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第2章
第301話 「動く写し絵」って名前にした
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「連続時間写し絵」の魔道具って名前、ちょっと長いんだけど、「動く写し絵」の方が良いだろうか。
部屋に戻ってから、魔法陣を修正したり魔石を大きい物に変えてみたり
色々試してみた結果、連続して動いている状態を記録できる時間が長くなったし、
写し絵の状態も鮮明になった。
後は猫さんを見つけたら写そうと思っているけど、兄上にも見せておこう。
早朝の訓練に出るために玄関ホールに出てきた兄上に声をかけた。
「おはよう、兄上」
「おはよう」
「『写し絵』の魔道具をちょっと作り替えたよ」
「……うん?」
兄上は靴紐を結んでいた手をピタと止めて、ゆっくりと僕を振り返った。
「……何を作り替えたって?」
「『写し絵』の魔道具だよ。猫さんを写たくって……」
「どう、変えたんだ?」
兄上は何か不安そうに眉を顰めた。何か心配なのかな。
「あ、今使ってみるよ」
「収納」から「動く写し絵」の魔道具とサイコロを取り出した。兄上が僕の左手にあるサイコロを凝視している。
「サイコロ?」
「これを写してみるよ」
魔道具を改善する時に動く物を写す必要があったから、サイコロを転がしてその様子を写していたんだ。
「えいっ」
「動く写し絵」の魔道具を起動させてからサイコロを軽く床に放る。二つのサイコロが床で軽く跳ね、コロコロと転がって止まった。「I」と「I」が出た。
「ゾロ目だ」
サイコロの目が揃うとなんとなく嬉しい。兄上は不思議そうにサイコロを見つめた。
「ゾロ目だと何かあるのか?」
「何もないけど、ちょっと嬉しいでしょ。ほら、コレ」
僕は「動く写し絵」の魔道具の表示ボードを兄上に見せた。コロコロとサイコロが転がってゾロ目が出る様子が写っている。
「それ、ビ……!」
「ビ?……ゾロ目が出た様子も写ってるでしょ」
「……そこまで作っちゃったか……」
兄上は表示ボードを見て、ギョッとしたように目を見開いた後、大きく溜息をついた。
「え?何か不味かった?」
「……いや……、短時間でよくこんなの作ったな。凄いよ、本当に。」
兄上が呆れたみたいな顔をしたので少し不安になってきたけど
表示ボードに顔を近づけて凝視してから褒めてくれた。
「ちゃんと、サイコロの目もくっきり写ってる」
「うん!」
「外の明るいところだと、どうなのかな」
「あ!試してみるね」
「んじゃ、外行こう」
兄上と一緒に外に出た。朝の光が眩しい。兄上が走っている姿を写させてくれた。
直線を風を切るような速度でダッシュして行って、振り返って僕に向かって手を振る。
「どおだー?写ってるかー?」
「今見てみるー!」
兄上に応えてから表示ボードを確認した。ダッシュして走り去って行った兄上が振り向いて手を振っている
様子が写っていた。口がぱくぱく動いている。
あ、声が入っていないと後から見た時に何を言っていたかわからなくなっちゃうな……。
部屋に戻ってから、魔法陣を修正したり魔石を大きい物に変えてみたり
色々試してみた結果、連続して動いている状態を記録できる時間が長くなったし、
写し絵の状態も鮮明になった。
後は猫さんを見つけたら写そうと思っているけど、兄上にも見せておこう。
早朝の訓練に出るために玄関ホールに出てきた兄上に声をかけた。
「おはよう、兄上」
「おはよう」
「『写し絵』の魔道具をちょっと作り替えたよ」
「……うん?」
兄上は靴紐を結んでいた手をピタと止めて、ゆっくりと僕を振り返った。
「……何を作り替えたって?」
「『写し絵』の魔道具だよ。猫さんを写たくって……」
「どう、変えたんだ?」
兄上は何か不安そうに眉を顰めた。何か心配なのかな。
「あ、今使ってみるよ」
「収納」から「動く写し絵」の魔道具とサイコロを取り出した。兄上が僕の左手にあるサイコロを凝視している。
「サイコロ?」
「これを写してみるよ」
魔道具を改善する時に動く物を写す必要があったから、サイコロを転がしてその様子を写していたんだ。
「えいっ」
「動く写し絵」の魔道具を起動させてからサイコロを軽く床に放る。二つのサイコロが床で軽く跳ね、コロコロと転がって止まった。「I」と「I」が出た。
「ゾロ目だ」
サイコロの目が揃うとなんとなく嬉しい。兄上は不思議そうにサイコロを見つめた。
「ゾロ目だと何かあるのか?」
「何もないけど、ちょっと嬉しいでしょ。ほら、コレ」
僕は「動く写し絵」の魔道具の表示ボードを兄上に見せた。コロコロとサイコロが転がってゾロ目が出る様子が写っている。
「それ、ビ……!」
「ビ?……ゾロ目が出た様子も写ってるでしょ」
「……そこまで作っちゃったか……」
兄上は表示ボードを見て、ギョッとしたように目を見開いた後、大きく溜息をついた。
「え?何か不味かった?」
「……いや……、短時間でよくこんなの作ったな。凄いよ、本当に。」
兄上が呆れたみたいな顔をしたので少し不安になってきたけど
表示ボードに顔を近づけて凝視してから褒めてくれた。
「ちゃんと、サイコロの目もくっきり写ってる」
「うん!」
「外の明るいところだと、どうなのかな」
「あ!試してみるね」
「んじゃ、外行こう」
兄上と一緒に外に出た。朝の光が眩しい。兄上が走っている姿を写させてくれた。
直線を風を切るような速度でダッシュして行って、振り返って僕に向かって手を振る。
「どおだー?写ってるかー?」
「今見てみるー!」
兄上に応えてから表示ボードを確認した。ダッシュして走り去って行った兄上が振り向いて手を振っている
様子が写っていた。口がぱくぱく動いている。
あ、声が入っていないと後から見た時に何を言っていたかわからなくなっちゃうな……。
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