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3-6 脱落者
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アンリ王子は蓋を開けて私を見た。そしてニッコリ笑う。
「うん、やっぱり魔石は入っていたね?」
そして私達にも箱の中身が見えるように少し傾けてみせた。すると箱の中には光り輝く魔石が入っていた。
「すごい…!やっぱり当てたわ」
「彼女、相当魔力が強いのね…」
「羨ましいわ…」
令嬢たちのざわめきが起こった。
アンリ王子は魔石を取り出すとすぐに魔力を遮断する袋に入れた。するとあれ程鳴り響いていた鐘の音が嘘のようにピタリと止まる。
思わず安堵のため息をつくと、私を支えていたユベールが声を掛けてきた。
「大丈夫だったか?」
「は、はい」
「まだ顔色が悪いな…」
「でも、もう気分は良くなりました」
そんな様子の私達をアンリ王子は少しだけ見ていたが、やがてコーネリアを見た。
「君はやはり嘘をついていたね?」
「ア、アンリ王子…」
コーネリアの顔は真っ青になっていた。
「知っていたんだよ、僕は…君には全く魔力がないって事。だから君の名を呼ぶ気は全く無かった。だって、仮にも王族相手に嘘をつくのだから」
「!」
それはゾッとする程に冷たく、冷え切った言葉だった。周りの令嬢たちも始めて見るアンリ王子の変貌ぶりに言葉を無くしている。私も過去12回のループであんな様子の王子を見たことは無かった。しかし、ジュリエッタとユベールは平然としている。仮にも2人はアンリ王子の幼馴染。恐らく彼の二面性を知っていたのだろう。
「さあ、君は今すぐ荷物をまとめてこの城から出ていってくれ」
「そ、そんな!私だけこんなに早く城を出ていかなくてはならないのですか?!」
アンリ王子の言葉にコーネリアはすがりつくかのように叫んだ。すると…。
「僕はね、同じことを何度も言わされるのが一番嫌いなんだよ。3度目は言わない。今すぐ荷物をまとめて出ていくんだ!」
その迫力に、辺りは水を打ったように静かになった。コーネリアはブルブル震えていたが、やがてがっくりと項垂れると返事をした。
「は、はい…分かりました」
そして、そのままフラフラとダイニングルームを出ていった。その様子を黙ってアンリ王子は見つめていたが、完全にコーネリアが部屋からいなくなると口を開いた。
「皆、朝から騒がせてしまったね。余計な時間を取ってしまったから、今日の魔石探しゲームは10時から始めることにしよう。それまでは自由に過ごして構わないからね?」
そしてアンリ王子はジュリエッタを伴って、去って行った。途端に令嬢達は騒ぎ始めた。
「それにしてもあの令嬢…随分図々しい女だったわね」
「ライバルが減って良かったわ」
「アンリ王子って中々怖い人だったのね…」
「優しそうに見えたのに以外だったわ…」
その言葉にユベールがピクリと反応した。アンリ王子はユベールにとって特別な存在。だから彼が少しでも批判めいた事を言われるのが我慢出来ないのだろう。
「ユベール様、食事にしませんか?まだ私達何も食べていないので」
ユベールの気をそらせるため、私は言った。
「ああ、そうだな」
私達はテーブルに戻ると、料理はすっかり冷めてしまっていた。
「折角の料理…冷めてしまったな。取り替えてくるか?」
「大丈夫ですよ。王宮の料理は冷めても美味しいですし…私はこのままで十分です。では頂きましょう」
笑みを浮かべてユベールを見る。
「ああ。そうだな」
辺りの喧騒を他所に、私とユベールは食事を始めた。やはり王宮の料理は冷めていても美味しかった。
「ユベール様。味はどうですか?」
「ああ、悪くないな」
「でしょう?冷めても美味しいものは美味しいんですよ」
その時、令嬢たちが私達を見てコソコソ話している声が聞こえてきた。
「やっぱり魔力がある人は余裕で食事が出来るのね」
「私、あの箱の魔石を当てられなかったもの」
「となると…彼女から魔石を奪えばいいのね」
ガタンッ!!
唐突に聞こえてきた言葉にユベールが突然立ち上がった。そしてジロリと声の聞こえた方向を睨みつけると言った。
「おい、お前か?今魔石を奪えばいいと言ったのは?」
「!」
睨まれた令嬢達はビクリとしてユベールを見る。まずい!このままではまた騒ぎが起こるかもしれない!
「落ち着いて下さい、ユベール様!」
私は慌てて小声でユベールを止めた。
「何故止める?!あいつらはお前が集めた魔石を奪おうとしてるのだぞ?!」
ますますユベールは興奮が止まらない。
「ユベール様!今の言い方では私が魔石を持ってる事が他の人達にバレた事になってしまいますよ?」
「あ…」
その時になってユベールは自分が始めて失態を犯したことに気付いたようだった。
「す、すまない。つい腹が立って…」
ユベールはため息を着くと椅子に座った。
「いいえ…もういいですよ。どの道、私は魔石の隠された場所を探せることがバレてしまったのですから」
するとユベールが言った。
「すまん、本当に悪かった。だから約束しよう。お前の魔石を狙ってくる者が現れたら、俺は必ずお前を守ってやるからな?」
その目は…嘘をついている目には見えなかった―。
「うん、やっぱり魔石は入っていたね?」
そして私達にも箱の中身が見えるように少し傾けてみせた。すると箱の中には光り輝く魔石が入っていた。
「すごい…!やっぱり当てたわ」
「彼女、相当魔力が強いのね…」
「羨ましいわ…」
令嬢たちのざわめきが起こった。
アンリ王子は魔石を取り出すとすぐに魔力を遮断する袋に入れた。するとあれ程鳴り響いていた鐘の音が嘘のようにピタリと止まる。
思わず安堵のため息をつくと、私を支えていたユベールが声を掛けてきた。
「大丈夫だったか?」
「は、はい」
「まだ顔色が悪いな…」
「でも、もう気分は良くなりました」
そんな様子の私達をアンリ王子は少しだけ見ていたが、やがてコーネリアを見た。
「君はやはり嘘をついていたね?」
「ア、アンリ王子…」
コーネリアの顔は真っ青になっていた。
「知っていたんだよ、僕は…君には全く魔力がないって事。だから君の名を呼ぶ気は全く無かった。だって、仮にも王族相手に嘘をつくのだから」
「!」
それはゾッとする程に冷たく、冷え切った言葉だった。周りの令嬢たちも始めて見るアンリ王子の変貌ぶりに言葉を無くしている。私も過去12回のループであんな様子の王子を見たことは無かった。しかし、ジュリエッタとユベールは平然としている。仮にも2人はアンリ王子の幼馴染。恐らく彼の二面性を知っていたのだろう。
「さあ、君は今すぐ荷物をまとめてこの城から出ていってくれ」
「そ、そんな!私だけこんなに早く城を出ていかなくてはならないのですか?!」
アンリ王子の言葉にコーネリアはすがりつくかのように叫んだ。すると…。
「僕はね、同じことを何度も言わされるのが一番嫌いなんだよ。3度目は言わない。今すぐ荷物をまとめて出ていくんだ!」
その迫力に、辺りは水を打ったように静かになった。コーネリアはブルブル震えていたが、やがてがっくりと項垂れると返事をした。
「は、はい…分かりました」
そして、そのままフラフラとダイニングルームを出ていった。その様子を黙ってアンリ王子は見つめていたが、完全にコーネリアが部屋からいなくなると口を開いた。
「皆、朝から騒がせてしまったね。余計な時間を取ってしまったから、今日の魔石探しゲームは10時から始めることにしよう。それまでは自由に過ごして構わないからね?」
そしてアンリ王子はジュリエッタを伴って、去って行った。途端に令嬢達は騒ぎ始めた。
「それにしてもあの令嬢…随分図々しい女だったわね」
「ライバルが減って良かったわ」
「アンリ王子って中々怖い人だったのね…」
「優しそうに見えたのに以外だったわ…」
その言葉にユベールがピクリと反応した。アンリ王子はユベールにとって特別な存在。だから彼が少しでも批判めいた事を言われるのが我慢出来ないのだろう。
「ユベール様、食事にしませんか?まだ私達何も食べていないので」
ユベールの気をそらせるため、私は言った。
「ああ、そうだな」
私達はテーブルに戻ると、料理はすっかり冷めてしまっていた。
「折角の料理…冷めてしまったな。取り替えてくるか?」
「大丈夫ですよ。王宮の料理は冷めても美味しいですし…私はこのままで十分です。では頂きましょう」
笑みを浮かべてユベールを見る。
「ああ。そうだな」
辺りの喧騒を他所に、私とユベールは食事を始めた。やはり王宮の料理は冷めていても美味しかった。
「ユベール様。味はどうですか?」
「ああ、悪くないな」
「でしょう?冷めても美味しいものは美味しいんですよ」
その時、令嬢たちが私達を見てコソコソ話している声が聞こえてきた。
「やっぱり魔力がある人は余裕で食事が出来るのね」
「私、あの箱の魔石を当てられなかったもの」
「となると…彼女から魔石を奪えばいいのね」
ガタンッ!!
唐突に聞こえてきた言葉にユベールが突然立ち上がった。そしてジロリと声の聞こえた方向を睨みつけると言った。
「おい、お前か?今魔石を奪えばいいと言ったのは?」
「!」
睨まれた令嬢達はビクリとしてユベールを見る。まずい!このままではまた騒ぎが起こるかもしれない!
「落ち着いて下さい、ユベール様!」
私は慌てて小声でユベールを止めた。
「何故止める?!あいつらはお前が集めた魔石を奪おうとしてるのだぞ?!」
ますますユベールは興奮が止まらない。
「ユベール様!今の言い方では私が魔石を持ってる事が他の人達にバレた事になってしまいますよ?」
「あ…」
その時になってユベールは自分が始めて失態を犯したことに気付いたようだった。
「す、すまない。つい腹が立って…」
ユベールはため息を着くと椅子に座った。
「いいえ…もういいですよ。どの道、私は魔石の隠された場所を探せることがバレてしまったのですから」
するとユベールが言った。
「すまん、本当に悪かった。だから約束しよう。お前の魔石を狙ってくる者が現れたら、俺は必ずお前を守ってやるからな?」
その目は…嘘をついている目には見えなかった―。
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