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5-3 口論
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「シルビアッ!今の話は本当かっ?!」
突然ユベールが豹変した様子で再び私の両肩を強く握りしめて来た。
「は、はい。そうです」
すると、ユベールが歯を食いしばりながら、背後に立つキリアンを振り返った。
「キリアン…お前…シルビアについていながら、何故危険な目に遭わせたっ?!」
え?ユベールが…私の為に激怒しているの?しかし、怒鳴りつけられたキリアンは全く動じる事なく言った。
「おや?どうしたんだ?ユベールらしくないじゃないか。お前が心を揺さぶられる相手はアンリ王子と…そして愛しいジュリエッタ。この2人だけじゃないのかい?なのに何故シルビアの事でそんなに動揺しているんだい?大体、お前が今、ここにいるのもシルビアが逃げ出したりしていないか確認する為だけにやって来たんだろう?」
その言葉にユベールは私の方を振り返った。
「ユベール様…?」
「シルビア…キリアンの事をどう思っているんだ?」
「え?」
突然の質問に私は戸惑ってしまった。何故、今この状況でそんな事を聞いて来るのだろう?
「答えるんだ。シルビア」
「おいおい、ユベール。一体シルビアに何を聞いているんだ?」
「うるさいっ!俺は今シルビアと話をしているんだ!」
ユベールはキリアンを怒鳴ると再度私を見た。
「シルビア、お前この魔石探しゲームが終了するまであの男とペアを組むつもりなのか?」
「え、ええ。そのつもりですが…?」
「お前、俺が戻って来たのにまだキリアンを仲間として続けるのか?何故だ?」
「それは…アンリ王子がもうユベール様をご自身の専属騎士に戻されるからです」
「何?」
ユベールが眉をひそめる。
「アンリ王子は仰っておられました。私だからこそ、短い間だったけれどもユベール様を貸してあげたんだからねと」
「…」
ユベールは黙って私の話を聞いている。
「多分、明日も引き続きアンリ王子から護衛騎士を続けるように申し付けられるのではないですか?」
「ああ、そうに決まっている。何しろユベールにとってアンリ王子の命令は絶対だからね。それにジュリエッタのお願いもだよ」
キリアンは腕組みをし、笑みを浮かべながら言う。
「ジュリエッタの話はやめろ!彼女は別に関係無い!」
「何故だい?隙あらば、アンリ王子からジュリエッタを奪って自分の物にしたいと思っているくせに?」
「やめろっ!」
ユベールがムキになって否定している。このままでは2人が喧嘩になってしまう!
「ユベール様、聞いて下さい」
私はユベールの袖を引っ張った。
「何だ?!」
ユベールがイライラしたように返事をする。
「とにかく本当に危険な目にあったのは初日だけだったのです。その後はキリアン様のお陰で魔石を狙う者達から、私と魔石を守って貰えています。なのでこのまま魔石探しのお手伝いをお願いしたいと思っています」
「シルビア…お前、本当にそう決めたのか?」
「はい、そうです」
「…」
するとキリアンは何故か悲し気な瞳で私を見ると言った。
「分った、お前の好きにしろ」
そして背を向けてしまった。
「ユベール様…」
「行くぞ、キリアン」
「え?何で俺も?今からシルビアの部屋で朝まで過ごそうと思っていたのに?」
またしてもキリアンは質の悪い冗談を言う。
「はぁ?!駄目に決まっているだろうっ?!いいから戻るんだ!」
「分ったよ、そこまで言われたら諦めるしかないな」
「そうだ、キリアン。へやに戻ったら集まった魔石を渡せ。」
「は?何でだよ」
「80個集まっているならアンリ王子に渡してしまえるだろう?そうすればシルビアはもう今月は魔石を探さなくてすむじゃないか」
「いやだね。ユベール、お前には預けない。だとしたらアンリ王子に直に預けるさ」
「…必ず渡せよ」
ユベールが念押しした。そして私を見ると言った。
「悪かったな。夜分に訪ねたりして」
「いえ…」
「おやすみ、シルビア。また明日な」
キリアンが私に近付くと、不意に右頬にキスしてきた。
「なっ?!」
驚きの声を上げたのはユベールの方だった。
「お、お前…何するんだっ!」
ユベールは私からキリアンを引き剥がすと首を締め上げた。
「ま、待てよ。何でそんなムキになって怒るんだよ?お前にしたわけじゃないだろう?」
「当り前だっ!」
ユベールは眉間にしわを寄せて怒りをあらわにした。
「待って下さい!落ち着いてください、ユベール様!今のはほんの挨拶ですから!」
「挨拶…?挨拶だと?」
「そ、そうです」
「ほら、シルビアもああ言ってるんだ。ほら、行くよ。じゃあね」
「はい、おやすみなさい」
「じゃあな、シルビア」
ユベールも声を掛けると、2人は私の部屋から去って行った。2人が暗い廊下に消えるのを見届けると、私も部屋へと戻った。
そして翌朝、事件が起こった。
キリアンが…殺されたのだ―。
突然ユベールが豹変した様子で再び私の両肩を強く握りしめて来た。
「は、はい。そうです」
すると、ユベールが歯を食いしばりながら、背後に立つキリアンを振り返った。
「キリアン…お前…シルビアについていながら、何故危険な目に遭わせたっ?!」
え?ユベールが…私の為に激怒しているの?しかし、怒鳴りつけられたキリアンは全く動じる事なく言った。
「おや?どうしたんだ?ユベールらしくないじゃないか。お前が心を揺さぶられる相手はアンリ王子と…そして愛しいジュリエッタ。この2人だけじゃないのかい?なのに何故シルビアの事でそんなに動揺しているんだい?大体、お前が今、ここにいるのもシルビアが逃げ出したりしていないか確認する為だけにやって来たんだろう?」
その言葉にユベールは私の方を振り返った。
「ユベール様…?」
「シルビア…キリアンの事をどう思っているんだ?」
「え?」
突然の質問に私は戸惑ってしまった。何故、今この状況でそんな事を聞いて来るのだろう?
「答えるんだ。シルビア」
「おいおい、ユベール。一体シルビアに何を聞いているんだ?」
「うるさいっ!俺は今シルビアと話をしているんだ!」
ユベールはキリアンを怒鳴ると再度私を見た。
「シルビア、お前この魔石探しゲームが終了するまであの男とペアを組むつもりなのか?」
「え、ええ。そのつもりですが…?」
「お前、俺が戻って来たのにまだキリアンを仲間として続けるのか?何故だ?」
「それは…アンリ王子がもうユベール様をご自身の専属騎士に戻されるからです」
「何?」
ユベールが眉をひそめる。
「アンリ王子は仰っておられました。私だからこそ、短い間だったけれどもユベール様を貸してあげたんだからねと」
「…」
ユベールは黙って私の話を聞いている。
「多分、明日も引き続きアンリ王子から護衛騎士を続けるように申し付けられるのではないですか?」
「ああ、そうに決まっている。何しろユベールにとってアンリ王子の命令は絶対だからね。それにジュリエッタのお願いもだよ」
キリアンは腕組みをし、笑みを浮かべながら言う。
「ジュリエッタの話はやめろ!彼女は別に関係無い!」
「何故だい?隙あらば、アンリ王子からジュリエッタを奪って自分の物にしたいと思っているくせに?」
「やめろっ!」
ユベールがムキになって否定している。このままでは2人が喧嘩になってしまう!
「ユベール様、聞いて下さい」
私はユベールの袖を引っ張った。
「何だ?!」
ユベールがイライラしたように返事をする。
「とにかく本当に危険な目にあったのは初日だけだったのです。その後はキリアン様のお陰で魔石を狙う者達から、私と魔石を守って貰えています。なのでこのまま魔石探しのお手伝いをお願いしたいと思っています」
「シルビア…お前、本当にそう決めたのか?」
「はい、そうです」
「…」
するとキリアンは何故か悲し気な瞳で私を見ると言った。
「分った、お前の好きにしろ」
そして背を向けてしまった。
「ユベール様…」
「行くぞ、キリアン」
「え?何で俺も?今からシルビアの部屋で朝まで過ごそうと思っていたのに?」
またしてもキリアンは質の悪い冗談を言う。
「はぁ?!駄目に決まっているだろうっ?!いいから戻るんだ!」
「分ったよ、そこまで言われたら諦めるしかないな」
「そうだ、キリアン。へやに戻ったら集まった魔石を渡せ。」
「は?何でだよ」
「80個集まっているならアンリ王子に渡してしまえるだろう?そうすればシルビアはもう今月は魔石を探さなくてすむじゃないか」
「いやだね。ユベール、お前には預けない。だとしたらアンリ王子に直に預けるさ」
「…必ず渡せよ」
ユベールが念押しした。そして私を見ると言った。
「悪かったな。夜分に訪ねたりして」
「いえ…」
「おやすみ、シルビア。また明日な」
キリアンが私に近付くと、不意に右頬にキスしてきた。
「なっ?!」
驚きの声を上げたのはユベールの方だった。
「お、お前…何するんだっ!」
ユベールは私からキリアンを引き剥がすと首を締め上げた。
「ま、待てよ。何でそんなムキになって怒るんだよ?お前にしたわけじゃないだろう?」
「当り前だっ!」
ユベールは眉間にしわを寄せて怒りをあらわにした。
「待って下さい!落ち着いてください、ユベール様!今のはほんの挨拶ですから!」
「挨拶…?挨拶だと?」
「そ、そうです」
「ほら、シルビアもああ言ってるんだ。ほら、行くよ。じゃあね」
「はい、おやすみなさい」
「じゃあな、シルビア」
ユベールも声を掛けると、2人は私の部屋から去って行った。2人が暗い廊下に消えるのを見届けると、私も部屋へと戻った。
そして翌朝、事件が起こった。
キリアンが…殺されたのだ―。
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