え?そ、そんな・・・っ!こんな普段着のまま行くのですかっ?!」
「文句を言うな。常に余所行きの姿をしていればこのような事にはならなかっただろう?!」
ユベールは滅茶苦茶な事を言う。けれど・・立場が弱い私には言い返す術は無かった・・・。
その後、ユベールの走らせる馬に一緒に乗り、連れていかれたのは湖だった。
「見えるか?あの湖に浮かぶ城が。」
ユベールが指さした方向には島の上に城が立っている様子が見えた。
「はい、見えます。あの城に行くのですね?」
「ああ、そうだ。俺は馬をつなげてくるからお前はそこに浮いているボートに先に乗っていろ。」
「え・・?あ、は、はい・・・。」
返事をするとユベールはこちらを見もせずに馬をつ入れてその場を去ってしまった。
「ボートなんて乗ったことないのに・・。」
だけどあのユベールにとてもではないが手を貸してほしいとは頼めなかった。
「まあ・・何とかなるでしょう・・。」
おっかなびっくりボートを括り付けているロープを手元に引きよせ、近づいたところで縁に手を置き、何とか乗り込んだとたん・・・いきなりボートがブクブクと転覆しだしたのだ。
「キャアアッ!」
慌ててロープを手繰り寄せ、桟橋に近づけようとしてもすっかり水に浸かってしまったボートは重すぎて動かすことが出来ない。
ボートが沈むのにさほど時間はかからなかった。そしてとうとう私は湖の中に沈んでしまった。
ゴボゴボゴボ・・ッ!
く、苦しい・・・。私は全く泳ぐことが出来ない。濡れたワンピースが身体にまとわりついて身動きが取れない。息を吸おうとして大量に肺の中に水が入り込むのが分かった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン
再び聞こえてくる鐘の音・・・。
こうして私は・・私は2回目の死を迎えた―。
だけど一番の謎は自分自身だった。何故、死んだはずなのに毎回同じ場所、同じ日に目が覚めるのだろうか?殺され方は毎回違っていたのに・・・。
「そうだった・・2回目の死は・・・。」
<デスループ 2回目>
水死
あの日はとても良く晴れた日だった。前日の最終試験でアンリ様の婚約者に選ばれた私は湖の中の小島に建つ城で祝賀パーティーが開かれるという事で、参加することになったのだ―。
その日、私は久しぶりに部屋の中で1人でのんびり雑誌を読みながら過ごしていた。
コンコン
不意に部屋のドアがやや乱暴にノックされた。
「はーい、どなた?」
ソファに座りながら返事をすると、ドアの外で声が聞こえてきた。
「俺だ、ユベールだ。」
「え?!ユ・ユベール様っ?!」
慌ててソファから立ち上がり、ドアに駆け寄るとガチャリと開けた。するとそこには不機嫌そうな顔のユベールが立っている。
「あ、あの・・・ユベール様・・どうかしましたか?」
するとユベールは眉をしかめると言った。
「は?どうかしましたか?じゃない。一体お前はこんなところで何をやっているのだ?!」
何故かユベールは酷くイライラしている。
「え・・・?な、何をって・・・。御覧の通り、昨日試験も無事に終わったので・・久々の休暇だと思ってのんびり過ごしていたのですが・・?」
私はまた何かユベールを怒らせるような事をしてしまったのだろうか?
するとユベールは大げさなくらい大きなため息をつき、額を手で押さえると言った。
「お前・・今日が何の日か知らないのかっ?お前が王子の婚約者に決定した事を祝う祝賀パーティーの日だっただろう?!」
「え・・ええっ?!な、何ですかっ?!その話は・・初耳ですけど?!」
そんな話は一度も聞かされていない。
「何・・?初耳だって・・?嘘を言うなっ!どうして当事者のお前が何も知らされていないっ?!大体・・お前の侍女はどこにいるんだっ?!」
「侍女なら初めからおりませんけど・・・?」
「え・・?」
ユベールは信じられないと言わんばかりの目で私を見た。
「どういうことだ?侍女がいないとは・・?」
「ああ・・ユベール様はご存じなかったのですね?全ての令嬢が侍女を持てるわけではないのですよ?基本伯爵令嬢から専属侍女を用意してもらえるのですが・・どうやら私には手違いか何かわかりませんが侍女は与えられませんでした。メイドはおりますけど、彼女たちも時間で働いていますから・・。」
「何だって・・?それではお前は侍女もいない状態で試験に合格したのか?」
「そうですね・・運が良かったのかもしれませんが・・。」
けれど、本当に運が良かったのだろうか?試験が始まった時から私は・・いえ、全ての令嬢たちは明らかにアンリ様に歓迎されているとは思えなかった。けれどもやはり時期王妃という座は貴族令嬢たちは欲しかったのだろう。皆必死で試験に合格しうようと奮闘していたが、私は微塵も興味が無かった。それなのに最終的に選ばれてしまったのだ。
「・・・と、とにかくパーティーはもう始まっている。王子が早くお前を連れて来い
と言ってるのだ。今すぐ行くぞ。」
ユベールは踵を返すと速足で歩き始める。
「え?そ、そんな・・・っ!こんな普段着のまま行くのですかっ?!」
「文句を言うな。常に余所行きの姿をしていればこのような事にはならなかっただろう?!」
ユベールは滅茶苦茶な事を言う。けれど・・立場が弱い私には言い返す術は無かった・・・。
その後、ユベールの走らせる馬に一緒に乗り、連れていかれたのは湖だった。
「見えるか?あの湖に浮かぶ城が。」
ユベールが指さした方向には島の上に城が立っている様子が見えた。
「はい、見えます。あの城に行くのですね?」
「ああ、そうだ。俺は馬をつなげてくるからお前はそこに浮いているボートに先に乗っていろ。」
「え・・?あ、は、はい・・・。」
返事をするとユベールはこちらを見もせずに馬をつ入れてその場を去ってしまった。
「ボートなんて乗ったことないのに・・。」
だけどあのユベールにとてもではないが手を貸してほしいとは頼めなかった。
「まあ・・何とかなるでしょう・・。」
おっかなびっくりボートを括り付けているロープを手元に引きよせ、近づいたところで縁に手を置き、何とか乗り込んだとたん・・・いきなりボートがブクブクと転覆しだしたのだ。
「キャアアッ!」
慌ててロープを手繰り寄せ、桟橋に近づけようとしてもすっかり水に浸かってしまったボートは重すぎて動かすことが出来ない。
ボートが沈むのにさほど時間はかからなかった。そしてとうとう私は湖の中に沈んでしまった。
ゴボゴボゴボ・・ッ!
く、苦しい・・・。私は全く泳ぐことが出来ない。濡れたワンピースが身体にまとわりついて身動きが取れない。息を吸おうとして大量に肺の中に水が入り込むのが分かった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン
再び聞こえてくる鐘の音・・・。
こうして私は・・私は2回目の死を迎えた―。
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