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第12章 5 電話で交わした会話
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21時―
外では雪がシンシンと降り積もっていた。とても静かな夜で、外は物音ひとつ聞こえてこない・・そんな夜だった。
エドガーは再び自室でアンナと電話で話をしていた。今、この部屋付近は人払いを済ませてある。
「そうか・・・ヒルダがそんな事を言っていたのか・・・。」
『はい、そうです。やはり・・・ヒルダ様とルドルフ様が婚約した時に・・グレースがヒルダ様にルドルフは自分の恋人だったと・・泥棒猫とののしったようです・・。』
受話器越しから悔しそうなアンナの声が聞こえてくる。
「ありがとう、アンナ嬢・・・。君のお陰だよ。ヒルダを母に会わせられたのも・・・そしてヒルダ自身の口から本当の事を聞きだすことが出来たのも・・君には感謝してもしきれないな・・・。母は・・・ヒルダに再会できて、体調がすごく良くなったんだよ。主治医もとても驚いていた。これは奇跡では無いだろうかって言うくらいにね・・。本当に・・ありがとう・・。」
エドガーはフッと笑いながら言う。すると、受話器越しからためらいがちにアンナの声が聞こえてきた。
『エドガー様・・・軽蔑しないで下さいね・・?』
急にアンナの声のトーンが変わる。
「どうしたんだ?」
『私・・・グレースが死んでしまったと言うのに・・いまだに彼女が許せないんです・・・。自分の罪を白状しないまま・・例え、父親に殺されても・・勝手に死んでいったグレースが・・許せないんです!ヒルダ様に罪を被せたまま、のうのうと生きていて・・最後まで自分の罪を認めずに・・死ぬなんて・・、私・・グレースが憎くてたまらないんです・・・!』
アンナは嗚咽混じりに言う。
「アンナ嬢・・・。分かるよ、俺もその気持ち・・・。」
『え・・・?』
「俺も・・君と同じ考えだからさ。俺は絶対にグレースを許さない。ヒルダに足の大けがを負わせ・・・教会の火事の事件を押し付けた。そして・・1人の少年を自殺に追いやったあの悪女を・・!」
エドガーは憎々し気に言う。
「俺はグレースが死んだって許さない。神の身元へ行くこと自体、おこがましい。あんな女はいっそ地獄へ落ちてしまえばいいと思っている。・・どうだい?こんな俺に・・・失望したかい?」
『いいえ・・・失望なんかしません・・!』
「だったら・・俺だってアンナ嬢を軽蔑なんかしないさ。」
『エドガー様・・・。』
「実は・・明日はイワンの葬儀が教会で行われるんだ。父は勿論・・俺も伯爵家の次期党首として葬儀に参列することになっているんだ。・・恐らくルドルフも参列するだろう・・。だから・・ヒルダの話を・・しようと思っている。2人の誤解を解いてあげる事が出来ればいいのだが・・・。」
するとアンナは言った。
『大丈夫ですよ・・だって・・ヒルダ様は今もルドルフ様の事を思っていますから・・。』
「そうか・・・。」
(ヒルダは・・ルドルフの事がまだ好きなのか・・。)
ズキリとする胸の痛みを我慢しながらエドガーは言った。
「それではアンナ嬢・・・ヒルダの事をよろしく頼むよ・・・。」
『あ、そのことなんですけど・・。』
アンナが申し訳なさげに言う。
「・・どうかしたのか?」
『ヒルダ様・・明日の汽車で・・『ロータス』へ・・・帰るそうです。』
「え・・?そ、そんな急に・・・?何故だ?」
(ヒルダが・・・『カウベリー』を去ってしまう・・!)
『ヒルダ様は・・グレースとイワンが死んだのは自分のせいだと思っているんです。そんなはずは無いのに・・・。ここにいるのは申し訳ないって・・・。』
「そう・・なのか・・。」
エドガーは本当はもっと長くヒルダには『カウベリー』に滞在してもらいたかった。少しでも長く自分の近くにいてもらいたいと思っていた。だが・・エドガーにはその言葉を口にする事は出来ないのだ。
その時、エドガーに良い考えが浮かんだ―。
外では雪がシンシンと降り積もっていた。とても静かな夜で、外は物音ひとつ聞こえてこない・・そんな夜だった。
エドガーは再び自室でアンナと電話で話をしていた。今、この部屋付近は人払いを済ませてある。
「そうか・・・ヒルダがそんな事を言っていたのか・・・。」
『はい、そうです。やはり・・・ヒルダ様とルドルフ様が婚約した時に・・グレースがヒルダ様にルドルフは自分の恋人だったと・・泥棒猫とののしったようです・・。』
受話器越しから悔しそうなアンナの声が聞こえてくる。
「ありがとう、アンナ嬢・・・。君のお陰だよ。ヒルダを母に会わせられたのも・・・そしてヒルダ自身の口から本当の事を聞きだすことが出来たのも・・君には感謝してもしきれないな・・・。母は・・・ヒルダに再会できて、体調がすごく良くなったんだよ。主治医もとても驚いていた。これは奇跡では無いだろうかって言うくらいにね・・。本当に・・ありがとう・・。」
エドガーはフッと笑いながら言う。すると、受話器越しからためらいがちにアンナの声が聞こえてきた。
『エドガー様・・・軽蔑しないで下さいね・・?』
急にアンナの声のトーンが変わる。
「どうしたんだ?」
『私・・・グレースが死んでしまったと言うのに・・いまだに彼女が許せないんです・・・。自分の罪を白状しないまま・・例え、父親に殺されても・・勝手に死んでいったグレースが・・許せないんです!ヒルダ様に罪を被せたまま、のうのうと生きていて・・最後まで自分の罪を認めずに・・死ぬなんて・・、私・・グレースが憎くてたまらないんです・・・!』
アンナは嗚咽混じりに言う。
「アンナ嬢・・・。分かるよ、俺もその気持ち・・・。」
『え・・・?』
「俺も・・君と同じ考えだからさ。俺は絶対にグレースを許さない。ヒルダに足の大けがを負わせ・・・教会の火事の事件を押し付けた。そして・・1人の少年を自殺に追いやったあの悪女を・・!」
エドガーは憎々し気に言う。
「俺はグレースが死んだって許さない。神の身元へ行くこと自体、おこがましい。あんな女はいっそ地獄へ落ちてしまえばいいと思っている。・・どうだい?こんな俺に・・・失望したかい?」
『いいえ・・・失望なんかしません・・!』
「だったら・・俺だってアンナ嬢を軽蔑なんかしないさ。」
『エドガー様・・・。』
「実は・・明日はイワンの葬儀が教会で行われるんだ。父は勿論・・俺も伯爵家の次期党首として葬儀に参列することになっているんだ。・・恐らくルドルフも参列するだろう・・。だから・・ヒルダの話を・・しようと思っている。2人の誤解を解いてあげる事が出来ればいいのだが・・・。」
するとアンナは言った。
『大丈夫ですよ・・だって・・ヒルダ様は今もルドルフ様の事を思っていますから・・。』
「そうか・・・。」
(ヒルダは・・ルドルフの事がまだ好きなのか・・。)
ズキリとする胸の痛みを我慢しながらエドガーは言った。
「それではアンナ嬢・・・ヒルダの事をよろしく頼むよ・・・。」
『あ、そのことなんですけど・・。』
アンナが申し訳なさげに言う。
「・・どうかしたのか?」
『ヒルダ様・・明日の汽車で・・『ロータス』へ・・・帰るそうです。』
「え・・?そ、そんな急に・・・?何故だ?」
(ヒルダが・・・『カウベリー』を去ってしまう・・!)
『ヒルダ様は・・グレースとイワンが死んだのは自分のせいだと思っているんです。そんなはずは無いのに・・・。ここにいるのは申し訳ないって・・・。』
「そう・・なのか・・。」
エドガーは本当はもっと長くヒルダには『カウベリー』に滞在してもらいたかった。少しでも長く自分の近くにいてもらいたいと思っていた。だが・・エドガーにはその言葉を口にする事は出来ないのだ。
その時、エドガーに良い考えが浮かんだ―。
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