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第2章
第330話 捕縛
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せっかく「浮遊」の魔道具を作ったのに、使わないうちに黒ローブ達は捕まえられそうだ。
『な、何だ? 騎士が大勢?』
『……仕方ねぇ……。おい!ネロ!何でもない風を装って引き返せ!』
『は、はいっ。……あっ!』
『変な素振りを見せるな!』
『あの、でも……、後ろも……』
『はあ!?……チィッ!逃げるぞ!道を外れて飛ばせ!』
『はいっ!……ああ!』
「追跡魔道具四号君」で居場所を把握していると言っても、黒ローブ達を捕まえに行ってもらう人達は「お話」の魔道具とかを持っているわけじゃない。
魔鷹便を使って、両境近くの騎士達に連絡をとって、黒ローブ達の特徴を伝えて向かってもらったそうだ。
魔鷹が飛んで移動する時間だったりで騎士に連絡が行くまでの間に、黒ローブ達は移動してしまう。でも毒を撒くのに川を狙うだろうと、両境近くに流れている川を中心に見張りを立てていたら、黒ローブ達が乗った馬車を発見したらしい。
一見、古びていて地味でどこにでもありそうな馬車だけど、子供が御者をしているという特徴もあって、あっさり見つかったようだ。
黒ローブ達が騎士の姿に気がついた時には、既に四方を騎士団に囲まれているところだった。
『逃げるぞ!!』
馬車の速度が落ちた時、黒ローブの一人が馬車から飛び降りた。ゴロッと地面d絵回転した後、すぐに立ち上がって走り出す。
ネロ君は戸惑ったのか、手綱を引いて馬車を急停車させた。その瞬間、もう一人黒ローブが馬車から飛び出てきて別方向に逃げた。
『え?え?』
ネロ君はキョロキョロと首を動かして逃げていく黒ローブ達の姿を目で追った。
『うわ!』
叫んだのは顎が割れた黒ローブ。騎乗した騎士が回り込んできて槍を向けていた。
モミアゲの黒ローブは目の前に矢が飛んできて、後ろに飛び退いていた。
『チッ!』
顎が割れた黒ローブがナイフを出した。
ブンッと腕を振り、ナイフを投げつけ、その隙に逃げようとする。しかし、既に別の騎士もいて行手を塞ぐ。
『フンッ……うっ!』
顎の割れた黒ローブが懐に手を入れようとするのとほぼ同時に、槍の柄が黒ローブの胸元を突いた。
『うおっ!ゴホッ!うっ』
槍の先ではなく柄の方だったけど、突かれた勢いで顎の割れた黒ローブが地面に転がった。そして、変な唸り声をあげて身を捩っている。
『……何か毒でも呷ったか?』
『怪しい瓶を持ってるぞ!割れて中身が出ている!』
顎の割れた黒ローブは、毒が入っているらしい瓶を取り出そうとして、瓶ごと槍の柄で突かれたようだ。瓶が割れて毒液に触れたからか、勢いで毒を服用してしまったのかわからないけど、毒状態のようだ。
『毒か? おい、液体に直接触れないようにして捕縛しろ!』
顎の割れた黒ローブは、縄で縛られ、騎士の一人が持っていた瓶から液体をかけられた。振り掛けられた途端、液体が光る。
果実炭酸光水かな?黒ローブの顔にも振り掛けられた。
モミアゲの黒ローブの方は、別方向に逃げようとして、取り囲まれ、あっさり捕まった。
ネロ君は御者席で小さく背中を丸めて固まったままだった。
『な、何だ? 騎士が大勢?』
『……仕方ねぇ……。おい!ネロ!何でもない風を装って引き返せ!』
『は、はいっ。……あっ!』
『変な素振りを見せるな!』
『あの、でも……、後ろも……』
『はあ!?……チィッ!逃げるぞ!道を外れて飛ばせ!』
『はいっ!……ああ!』
「追跡魔道具四号君」で居場所を把握していると言っても、黒ローブ達を捕まえに行ってもらう人達は「お話」の魔道具とかを持っているわけじゃない。
魔鷹便を使って、両境近くの騎士達に連絡をとって、黒ローブ達の特徴を伝えて向かってもらったそうだ。
魔鷹が飛んで移動する時間だったりで騎士に連絡が行くまでの間に、黒ローブ達は移動してしまう。でも毒を撒くのに川を狙うだろうと、両境近くに流れている川を中心に見張りを立てていたら、黒ローブ達が乗った馬車を発見したらしい。
一見、古びていて地味でどこにでもありそうな馬車だけど、子供が御者をしているという特徴もあって、あっさり見つかったようだ。
黒ローブ達が騎士の姿に気がついた時には、既に四方を騎士団に囲まれているところだった。
『逃げるぞ!!』
馬車の速度が落ちた時、黒ローブの一人が馬車から飛び降りた。ゴロッと地面d絵回転した後、すぐに立ち上がって走り出す。
ネロ君は戸惑ったのか、手綱を引いて馬車を急停車させた。その瞬間、もう一人黒ローブが馬車から飛び出てきて別方向に逃げた。
『え?え?』
ネロ君はキョロキョロと首を動かして逃げていく黒ローブ達の姿を目で追った。
『うわ!』
叫んだのは顎が割れた黒ローブ。騎乗した騎士が回り込んできて槍を向けていた。
モミアゲの黒ローブは目の前に矢が飛んできて、後ろに飛び退いていた。
『チッ!』
顎が割れた黒ローブがナイフを出した。
ブンッと腕を振り、ナイフを投げつけ、その隙に逃げようとする。しかし、既に別の騎士もいて行手を塞ぐ。
『フンッ……うっ!』
顎の割れた黒ローブが懐に手を入れようとするのとほぼ同時に、槍の柄が黒ローブの胸元を突いた。
『うおっ!ゴホッ!うっ』
槍の先ではなく柄の方だったけど、突かれた勢いで顎の割れた黒ローブが地面に転がった。そして、変な唸り声をあげて身を捩っている。
『……何か毒でも呷ったか?』
『怪しい瓶を持ってるぞ!割れて中身が出ている!』
顎の割れた黒ローブは、毒が入っているらしい瓶を取り出そうとして、瓶ごと槍の柄で突かれたようだ。瓶が割れて毒液に触れたからか、勢いで毒を服用してしまったのかわからないけど、毒状態のようだ。
『毒か? おい、液体に直接触れないようにして捕縛しろ!』
顎の割れた黒ローブは、縄で縛られ、騎士の一人が持っていた瓶から液体をかけられた。振り掛けられた途端、液体が光る。
果実炭酸光水かな?黒ローブの顔にも振り掛けられた。
モミアゲの黒ローブの方は、別方向に逃げようとして、取り囲まれ、あっさり捕まった。
ネロ君は御者席で小さく背中を丸めて固まったままだった。
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