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2-3 苛立ち
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カツカツカツカツ…
大股で歩くユベールの後を追いながら私は声を掛けた。
「あの…ユベール様」
「何だ?」
青いマントをなびかせて、こちらを振り向くこともなくユベールは返事をした。
「私…今二組のグループから仲間にならないかと誘われていたんです」
「ああ。そのようだな」
「私、ユベール様にお話ししましたよね?このゲームを棄権したいと」
「ああ、そうだ。それでアンリ王子がお前を呼んでいるんだ」
「彼女たちは…皆、アンリ王子の婚約者になりたくて必死なんです。何しろ王子様と言ったら雲の上のような存在ですから」
「そうだろうな…それなにの身の程もわきまえずにアンリ王子の婚約者の座を狙って醜い争いを繰り広げようとしている」
どこか軽蔑するような言い方をするユベール。自分たちで集めておいて何という言い草だろう。
「皆…それだけ真剣なのです。だって普通なら言葉を交わすことだって難しいのですよ?」
「お前の言う通りだ」
何処までも私の話に淡々と答えるユベールに私はいい加減痺れを切らしてしまった。もうこうなったら…!
「待ってください、ユベール様っ!」
私は駆け足でユベールの前に回り込むと言った。
「何だ?一体どういうつもりだ?」
ユベールはジロリと私を見下ろす。
「どういうつもり?それはこちらのセリフです。私を仲間に引き入れる為に先ほど双方のグループがいい争いをしていましたよね?皆必死なんですよ?誰もがアンリ王子の婚約者の座を狙っているんです!」
「だが、お前は違うだろう?現に棄権して帰る事を望んでいる」
「ええ、そうです!アンリ王子を巡っての争いに巻き込まれたくないからですっ!大体私は王太子妃になど少しもなりたいとは思っていないんですっ!」
「…」
ユベールは何を思っているのか、黙って私の話を聞いている。
「だけど、彼女たちは私がそんなことを思っているとは知りません。いえ、言っても信じてくれません。私はただ誰の目に留まることもなく静かに城を去りたかったのに…!ユベール様があの場で私がアンリ王子に呼ばれているなんて話してしまったから、逆に彼女たちに目をつけられてしまったじゃありませんかっ!」
ハアハアと息を吐きながら私は最後まで自分の言いたいことを言いきった。
「分かってる。だからアンリ王子はお前を連れてくるように俺に命じたのだ」
ユベールの言葉には何の感情も入っていない。
「な…っ?!」
あまりのいいように言葉を失っていると、ユベールは私を通り越しながら言う。
「早く来い、アンリ王子とジュリエッタがお前を待っている」
なんて話が通用しない人なのだろう。でも、もういい。アンリ王子と謁見が叶うのだから。そしたらすぐに言うんだ。私はこのゲームを棄権するので今ぐ屋敷に帰らせて下さいと。
私は急いでユベールの後を追った―。
****
コンコン
アンリ王子の部屋の前に到着するとユベールは扉をノックした。するとすぐに扉が開かれ、アンリ王子が姿を見せた。
「やあ、待っていたよ。シルビア、さあ。中へ入ってくれ」
「失礼致します…」
部屋の中に入ると、ソファには相変わらず豪華なドレスを着たジュリエッタが座っていた。
「よく来てくれたわ、シルビア。私が信頼できるのは貴女だけよ?」
ジュリエッタはどういう意図で私にそんな言葉を掛けるのだろう?
「さあ、座っておくれ。シルビア。」
アンリ王子に促され、ソファに座ると向かい側にアンリ王子も座る。
「ユベールに聞いたよ。君はゲームに参加しないで家に帰りたいと」
「はい、そうです。なので今すぐ帰らせてください」
「そうか…でも、そんな話を聞いたらますます君を帰らせることが出来なくなってしまったな。君は僕たちの計画にどうしても必要な人間だからね?」
アンリ王子はとんでもない事を言ってきた―。
大股で歩くユベールの後を追いながら私は声を掛けた。
「あの…ユベール様」
「何だ?」
青いマントをなびかせて、こちらを振り向くこともなくユベールは返事をした。
「私…今二組のグループから仲間にならないかと誘われていたんです」
「ああ。そのようだな」
「私、ユベール様にお話ししましたよね?このゲームを棄権したいと」
「ああ、そうだ。それでアンリ王子がお前を呼んでいるんだ」
「彼女たちは…皆、アンリ王子の婚約者になりたくて必死なんです。何しろ王子様と言ったら雲の上のような存在ですから」
「そうだろうな…それなにの身の程もわきまえずにアンリ王子の婚約者の座を狙って醜い争いを繰り広げようとしている」
どこか軽蔑するような言い方をするユベール。自分たちで集めておいて何という言い草だろう。
「皆…それだけ真剣なのです。だって普通なら言葉を交わすことだって難しいのですよ?」
「お前の言う通りだ」
何処までも私の話に淡々と答えるユベールに私はいい加減痺れを切らしてしまった。もうこうなったら…!
「待ってください、ユベール様っ!」
私は駆け足でユベールの前に回り込むと言った。
「何だ?一体どういうつもりだ?」
ユベールはジロリと私を見下ろす。
「どういうつもり?それはこちらのセリフです。私を仲間に引き入れる為に先ほど双方のグループがいい争いをしていましたよね?皆必死なんですよ?誰もがアンリ王子の婚約者の座を狙っているんです!」
「だが、お前は違うだろう?現に棄権して帰る事を望んでいる」
「ええ、そうです!アンリ王子を巡っての争いに巻き込まれたくないからですっ!大体私は王太子妃になど少しもなりたいとは思っていないんですっ!」
「…」
ユベールは何を思っているのか、黙って私の話を聞いている。
「だけど、彼女たちは私がそんなことを思っているとは知りません。いえ、言っても信じてくれません。私はただ誰の目に留まることもなく静かに城を去りたかったのに…!ユベール様があの場で私がアンリ王子に呼ばれているなんて話してしまったから、逆に彼女たちに目をつけられてしまったじゃありませんかっ!」
ハアハアと息を吐きながら私は最後まで自分の言いたいことを言いきった。
「分かってる。だからアンリ王子はお前を連れてくるように俺に命じたのだ」
ユベールの言葉には何の感情も入っていない。
「な…っ?!」
あまりのいいように言葉を失っていると、ユベールは私を通り越しながら言う。
「早く来い、アンリ王子とジュリエッタがお前を待っている」
なんて話が通用しない人なのだろう。でも、もういい。アンリ王子と謁見が叶うのだから。そしたらすぐに言うんだ。私はこのゲームを棄権するので今ぐ屋敷に帰らせて下さいと。
私は急いでユベールの後を追った―。
****
コンコン
アンリ王子の部屋の前に到着するとユベールは扉をノックした。するとすぐに扉が開かれ、アンリ王子が姿を見せた。
「やあ、待っていたよ。シルビア、さあ。中へ入ってくれ」
「失礼致します…」
部屋の中に入ると、ソファには相変わらず豪華なドレスを着たジュリエッタが座っていた。
「よく来てくれたわ、シルビア。私が信頼できるのは貴女だけよ?」
ジュリエッタはどういう意図で私にそんな言葉を掛けるのだろう?
「さあ、座っておくれ。シルビア。」
アンリ王子に促され、ソファに座ると向かい側にアンリ王子も座る。
「ユベールに聞いたよ。君はゲームに参加しないで家に帰りたいと」
「はい、そうです。なので今すぐ帰らせてください」
「そうか…でも、そんな話を聞いたらますます君を帰らせることが出来なくなってしまったな。君は僕たちの計画にどうしても必要な人間だからね?」
アンリ王子はとんでもない事を言ってきた―。
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