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第2章
第277話 「写し絵」魔道具の改良
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シャル叔父さんが来るまでに、「写し絵」の魔道具はちょっと改良をしておくことにした。
兄上が教えてくれたみたいに「タイマー」ってやつ。急ぎで、魔石の魔法陣に線を描き加えたけど、同じ魔石で魔力を流す場所によって機能を変えるには、魔石が小さい。
別の魔石をつけて、そっちに魔力を流したら時間差で本体の魔法陣に伝わるようにした方が使いやすそうだ。
別の魔石に魔力を通したら、数秒置いてから「写し絵」の魔法陣魔石に連動するようにする。
ついでに「メッセージ」の魔道具に使っている機能を応用して、離れたところから、魔石に魔力を通したら
「写し絵」の魔法陣魔石が通知を受け取れるようにしておこう。
あとは時間差で「写し絵」の魔道具が対象を写すときに、音か何かで知らせる機能だな。
風魔法で部品を打ち付けるようにしておこうか。
音だけで良いのかな。登録しておいた分身体か何かがぴょんぴょん跳ねたりするのはどうだろう。
作っておいて後で試してみるか。
後は魔法紙をまとめてセットする機能だけど、これはちょっと難しい。
魔法紙を重ねて入れておいて写したら順番に取り出せるようにしたらどうかと思ったんだけど、後ろに重ねた魔法紙も魔力に反応してしまう。
写す魔法紙とストックの魔法紙をセットするところを分けると、魔道具のサイズが倍になっちゃうんだよね。
魔法紙を複数枚セットする部分は、ルドおじさんに相談してみようかなと思うけど、大きい魔法紙にも写すことができるようにするとかも考えたいな。
夜のうちにあれこれと試してみて、大体出来上がったので、朝食の前に兄上に見てもらうことにした。
「シャル叔父さんが来るまでに改良しておこうと思って。ちょっと見てくれる?」
「……改良って?……何を?」
朝の鍛錬に出る前の兄上に声を掛けた。ストレッチをしていた兄上の動きがピタリと止まった。
ゆっくり僕の方を振り返った。
「『写し絵』の魔道具だよ。兄上が言っていた『タイマー』とか、音で知らせる機能とかないと不便だったでしょ?」
「タイマーは、あの時その場で作ってたじゃないか」
「操作しやすいように魔石を分けたんだよ。普通に写す時は真ん中で、『タイマー』の時は端っこの魔石に
魔力を通すようにしたんだ」
「まあ……、それは確かに操作しやすそうだな」
兄上がちょっとホッとしたような様子で改良版の「写し絵」の魔道具の魔石部分を覗き込んだ。
「それとね。『タイマー』の時、タイミングがわかりにくいって言ってたから、音とかでお知らせするようにしたんだ」
「おう。……もう出来たのか」
「やってみるね」
僕はテーブルの上に改良版「写し絵」の魔道具を置いて、兄上と僕が写るように角度を整えた。
「行くよー」
声を掛けてから「タイマー」の魔石に魔力を通す。カチッっと音が鳴り始める。
僕は急いで兄上の側まで戻って兄上の隣に並んだ。
カチッ、カチッと魔道具がカウントを刻む。
最後の三秒になるとカンッと金属っぽい音に変わる。それと同時にピョーンと白い球が魔道具から跳ね出た。
「は?」
カンッカーン!
「はい。出来上がり!」
最後に一際大きく音が鳴ったら出来上がりだ。
魔道具のところに駆け寄って、魔法紙を見る。僕の隣で、驚いたような顔をしてどこかを見ている兄上の姿が写っていた。
「兄上、よそ見して写ってる」
「何か変なの出てきただろ!」
「分身体は目立ちすぎるのかなと思って、白い球にしてみたんだ」
「そうじゃないよ。なんで白い球を出すんだよ」
「うるさい場所とかだと音が聞こえないこともあるかと思って」
「聞こえなくても大体のタイミングはわかるだろう。突然何か飛び出したら、そっちの方に目がいっちゃうじゃないか……」
「ダメかぁ」
ピョンって飛び出してお知らせする機能は却下になってしまった。
兄上が教えてくれたみたいに「タイマー」ってやつ。急ぎで、魔石の魔法陣に線を描き加えたけど、同じ魔石で魔力を流す場所によって機能を変えるには、魔石が小さい。
別の魔石をつけて、そっちに魔力を流したら時間差で本体の魔法陣に伝わるようにした方が使いやすそうだ。
別の魔石に魔力を通したら、数秒置いてから「写し絵」の魔法陣魔石に連動するようにする。
ついでに「メッセージ」の魔道具に使っている機能を応用して、離れたところから、魔石に魔力を通したら
「写し絵」の魔法陣魔石が通知を受け取れるようにしておこう。
あとは時間差で「写し絵」の魔道具が対象を写すときに、音か何かで知らせる機能だな。
風魔法で部品を打ち付けるようにしておこうか。
音だけで良いのかな。登録しておいた分身体か何かがぴょんぴょん跳ねたりするのはどうだろう。
作っておいて後で試してみるか。
後は魔法紙をまとめてセットする機能だけど、これはちょっと難しい。
魔法紙を重ねて入れておいて写したら順番に取り出せるようにしたらどうかと思ったんだけど、後ろに重ねた魔法紙も魔力に反応してしまう。
写す魔法紙とストックの魔法紙をセットするところを分けると、魔道具のサイズが倍になっちゃうんだよね。
魔法紙を複数枚セットする部分は、ルドおじさんに相談してみようかなと思うけど、大きい魔法紙にも写すことができるようにするとかも考えたいな。
夜のうちにあれこれと試してみて、大体出来上がったので、朝食の前に兄上に見てもらうことにした。
「シャル叔父さんが来るまでに改良しておこうと思って。ちょっと見てくれる?」
「……改良って?……何を?」
朝の鍛錬に出る前の兄上に声を掛けた。ストレッチをしていた兄上の動きがピタリと止まった。
ゆっくり僕の方を振り返った。
「『写し絵』の魔道具だよ。兄上が言っていた『タイマー』とか、音で知らせる機能とかないと不便だったでしょ?」
「タイマーは、あの時その場で作ってたじゃないか」
「操作しやすいように魔石を分けたんだよ。普通に写す時は真ん中で、『タイマー』の時は端っこの魔石に
魔力を通すようにしたんだ」
「まあ……、それは確かに操作しやすそうだな」
兄上がちょっとホッとしたような様子で改良版の「写し絵」の魔道具の魔石部分を覗き込んだ。
「それとね。『タイマー』の時、タイミングがわかりにくいって言ってたから、音とかでお知らせするようにしたんだ」
「おう。……もう出来たのか」
「やってみるね」
僕はテーブルの上に改良版「写し絵」の魔道具を置いて、兄上と僕が写るように角度を整えた。
「行くよー」
声を掛けてから「タイマー」の魔石に魔力を通す。カチッっと音が鳴り始める。
僕は急いで兄上の側まで戻って兄上の隣に並んだ。
カチッ、カチッと魔道具がカウントを刻む。
最後の三秒になるとカンッと金属っぽい音に変わる。それと同時にピョーンと白い球が魔道具から跳ね出た。
「は?」
カンッカーン!
「はい。出来上がり!」
最後に一際大きく音が鳴ったら出来上がりだ。
魔道具のところに駆け寄って、魔法紙を見る。僕の隣で、驚いたような顔をしてどこかを見ている兄上の姿が写っていた。
「兄上、よそ見して写ってる」
「何か変なの出てきただろ!」
「分身体は目立ちすぎるのかなと思って、白い球にしてみたんだ」
「そうじゃないよ。なんで白い球を出すんだよ」
「うるさい場所とかだと音が聞こえないこともあるかと思って」
「聞こえなくても大体のタイミングはわかるだろう。突然何か飛び出したら、そっちの方に目がいっちゃうじゃないか……」
「ダメかぁ」
ピョンって飛び出してお知らせする機能は却下になってしまった。
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