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第2章
第300話 猫さんの走るところ
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兄上の提案通りにそれから暫くは光水の原料集めに集中した。
と言っても、普段とやっていることは変わらず、森の奥の泉のところ迄行って、
毒耐性の魔石を持った魔獣を狩ったり、乳白色の魔石を持った蛇魔獣を探したりしながら過ごした。
毒耐性魔石を持った魔獣の解体は魔道具を使ったけど、白い蛇魔獣とかの解体は魔道具を使わずに解体したりして、
解体のスキルアップするように頑張った。
シャル叔父さんからの定期連絡があって、シャル叔父さんはノドナスへの物資提供を終えて
辺境伯様とも謁見したって聞いた。
薬師のおばあちゃんのところで、どんどん光水や栄養剤の制作を進めているみたいだから
辺境伯様から栄養剤の注文があったのかもしれない。
あれこれ考えながら廊下を歩いていて、
ふと窓から中庭を見たら灰色猫さんの姿が見えた。。
「あ、猫さん!」
「写し絵」の魔道具で猫さんを映したくなって、「写し絵」の魔道具を手にしながら中庭に出た。
でも僕が中庭に足を踏み入れるとほぼ同時に、猫さんがスタタタタタと走り去っていってしまう。
「ああー!猫さん、待って!」
猫さんに声をかけたけど、立ち止まってくれない。
急いで「写し絵」の魔道具を構えたけど、猫さんの後ろ姿が小さく映っていただけだった。
「猫さん、走っているところ可愛いのになぁ……」
まるでわざと僕を避けるかのように、猫さんがスタタタタタと素早く軽い足取りで走るところも可愛い。
でも写し絵だと黒っぽい影のような形でしか写っていない。
「『写し絵』の魔道具を起動するタイミングかなあ……」
猫さんが地面を蹴ってピンと前足を伸ばしたところとか、綺麗なポーズのタイミングだったら良かったのに。
「写し絵」の魔道具は、魔石の魔法陣に魔力を通して風魔法と光魔法でその瞬間を写し出す。
そのタイミングが前後にずれてくれれば良いんだけど……。
瞬間じゃなくて、魔法を発動し続ければその場を写し出し続けることができないかな。
それだと、魔法紙一枚では写しとれないよね。
魔石に保存したら良いかな。
「写し絵」の魔道具に使っている魔法陣を元に、別の魔石に魔法陣を刻む。瞬間的ではなく連続した時間維持するように設定を記述して起動する。
猫さんがどこかに行ってしまったので、仕方なく祠の傍に咲いている小さい花を対象にした。
小さい花や葉が風で揺れる様子を眺めながら、じっと待っているとピョンッと分身体が跳ねた。魔法陣の魔法が完了したお知らせだ。
「よし!こっちはどうだろう」
「位置情報」の魔道具をちょっと書き換えて、「連続時間写し絵」の魔道具で取得した情報を映し出すようにしてみた。
ボードの上に祠の写し絵が表示される。あまりくっきりとは映っていなかったけど祠の脇の小さい花が微かに揺れて見えた。
「うまく行ったかも?」
もうちょっと動くものを写したいな。
何かないかと周囲を見回すと、視界の端に空を飛ぶ影が見えた。
鳥?魔鷹かな?
「連続時間写し絵」の魔道具を起動して、飛んでいる魔鷹に向けた。
成功するかちょっとドキドキする。
魔鷹は本館の上空をグルグルと旋回した後、本館の正面の方に飛んで行った。
次の瞬間、ピョンッと分身体が跳ねた。
「位置情報」魔道具で見てみると、屋根の上で魔鷹がクルリと円を描いて飛んでいる様子が確認できた。
「できた!」
これなら猫さんが走っているところを写せるかもと周囲を見回したけど、猫さんの姿が見えない。
さっき走って行ってしまったきり、まだ戻ってきていないようだ。
仕方ないので部屋に戻って、今作った魔道具をもう少し使いやすくするように検討しようかな。
と言っても、普段とやっていることは変わらず、森の奥の泉のところ迄行って、
毒耐性の魔石を持った魔獣を狩ったり、乳白色の魔石を持った蛇魔獣を探したりしながら過ごした。
毒耐性魔石を持った魔獣の解体は魔道具を使ったけど、白い蛇魔獣とかの解体は魔道具を使わずに解体したりして、
解体のスキルアップするように頑張った。
シャル叔父さんからの定期連絡があって、シャル叔父さんはノドナスへの物資提供を終えて
辺境伯様とも謁見したって聞いた。
薬師のおばあちゃんのところで、どんどん光水や栄養剤の制作を進めているみたいだから
辺境伯様から栄養剤の注文があったのかもしれない。
あれこれ考えながら廊下を歩いていて、
ふと窓から中庭を見たら灰色猫さんの姿が見えた。。
「あ、猫さん!」
「写し絵」の魔道具で猫さんを映したくなって、「写し絵」の魔道具を手にしながら中庭に出た。
でも僕が中庭に足を踏み入れるとほぼ同時に、猫さんがスタタタタタと走り去っていってしまう。
「ああー!猫さん、待って!」
猫さんに声をかけたけど、立ち止まってくれない。
急いで「写し絵」の魔道具を構えたけど、猫さんの後ろ姿が小さく映っていただけだった。
「猫さん、走っているところ可愛いのになぁ……」
まるでわざと僕を避けるかのように、猫さんがスタタタタタと素早く軽い足取りで走るところも可愛い。
でも写し絵だと黒っぽい影のような形でしか写っていない。
「『写し絵』の魔道具を起動するタイミングかなあ……」
猫さんが地面を蹴ってピンと前足を伸ばしたところとか、綺麗なポーズのタイミングだったら良かったのに。
「写し絵」の魔道具は、魔石の魔法陣に魔力を通して風魔法と光魔法でその瞬間を写し出す。
そのタイミングが前後にずれてくれれば良いんだけど……。
瞬間じゃなくて、魔法を発動し続ければその場を写し出し続けることができないかな。
それだと、魔法紙一枚では写しとれないよね。
魔石に保存したら良いかな。
「写し絵」の魔道具に使っている魔法陣を元に、別の魔石に魔法陣を刻む。瞬間的ではなく連続した時間維持するように設定を記述して起動する。
猫さんがどこかに行ってしまったので、仕方なく祠の傍に咲いている小さい花を対象にした。
小さい花や葉が風で揺れる様子を眺めながら、じっと待っているとピョンッと分身体が跳ねた。魔法陣の魔法が完了したお知らせだ。
「よし!こっちはどうだろう」
「位置情報」の魔道具をちょっと書き換えて、「連続時間写し絵」の魔道具で取得した情報を映し出すようにしてみた。
ボードの上に祠の写し絵が表示される。あまりくっきりとは映っていなかったけど祠の脇の小さい花が微かに揺れて見えた。
「うまく行ったかも?」
もうちょっと動くものを写したいな。
何かないかと周囲を見回すと、視界の端に空を飛ぶ影が見えた。
鳥?魔鷹かな?
「連続時間写し絵」の魔道具を起動して、飛んでいる魔鷹に向けた。
成功するかちょっとドキドキする。
魔鷹は本館の上空をグルグルと旋回した後、本館の正面の方に飛んで行った。
次の瞬間、ピョンッと分身体が跳ねた。
「位置情報」魔道具で見てみると、屋根の上で魔鷹がクルリと円を描いて飛んでいる様子が確認できた。
「できた!」
これなら猫さんが走っているところを写せるかもと周囲を見回したけど、猫さんの姿が見えない。
さっき走って行ってしまったきり、まだ戻ってきていないようだ。
仕方ないので部屋に戻って、今作った魔道具をもう少し使いやすくするように検討しようかな。
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