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第1章
第150話 酒場の光景
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毒の対策のことを考えていて「収納」から毒耐性魔石を取り出した。
毒耐性と解毒作用がある光水を沢山用意しておけば、「毒を盛られても安心!」と言うわけじゃないと思うけど、多少は対策になるはずだ。
暗殺の共犯者がいたとして、毒以外の手段を使われたら効果がないけど何もしないより全然良いはず!だよね?
材料の一つのドームの果実の数には制限はあるけど、
一度に必要な量は少ないから、それなりの量は作れると思う。
「……小瓶が足りないか……」
机の上に並べた毒耐性魔石と泉で汲んだ水の入った瓶を眺めてちょっと考えたけど大量生産するには、光水を入れる小瓶の予備があまりなかった。とりあえず、小瓶がある分だけは光水を作っておくけど、殿下達に渡すならもっと数が欲しいかな。
「明日、薬師のおばあちゃんのところで作ってもらおう」
薬師のおばあちゃんのところだったら、作った薬を入れる瓶の在庫は沢山あるはずだ。
それに、薬師のお店で作られたものの方が殿下達にも渡しやすいと思う。
やることを決めたらソワソワしていた気分がちょっと落ち着いた。
一息ついて羽根ペンを手に取る。
落ち着いてきたら絵が描きたくなってきちゃった。
何を描こうかと一日を思い出すと、また目まぐるしかった記憶が蘇ってきた。
お祝いの宴で乾杯してた時の殿下達の笑顔が思い浮かんできた。
「せっかくの記念の宴だったのにね……」
お祝いの席が台無しになっちゃって残念だろうなぁ。
笑顔でゴブレットを掲げて乾杯をしているネイサン殿下の姿を描く。
並んで笑顔を浮かべているハロルド君、シェリル嬢、リネリア嬢の姿も描いた。
楽しそうな絵に仕上がったと思う。この絵を差し上げたら喜んでもらえるだろうか。
事件が起きて思い出したくもないって言われちゃうかな。
そう言えば、辺境伯様が乾杯の音頭をとった時、兄上がなんだか怒っているみたいな顔をしていた気がする。
なんだったんだろう。「毒」の存在に気がついていたって感じでもなかったよね。
明日聞いてみよう。
絵を描き終えて、そう言えば、脳裏の光景は浮かんで来なかったなぁって思いながら「ふぅ~」と大きく息を吐いた。
思った途端に、脳裏に何か浮かんでくる。どうして?気を抜いたから?
ごちゃごちゃした騒がしい場所
上機嫌そうな調子はずれな歌声。乱暴な口調が飛び交う。
ドンッと勢いよくテーブルに置かれた木のジョッキ。中にはビールらしき液体が
入っている。酒場かな。
ーーーなんだとぉ!?もういっぺん言ってみろや。ど田舎の冒険者風情が!
ーーーはん!碌に魔獣と戦ったことがない騎士なんざ、
酒場で管巻かれても邪魔なだけだって言ってんだ
ーーーはぁ?こっちはお貴族様の騎士だぞ!
ーーーそれがどうした。どうせ往復の護衛人数確保のかさ増し要員だろうが
ーーーなんだとぉ!!
叩きつけるようにジョッキを置いて男性が立ち上がり、目の前の相手の胸ぐらを掴んだ。
ヤイヤイと周囲からヤジが飛ぶ。
ーーーふっ!実力のないやつほど良く吠える
ーーー実力ないとか勝手に決めつけんな!
ーーー都会でぬくぬく過ごしてきた奴なんて、どうせ碌に攻撃魔法も使えないだろう
ーーーバカにすんな!攻撃魔法くらい使える!
ーーーほう!じゃあ、勝負するか?
ーーーふん!受けてたってやる!
酒場の真ん中で売られた喧嘩を買っている男性の顔に見覚えがあった。
河原で僕と兄様に絡んできた騎士だ。
周囲でヤイヤイ言っている男性達もそうだ。河原にいた人達だ。
河原にいた騎士達ということは沼地を荒らした奴らということだ。
激昂している騎士に吠えられながら、ニヤリと牙を向くように口の端を上げる
冒険者らしき男性。左眉に小さい傷がある。
冒険者って父上より年上の人達のイメージだけど結構若い。後ろでニヤニヤしている冒険者も若い……。あれ?
ちょっと待って!冒険者も知ってる顔じゃない?
毒耐性と解毒作用がある光水を沢山用意しておけば、「毒を盛られても安心!」と言うわけじゃないと思うけど、多少は対策になるはずだ。
暗殺の共犯者がいたとして、毒以外の手段を使われたら効果がないけど何もしないより全然良いはず!だよね?
材料の一つのドームの果実の数には制限はあるけど、
一度に必要な量は少ないから、それなりの量は作れると思う。
「……小瓶が足りないか……」
机の上に並べた毒耐性魔石と泉で汲んだ水の入った瓶を眺めてちょっと考えたけど大量生産するには、光水を入れる小瓶の予備があまりなかった。とりあえず、小瓶がある分だけは光水を作っておくけど、殿下達に渡すならもっと数が欲しいかな。
「明日、薬師のおばあちゃんのところで作ってもらおう」
薬師のおばあちゃんのところだったら、作った薬を入れる瓶の在庫は沢山あるはずだ。
それに、薬師のお店で作られたものの方が殿下達にも渡しやすいと思う。
やることを決めたらソワソワしていた気分がちょっと落ち着いた。
一息ついて羽根ペンを手に取る。
落ち着いてきたら絵が描きたくなってきちゃった。
何を描こうかと一日を思い出すと、また目まぐるしかった記憶が蘇ってきた。
お祝いの宴で乾杯してた時の殿下達の笑顔が思い浮かんできた。
「せっかくの記念の宴だったのにね……」
お祝いの席が台無しになっちゃって残念だろうなぁ。
笑顔でゴブレットを掲げて乾杯をしているネイサン殿下の姿を描く。
並んで笑顔を浮かべているハロルド君、シェリル嬢、リネリア嬢の姿も描いた。
楽しそうな絵に仕上がったと思う。この絵を差し上げたら喜んでもらえるだろうか。
事件が起きて思い出したくもないって言われちゃうかな。
そう言えば、辺境伯様が乾杯の音頭をとった時、兄上がなんだか怒っているみたいな顔をしていた気がする。
なんだったんだろう。「毒」の存在に気がついていたって感じでもなかったよね。
明日聞いてみよう。
絵を描き終えて、そう言えば、脳裏の光景は浮かんで来なかったなぁって思いながら「ふぅ~」と大きく息を吐いた。
思った途端に、脳裏に何か浮かんでくる。どうして?気を抜いたから?
ごちゃごちゃした騒がしい場所
上機嫌そうな調子はずれな歌声。乱暴な口調が飛び交う。
ドンッと勢いよくテーブルに置かれた木のジョッキ。中にはビールらしき液体が
入っている。酒場かな。
ーーーなんだとぉ!?もういっぺん言ってみろや。ど田舎の冒険者風情が!
ーーーはん!碌に魔獣と戦ったことがない騎士なんざ、
酒場で管巻かれても邪魔なだけだって言ってんだ
ーーーはぁ?こっちはお貴族様の騎士だぞ!
ーーーそれがどうした。どうせ往復の護衛人数確保のかさ増し要員だろうが
ーーーなんだとぉ!!
叩きつけるようにジョッキを置いて男性が立ち上がり、目の前の相手の胸ぐらを掴んだ。
ヤイヤイと周囲からヤジが飛ぶ。
ーーーふっ!実力のないやつほど良く吠える
ーーー実力ないとか勝手に決めつけんな!
ーーー都会でぬくぬく過ごしてきた奴なんて、どうせ碌に攻撃魔法も使えないだろう
ーーーバカにすんな!攻撃魔法くらい使える!
ーーーほう!じゃあ、勝負するか?
ーーーふん!受けてたってやる!
酒場の真ん中で売られた喧嘩を買っている男性の顔に見覚えがあった。
河原で僕と兄様に絡んできた騎士だ。
周囲でヤイヤイ言っている男性達もそうだ。河原にいた人達だ。
河原にいた騎士達ということは沼地を荒らした奴らということだ。
激昂している騎士に吠えられながら、ニヤリと牙を向くように口の端を上げる
冒険者らしき男性。左眉に小さい傷がある。
冒険者って父上より年上の人達のイメージだけど結構若い。後ろでニヤニヤしている冒険者も若い……。あれ?
ちょっと待って!冒険者も知ってる顔じゃない?
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