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第1章
第116話 呪いの毒の出所
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勢いで解毒治癒玉の追加製作までしちゃったけど、いくつか問題がある。
第一に、受け取ってもらえるか分からない。急に解毒剤大量渡されてもびっくりしちゃうよね。
第二に、解毒治癒玉を誰が作ったか。「収納」の魔法陣が使われているってことは知られたくない。
第三に、解毒治癒玉を渡す理由を聞かれたらどうやって説明をするか。
第四に、「呪いの毒」のことを話すかどうかだ。
兄上とメイリはレオノールさんにどう言って渡せば良いか一緒に考えてくれた。
「『呪いの毒』の解毒剤だってことはちゃんと言った方が良いんじゃないか?他の解毒剤と同じだと思われるぞ。」
「そうすると、どうして『呪いの毒』の解毒剤が必要かって話をしないといけなくならない?」
「そうだなぁ……。」
光水が一般的な解毒剤じゃなくて「呪いの毒」に効くものだってことを説明するかどうかも悩みどころだ。「呪いの毒」の解毒剤って言ってなかったから毒キノコの中毒の時に使ったんだと思うんだけど、他の毒の解毒剤として使ってもらうのは別に構わないと思うんだ。
目の前に毒で苦しんでいる人がいて、解毒剤が効くと思ったら僕だって使う。
「呪いの毒」に効くって話をするとなると、どうして「呪いの毒」の解毒剤を渡そうと思ったのか説明をしないといけなくなっちゃう。脳裏でマッチョな弟さんと語っているのを見ましたって言って、信じてもらえるか分からないし、信じてもらえたとしても、予言者みたいに思われても困ると思うんだ。
王都の連れていかれちゃうかも……。
だけど「呪いの毒」に効くって言わなかった場合、本当に「呪いの毒」にやられた時に使ってもらえないかもしれないんだよね。それだと渡す意味がなくなっちゃうから、「呪いの毒」のことは説明しないといけない。
「『呪いの毒』は夢の中だけじゃなくて、森に本当にあるんでしょう?」
「ああ、……森で『呪いの毒』の魔獣がいる可能性がある。毒耐性の魔石が出たからそれで解毒剤を薬師のおばあちゃんに作ってもらったって言えば良いか。どこで魔石が出たか聞かれちゃうかな。……黎明の泉のことは言わない方が良いんだよね……」
「父上がどこからか獲ってきたってことで良いんじゃないか?あの白い果物も父上が採ってきたし。」
メイリと兄上と相談して、毒耐性の魔石も父上が森の奥で狩った魔獣から出てきたってことにすることにした。父上は凄く危険な場所まで狩りに行くから、「森の奥らしい」ってざっくり説明でもいけそうだ。
「『夢』で『呪いの毒』が使われてたっていうのが本当に起きるとしたら、その毒の出所も森の泉の向こう側かもしれないな」
「ええ?誰かが泉の向こう側まで行ったってこと?」
「泉の向こう側は魔獣が強いってだけで、行けない場所じゃないからな。父上だって森の奥に行くし」
ぞくっと背筋に寒気が走った。誰かの「害意」を直接感じたわけじゃないけど、遠くの方をふわふわと「害意」が取り囲まれているような気持ちになる。
脳裏の中で見た光景の「呪いの毒」が森の奥にある。脳裏の光景の中でレオノールさんやレオノールさんのお母上を害した毒の出所が、ゲンティアナ領の森の奥ってことだ。
脳裏の光景が現実と、ゲンティアナのこの土地とも繋がっている。
凄く怖い。
泉の向こう側の魔獣から毒耐性の魔石が出てきて、「呪いの毒」があるってことはわかっていた。「呪いの毒」の対応の為に光水を作っていたのだし。
だけど、森の奥から「呪いの毒」を本当に持ってきて誰かを害する人がいるなんて考えたくなかった。
「……誰かが、ここの森の奥から『呪いの毒』を持ってきて人を殺そうとするなんて凄く怖いんだけど……。近くにそういう人がいるってことでしょう?」
「……レオノールさんにだけ解毒剤をあげれば良いって話でもない気がしてきたな。父上か母上に相談しよう。『呪いの毒』の話も父上か母上からして貰えば良いと思う」
兄上が腕組みして眉間に皺を寄せて難しい顔をした。メイリが兄上と同じポーズをとっている。メイリが眉間に皺を寄せているのは可愛いな。
とりあえず解毒治癒玉を渡すのは「呪いの毒」の話が済んでからってことになった。
第一に、受け取ってもらえるか分からない。急に解毒剤大量渡されてもびっくりしちゃうよね。
第二に、解毒治癒玉を誰が作ったか。「収納」の魔法陣が使われているってことは知られたくない。
第三に、解毒治癒玉を渡す理由を聞かれたらどうやって説明をするか。
第四に、「呪いの毒」のことを話すかどうかだ。
兄上とメイリはレオノールさんにどう言って渡せば良いか一緒に考えてくれた。
「『呪いの毒』の解毒剤だってことはちゃんと言った方が良いんじゃないか?他の解毒剤と同じだと思われるぞ。」
「そうすると、どうして『呪いの毒』の解毒剤が必要かって話をしないといけなくならない?」
「そうだなぁ……。」
光水が一般的な解毒剤じゃなくて「呪いの毒」に効くものだってことを説明するかどうかも悩みどころだ。「呪いの毒」の解毒剤って言ってなかったから毒キノコの中毒の時に使ったんだと思うんだけど、他の毒の解毒剤として使ってもらうのは別に構わないと思うんだ。
目の前に毒で苦しんでいる人がいて、解毒剤が効くと思ったら僕だって使う。
「呪いの毒」に効くって話をするとなると、どうして「呪いの毒」の解毒剤を渡そうと思ったのか説明をしないといけなくなっちゃう。脳裏でマッチョな弟さんと語っているのを見ましたって言って、信じてもらえるか分からないし、信じてもらえたとしても、予言者みたいに思われても困ると思うんだ。
王都の連れていかれちゃうかも……。
だけど「呪いの毒」に効くって言わなかった場合、本当に「呪いの毒」にやられた時に使ってもらえないかもしれないんだよね。それだと渡す意味がなくなっちゃうから、「呪いの毒」のことは説明しないといけない。
「『呪いの毒』は夢の中だけじゃなくて、森に本当にあるんでしょう?」
「ああ、……森で『呪いの毒』の魔獣がいる可能性がある。毒耐性の魔石が出たからそれで解毒剤を薬師のおばあちゃんに作ってもらったって言えば良いか。どこで魔石が出たか聞かれちゃうかな。……黎明の泉のことは言わない方が良いんだよね……」
「父上がどこからか獲ってきたってことで良いんじゃないか?あの白い果物も父上が採ってきたし。」
メイリと兄上と相談して、毒耐性の魔石も父上が森の奥で狩った魔獣から出てきたってことにすることにした。父上は凄く危険な場所まで狩りに行くから、「森の奥らしい」ってざっくり説明でもいけそうだ。
「『夢』で『呪いの毒』が使われてたっていうのが本当に起きるとしたら、その毒の出所も森の泉の向こう側かもしれないな」
「ええ?誰かが泉の向こう側まで行ったってこと?」
「泉の向こう側は魔獣が強いってだけで、行けない場所じゃないからな。父上だって森の奥に行くし」
ぞくっと背筋に寒気が走った。誰かの「害意」を直接感じたわけじゃないけど、遠くの方をふわふわと「害意」が取り囲まれているような気持ちになる。
脳裏の中で見た光景の「呪いの毒」が森の奥にある。脳裏の光景の中でレオノールさんやレオノールさんのお母上を害した毒の出所が、ゲンティアナ領の森の奥ってことだ。
脳裏の光景が現実と、ゲンティアナのこの土地とも繋がっている。
凄く怖い。
泉の向こう側の魔獣から毒耐性の魔石が出てきて、「呪いの毒」があるってことはわかっていた。「呪いの毒」の対応の為に光水を作っていたのだし。
だけど、森の奥から「呪いの毒」を本当に持ってきて誰かを害する人がいるなんて考えたくなかった。
「……誰かが、ここの森の奥から『呪いの毒』を持ってきて人を殺そうとするなんて凄く怖いんだけど……。近くにそういう人がいるってことでしょう?」
「……レオノールさんにだけ解毒剤をあげれば良いって話でもない気がしてきたな。父上か母上に相談しよう。『呪いの毒』の話も父上か母上からして貰えば良いと思う」
兄上が腕組みして眉間に皺を寄せて難しい顔をした。メイリが兄上と同じポーズをとっている。メイリが眉間に皺を寄せているのは可愛いな。
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