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第2章
第326話 黒ローブ捕獲計画
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「追跡魔道具四号君」や「位置表示」の魔道具は、別の部屋に移動させることになった。
ずっと僕の部屋で黒ローブ達を監視するのは、あまり良くないみたいだからね。でも、識別情報で黒ローブ達の位置は確認できるから、ずっと見張っていなくても大丈夫そうだ。
黒ローブ達のことは気になるけど、確かに寝ても起きても部屋の中で誰かが監視していたら落ち着かないよね。
本館の父上の執務室の近くの部屋に魔道具を配置し直して、壁に黒ローブ達の様子を映し出すように設定したんだ。位置表示の魔道具は少しだけ修正して、表示する対象を色分けして表示するようにしておいた。
「アンソラ男爵領にいるルシャル商会の人達に連絡しているらしいよ」
黒ローブ達を捕まえに行くにしても、ここからだと距離があるよね、と思っていたら、父上はシャル叔父さんに連絡して、アンソラ男爵領に滞在しているルシャル商会の人に動いてもらうことにしたそうだ。アンスやジランに支援物資を届けに行ってくれた人達が、まだアンソラ男爵領に居るらしい。それと領境のゲンティアナ側からも、誰か向かわせるように手配しようとしているらしい。毒を撒かれる前に間に合うと良いな。
「商会の人が黒ローブを捕まえるの?」
ゲンティアナで捕まえた黒ローブは、大きい魔獣を従えていたし、アンソラ男爵領にいた黒ローブ達だって戦うかもしれないよね。ちょっと心配になるけど。
「アンソラの騎士団に通報するとか、冒険者を雇うとかするんじゃないかな? 移動の護衛に雇っている冒険者もいると思うけどさ。まあ、きっとうまくやってくれるんじゃないかな」
兄上は特に心配する様子もなく、軽い口調で言って、安心させるかのようにポンと僕の肩に手を置いた。兄上が大丈夫って言うなら大丈夫かな。
「そうだね。僕達で二人で黒ローブを捕まえられたんだし。大人なら大丈夫か……」
もしかして、三人組の黒ローブ達も従魔を使ったりするかもしれないけど、戦いが得意じゃなかったとしても、騎士とか冒険者とかに頼むなら大丈夫なんだろう。大人だし、僕達より、ずっと強いはずだからね。
「……ネロ君って子はどうなっちゃうのかな……」
「さあ。とりあえず、捕まえてから考えるんだろう」
「助けてあげられないの?」
黒ローブ達を捕まえるとしても、ネロ君って子のことはちょっと気になっていた。
母様はネロ君を助けてあげたいって言っていたけど、助けられるかはよくわからないみたいだ。
「うーん、あの映像を見ただけだと、悪い大人たちにこき使われていたみたいで可哀想だったけど、実際に毒を撒いたり、盗みをしたりして犯罪に加担していたら、罪に問われるかもしれないし、今の段階でどうしたらいいのか決められないよねってこと」
腕組みをして、少し考え込んでから兄上が答えた。確かに、ネロ君については「動く写し絵」で少ししか見たことがない。もし、川に毒を撒いたりしていたら、捕まった黒ローブと同じことをしたことになるんだろうし……。
難しそうだな、と考えていたら兄上が、僕の頭の上にポンと手を置いた。
「まあ、それでも悪い大人たちからは、引き離されると思うよ」
兄上が口元に笑みを浮かべた。今の所はどうなるかは詳しく分からないけど、ネロ君が黒ローブの大人達から怒鳴られたりする生活じゃなくなるのだったら、良いのかな。
ずっと僕の部屋で黒ローブ達を監視するのは、あまり良くないみたいだからね。でも、識別情報で黒ローブ達の位置は確認できるから、ずっと見張っていなくても大丈夫そうだ。
黒ローブ達のことは気になるけど、確かに寝ても起きても部屋の中で誰かが監視していたら落ち着かないよね。
本館の父上の執務室の近くの部屋に魔道具を配置し直して、壁に黒ローブ達の様子を映し出すように設定したんだ。位置表示の魔道具は少しだけ修正して、表示する対象を色分けして表示するようにしておいた。
「アンソラ男爵領にいるルシャル商会の人達に連絡しているらしいよ」
黒ローブ達を捕まえに行くにしても、ここからだと距離があるよね、と思っていたら、父上はシャル叔父さんに連絡して、アンソラ男爵領に滞在しているルシャル商会の人に動いてもらうことにしたそうだ。アンスやジランに支援物資を届けに行ってくれた人達が、まだアンソラ男爵領に居るらしい。それと領境のゲンティアナ側からも、誰か向かわせるように手配しようとしているらしい。毒を撒かれる前に間に合うと良いな。
「商会の人が黒ローブを捕まえるの?」
ゲンティアナで捕まえた黒ローブは、大きい魔獣を従えていたし、アンソラ男爵領にいた黒ローブ達だって戦うかもしれないよね。ちょっと心配になるけど。
「アンソラの騎士団に通報するとか、冒険者を雇うとかするんじゃないかな? 移動の護衛に雇っている冒険者もいると思うけどさ。まあ、きっとうまくやってくれるんじゃないかな」
兄上は特に心配する様子もなく、軽い口調で言って、安心させるかのようにポンと僕の肩に手を置いた。兄上が大丈夫って言うなら大丈夫かな。
「そうだね。僕達で二人で黒ローブを捕まえられたんだし。大人なら大丈夫か……」
もしかして、三人組の黒ローブ達も従魔を使ったりするかもしれないけど、戦いが得意じゃなかったとしても、騎士とか冒険者とかに頼むなら大丈夫なんだろう。大人だし、僕達より、ずっと強いはずだからね。
「……ネロ君って子はどうなっちゃうのかな……」
「さあ。とりあえず、捕まえてから考えるんだろう」
「助けてあげられないの?」
黒ローブ達を捕まえるとしても、ネロ君って子のことはちょっと気になっていた。
母様はネロ君を助けてあげたいって言っていたけど、助けられるかはよくわからないみたいだ。
「うーん、あの映像を見ただけだと、悪い大人たちにこき使われていたみたいで可哀想だったけど、実際に毒を撒いたり、盗みをしたりして犯罪に加担していたら、罪に問われるかもしれないし、今の段階でどうしたらいいのか決められないよねってこと」
腕組みをして、少し考え込んでから兄上が答えた。確かに、ネロ君については「動く写し絵」で少ししか見たことがない。もし、川に毒を撒いたりしていたら、捕まった黒ローブと同じことをしたことになるんだろうし……。
難しそうだな、と考えていたら兄上が、僕の頭の上にポンと手を置いた。
「まあ、それでも悪い大人たちからは、引き離されると思うよ」
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