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10-17 無自覚な心
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ガキィイイイインッ!!
キィィィィンッ!!
狭い室内ではエルウィンとダリウスの激しい戦いが繰り広げられていた。
室内は荒れ放題で、様々な物が散乱しており酷い有様だった。
だが、やはり剣技はエルウィンの方が一枚上手だった。
剣を交わせば交わすほどに、ダリウスの身体には傷がつき、息が上がっていく。
「くっ…!こ、この化け物め…っ!」
ダリウスは剣を振るいながらエルウィンに憎まれ口を叩く。
「誉め言葉として捉えてやる!」
シュッ!!
エルウィンの切っ先がダリウスの胸元を切りつけた。
「グワッ!!」
痛みで背後に大ききくよろめいたダリウスの腹をすかさずエルウィンが蹴り上げる。
ドカッ!!
「グアアアアッ!!」
転倒したダリウスが叫んだ。
エルウィンが傷を負ったダリウスの腹を踏みつけたからだ。
そしてついにエルウィンはダリウスの喉元に切っ先を当てた。
「ここまでだな…ダリウス。貴様は領民と偽り我が城に間諜として忍び込んだだけに飽き足らず、今度はアリアドネを攫って手籠めにしようとした。その罪だけで死に値するっ!」
少しの間、ダリウスは荒い息を吐きながら黙っていたが…やがて…。
「クッ…ハハハハハハッ!!」
「何がおかしいっ!」
エルウィンはダリウスの喉元に切っ先を当てた。
プツ…
小さく皮膚の切れる音と共に、ダリウスの首から血の糸が流れてゆく。
「ま、まさか…あの血も涙もない『戦場の暴君』と呼ばれるエルウィンが…本気で人を愛するとはな…」
「何?」
エルウィンの眉が上がる。
「俺が…誰を愛すだと?」
「何だ…自分で…気付いていないのか…?お前、アリアドネを愛しているのだろう…?」
「!」
その言葉にエルウィンの肩がピクリと動く。
「おいおい…マジかよ…本当に…気付いていなかったのかよ…ったく、剣の腕は凄まじいくせに…そんなに鈍い奴だとは思わなかった…ぜ…」
ゼエゼエと息を吐きながらダリウスはエルウィンを見る。
「…言いたいことはそれだけか…?なら死なせてやろう…」
エルウィンが剣を振り下ろそうとした時―。
「大将っ!!」
スティーブが室内に飛び込んできた。
「スティーブか。アリアドネは無事か?」
エルウィンはスティーブの顔を見ることも無く尋ねた。
「え?ええ…勿論無事です。ちゃんと保護してあります。それよりも大将。ダリウスの騎士を全員制圧しましたぜ。今縛り上げてホールに座らせています」
その言葉を聞いたダリウスが床に転がされたまま大きな声で笑い出した。
「アハハハハハ…ッ」
「黙れ!何がおかしい!」
エルウィンに剣を押し付けられながらもダリウスは平然と答えた。
「おかしいのは当たり前だろう…真っ先に尋ねたことがアリアドネの無事だからな…本来のお前なら、敵を制圧したかを先に尋ねるだろう?」
「「!!」」
その言葉にエルウィンのみならず、スティーブも反応した。
(そうだ…いつもの大将なら人質の無事よりもまず先に敵を制圧出来たかを尋ねてくるはずなのに…)
「戯言はそれくらいにしろっ!そろそろ終わりにしてやる」
「駄目ですっ!エルウィン様っ!」
エルウィンが剣を振り下ろそうとするのをスティーブが止めた―。
キィィィィンッ!!
狭い室内ではエルウィンとダリウスの激しい戦いが繰り広げられていた。
室内は荒れ放題で、様々な物が散乱しており酷い有様だった。
だが、やはり剣技はエルウィンの方が一枚上手だった。
剣を交わせば交わすほどに、ダリウスの身体には傷がつき、息が上がっていく。
「くっ…!こ、この化け物め…っ!」
ダリウスは剣を振るいながらエルウィンに憎まれ口を叩く。
「誉め言葉として捉えてやる!」
シュッ!!
エルウィンの切っ先がダリウスの胸元を切りつけた。
「グワッ!!」
痛みで背後に大ききくよろめいたダリウスの腹をすかさずエルウィンが蹴り上げる。
ドカッ!!
「グアアアアッ!!」
転倒したダリウスが叫んだ。
エルウィンが傷を負ったダリウスの腹を踏みつけたからだ。
そしてついにエルウィンはダリウスの喉元に切っ先を当てた。
「ここまでだな…ダリウス。貴様は領民と偽り我が城に間諜として忍び込んだだけに飽き足らず、今度はアリアドネを攫って手籠めにしようとした。その罪だけで死に値するっ!」
少しの間、ダリウスは荒い息を吐きながら黙っていたが…やがて…。
「クッ…ハハハハハハッ!!」
「何がおかしいっ!」
エルウィンはダリウスの喉元に切っ先を当てた。
プツ…
小さく皮膚の切れる音と共に、ダリウスの首から血の糸が流れてゆく。
「ま、まさか…あの血も涙もない『戦場の暴君』と呼ばれるエルウィンが…本気で人を愛するとはな…」
「何?」
エルウィンの眉が上がる。
「俺が…誰を愛すだと?」
「何だ…自分で…気付いていないのか…?お前、アリアドネを愛しているのだろう…?」
「!」
その言葉にエルウィンの肩がピクリと動く。
「おいおい…マジかよ…本当に…気付いていなかったのかよ…ったく、剣の腕は凄まじいくせに…そんなに鈍い奴だとは思わなかった…ぜ…」
ゼエゼエと息を吐きながらダリウスはエルウィンを見る。
「…言いたいことはそれだけか…?なら死なせてやろう…」
エルウィンが剣を振り下ろそうとした時―。
「大将っ!!」
スティーブが室内に飛び込んできた。
「スティーブか。アリアドネは無事か?」
エルウィンはスティーブの顔を見ることも無く尋ねた。
「え?ええ…勿論無事です。ちゃんと保護してあります。それよりも大将。ダリウスの騎士を全員制圧しましたぜ。今縛り上げてホールに座らせています」
その言葉を聞いたダリウスが床に転がされたまま大きな声で笑い出した。
「アハハハハハ…ッ」
「黙れ!何がおかしい!」
エルウィンに剣を押し付けられながらもダリウスは平然と答えた。
「おかしいのは当たり前だろう…真っ先に尋ねたことがアリアドネの無事だからな…本来のお前なら、敵を制圧したかを先に尋ねるだろう?」
「「!!」」
その言葉にエルウィンのみならず、スティーブも反応した。
(そうだ…いつもの大将なら人質の無事よりもまず先に敵を制圧出来たかを尋ねてくるはずなのに…)
「戯言はそれくらいにしろっ!そろそろ終わりにしてやる」
「駄目ですっ!エルウィン様っ!」
エルウィンが剣を振り下ろそうとするのをスティーブが止めた―。
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