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11-5 ロイの過去 2
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「う、うわっ!!な、何だ……貴様らはっ!」
「何なんだよっ!てめえらっ!」
山賊たちの狼狽えた声が室内に響き渡る。ロイは泣きながら扉の隙間からずっと様子をうかがっていた。
「それはこちらの台詞だ…貴様ら。善良な村人たちから略奪行為をしただけでなく…このような鬼畜な振舞い、許されると思っているのか?」
低い声の男の声が聞こえてくる。
その声はとても威圧的で、聞いているだけで背筋が凍りそうなほどだった。
「だ、誰だよ‥‥き、貴様…」
「お、おい……ま、まずいぞ…。あ、あいつのマントについている紋章…」
震える男に対し、別の男は何かに気付いた様子だった。
「ほう‥‥貴様ら。卑しい盗賊のくせに……この紋章に気付いたのか?そうだ。私は『アイゼンシュタット城』の騎士だっ!」
「な、何!あの辺境伯かっ?!」
「お、おい‥‥ま、まずいぞ……」
山賊たちの声に焦りの色が滲んでいる。
「我らはここの領主から卑しい盗賊団の討伐を依頼された。もう既に仲間たちは始末した。残りはここにいる貴様らだけだっ!」
男の凄まじい声はあたりの空気を震わせた。
「ひぃいいっ!」
「ひっ!!」
男の殺気で山賊たちの間に悲鳴が上がる。
(アイゼンシュタット……?騎士……?)
ロイはアイゼンシュタット城の騎士を一目見たくなり、そっと納戸の扉を開けた。
その時――。
眼光鋭い騎士が一瞬ロイの隠れている納戸に視線を移した。
「!」
(え?こっちを見た……?)
「貴様らには全員死んでもらう」
騎士は目にもとまらぬ速さで剣を抜くと、一番前に立っていた山賊の胸を貫いた。
「ぐあぁあああっ!!」
ドサッ……!
男が血しぶきをあげて倒れこむ姿をロイは見た。
「く、くそっ…!!」
「奴は1人きりだ!」
「全員でかかれば何とかなるっ!」
「いくぞっ!!」
仲間が殺られたことにより、山賊たちが一斉に襲い掛かって来た。
「フッ…愚かな。貴様らの相手など私1人で十分だ」
騎士はたった一人で襲い掛かってくる山賊たちを物ともせず、一瞬で次々と切り捨てていく。
「ギャアッ!!」
「グアッ!」
「ガハ……ッ」
「ウガァアアッ!!」
断末魔の悲鳴が室内に響き渡る。
ロイはその凄惨な光景を片時も視線をそらさずに見つめていた。
本来なら恐ろしくて目を背けたくなるような耐え難い光景であるはずだった。
だが、今のロイの胸中は姉を無慈悲に凌辱し、死に追いやった山賊たちへの憎しみが勝っていた。
この目で姉を酷い目に遭わせた憎い相手の死に際をみ届けなければやり場のない怒りで心が押しつぶされそうだったのだ。
やがて部屋の中は静かになり、室内は血の匂いで充満していた――。
「何なんだよっ!てめえらっ!」
山賊たちの狼狽えた声が室内に響き渡る。ロイは泣きながら扉の隙間からずっと様子をうかがっていた。
「それはこちらの台詞だ…貴様ら。善良な村人たちから略奪行為をしただけでなく…このような鬼畜な振舞い、許されると思っているのか?」
低い声の男の声が聞こえてくる。
その声はとても威圧的で、聞いているだけで背筋が凍りそうなほどだった。
「だ、誰だよ‥‥き、貴様…」
「お、おい……ま、まずいぞ…。あ、あいつのマントについている紋章…」
震える男に対し、別の男は何かに気付いた様子だった。
「ほう‥‥貴様ら。卑しい盗賊のくせに……この紋章に気付いたのか?そうだ。私は『アイゼンシュタット城』の騎士だっ!」
「な、何!あの辺境伯かっ?!」
「お、おい‥‥ま、まずいぞ……」
山賊たちの声に焦りの色が滲んでいる。
「我らはここの領主から卑しい盗賊団の討伐を依頼された。もう既に仲間たちは始末した。残りはここにいる貴様らだけだっ!」
男の凄まじい声はあたりの空気を震わせた。
「ひぃいいっ!」
「ひっ!!」
男の殺気で山賊たちの間に悲鳴が上がる。
(アイゼンシュタット……?騎士……?)
ロイはアイゼンシュタット城の騎士を一目見たくなり、そっと納戸の扉を開けた。
その時――。
眼光鋭い騎士が一瞬ロイの隠れている納戸に視線を移した。
「!」
(え?こっちを見た……?)
「貴様らには全員死んでもらう」
騎士は目にもとまらぬ速さで剣を抜くと、一番前に立っていた山賊の胸を貫いた。
「ぐあぁあああっ!!」
ドサッ……!
男が血しぶきをあげて倒れこむ姿をロイは見た。
「く、くそっ…!!」
「奴は1人きりだ!」
「全員でかかれば何とかなるっ!」
「いくぞっ!!」
仲間が殺られたことにより、山賊たちが一斉に襲い掛かって来た。
「フッ…愚かな。貴様らの相手など私1人で十分だ」
騎士はたった一人で襲い掛かってくる山賊たちを物ともせず、一瞬で次々と切り捨てていく。
「ギャアッ!!」
「グアッ!」
「ガハ……ッ」
「ウガァアアッ!!」
断末魔の悲鳴が室内に響き渡る。
ロイはその凄惨な光景を片時も視線をそらさずに見つめていた。
本来なら恐ろしくて目を背けたくなるような耐え難い光景であるはずだった。
だが、今のロイの胸中は姉を無慈悲に凌辱し、死に追いやった山賊たちへの憎しみが勝っていた。
この目で姉を酷い目に遭わせた憎い相手の死に際をみ届けなければやり場のない怒りで心が押しつぶされそうだったのだ。
やがて部屋の中は静かになり、室内は血の匂いで充満していた――。
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