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2章1 住む世界が違う人
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リオンと出会ってから2年の歳月が流れ、私達は12歳になっていた。
リオンの母親は『ロコス』の花のハーブティーを毎日飲み続けた結果、風土病は完治していた。
味覚も嗅覚も元に戻り、すっかり健康体になっていた。
そのおかげで私はリオンの両親から絶大な信頼を得られ、娘のように可愛がってもらえるようになっていた。
また、リオンの置かれた環境もゲームの世界とは大きく違っていた。
今のリオンはクラスの中心的人物で、彼の周りには常に人が集まるような人気者になっていたのだ。
勉強も出来るし、運動神経も抜群。それに魔力も高くて顔も良いとなれば、人気になるのは当然のことだった。
現にリオンは女子生徒たちにとって、憧れの存在となっていたのだ。
一方の私は、勉強も普通。魔力もなければ、外見も地味。クラスの中でも目立たないタイプでリオンとの差は広がるばかりだった。
けれども、私とリオンの関係は変わることは無かった――
****
――放課後
今日は魔法学の特別補講の日だった。
未だに魔法が使えない私は魔法学の先生に頼み込んで、週に一度補講を受けさせて貰っていたのだ。
先生の待つ教室へ向かって歩いていると、背後から声をかけられた。
「ユニスッ!」
振り向くと、10人前後の生徒たちと一緒にリオンがいた。
「リオン」
「ユニス、これから皆で学園に新しく出来たカフェに行くんだ。一緒に行かない?」
リオンが一緒にいる生徒達は、私とは真逆のタイプばかりだった。
「ごめんなさい、今日は魔法学の補講の時間なの」
「そうなんだ……それじゃ、無理だね」
リオンの顔に残念そうな表情が浮かぶ。
「うん。折角誘ってもらったのに、ごめんなさい」
すると、1人の女子生徒がリオンの腕を引いた。
「ねぇ、リオン。早く行きましょうよ」
「そうだよ、あの店は人気があるからすぐに席が埋まってしまうぞ」
「分かったよ」
リオンは頷き、皆に連れられてその場を去って行った。
その様子を見守っていると、数人の女子生徒が私を睨みつけていった。
……あれは、きっと威嚇のつもりなのだろう
ここ最近、私は一部の女子生徒たちから睨まれたり、陰口を叩かれるようになっていた。
私がリオンの婚約者ということが、気に食わないのだろう。彼女たちとはクラスも違うし、名前も分からないけれど相手は私のことを知っているようだった。
この間も廊下ですれ違ったときに「何であんたみたいな地味女が婚約者なのよ」とあからさまに言われたことがある。
けれど、私は少しも気にならなかった。
何しろ前世の記憶がある私にとって、相手はずっと年下の子供たちなのだ。
子供の言うことをいちいち、真に受けてなどいられない。
第一リオンの婚約者と言っても親が勝手に決めたことなのだ。
私の役目はリオンの闇落ちを防ぎ、いつか現れるヒロインとの仲を取り持ってあげることなのだから。
「……さて、私も補講を受けに行かなくちゃ」
何しろ、私が補講を受けるのは自分の為だけではない。
いずれリオンの身に起きる魔力の暴走と、それを食い止める手段を探すためでもあるのだから――
リオンの母親は『ロコス』の花のハーブティーを毎日飲み続けた結果、風土病は完治していた。
味覚も嗅覚も元に戻り、すっかり健康体になっていた。
そのおかげで私はリオンの両親から絶大な信頼を得られ、娘のように可愛がってもらえるようになっていた。
また、リオンの置かれた環境もゲームの世界とは大きく違っていた。
今のリオンはクラスの中心的人物で、彼の周りには常に人が集まるような人気者になっていたのだ。
勉強も出来るし、運動神経も抜群。それに魔力も高くて顔も良いとなれば、人気になるのは当然のことだった。
現にリオンは女子生徒たちにとって、憧れの存在となっていたのだ。
一方の私は、勉強も普通。魔力もなければ、外見も地味。クラスの中でも目立たないタイプでリオンとの差は広がるばかりだった。
けれども、私とリオンの関係は変わることは無かった――
****
――放課後
今日は魔法学の特別補講の日だった。
未だに魔法が使えない私は魔法学の先生に頼み込んで、週に一度補講を受けさせて貰っていたのだ。
先生の待つ教室へ向かって歩いていると、背後から声をかけられた。
「ユニスッ!」
振り向くと、10人前後の生徒たちと一緒にリオンがいた。
「リオン」
「ユニス、これから皆で学園に新しく出来たカフェに行くんだ。一緒に行かない?」
リオンが一緒にいる生徒達は、私とは真逆のタイプばかりだった。
「ごめんなさい、今日は魔法学の補講の時間なの」
「そうなんだ……それじゃ、無理だね」
リオンの顔に残念そうな表情が浮かぶ。
「うん。折角誘ってもらったのに、ごめんなさい」
すると、1人の女子生徒がリオンの腕を引いた。
「ねぇ、リオン。早く行きましょうよ」
「そうだよ、あの店は人気があるからすぐに席が埋まってしまうぞ」
「分かったよ」
リオンは頷き、皆に連れられてその場を去って行った。
その様子を見守っていると、数人の女子生徒が私を睨みつけていった。
……あれは、きっと威嚇のつもりなのだろう
ここ最近、私は一部の女子生徒たちから睨まれたり、陰口を叩かれるようになっていた。
私がリオンの婚約者ということが、気に食わないのだろう。彼女たちとはクラスも違うし、名前も分からないけれど相手は私のことを知っているようだった。
この間も廊下ですれ違ったときに「何であんたみたいな地味女が婚約者なのよ」とあからさまに言われたことがある。
けれど、私は少しも気にならなかった。
何しろ前世の記憶がある私にとって、相手はずっと年下の子供たちなのだ。
子供の言うことをいちいち、真に受けてなどいられない。
第一リオンの婚約者と言っても親が勝手に決めたことなのだ。
私の役目はリオンの闇落ちを防ぎ、いつか現れるヒロインとの仲を取り持ってあげることなのだから。
「……さて、私も補講を受けに行かなくちゃ」
何しろ、私が補講を受けるのは自分の為だけではない。
いずれリオンの身に起きる魔力の暴走と、それを食い止める手段を探すためでもあるのだから――
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