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第1章
第149話 褒められたけど
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デザートを食べてお茶を飲んだ母様は微笑んで僕達を見た。
「ローレンもクリスも頑張ってくれたわね。助かったわ。ありがとう」
「何か役に立った?」
「ええ。ゴブレットが光った時も、騎士が不審な挙動をした時も
素早く反応してくれて、殿下達をお守りしてくれたわ。
ゲンティアナ家として誇らしいわ」
「守るって言うほどの事は……」
「真っ先に反応したのが偉かったのよ」
母様はそう言って立ち上がると、兄上と僕を抱きしめた。そしてメイリも
きゅっと抱きしめた。
ふわっと良い匂いがした。
兄上はちょっと照れた顔をしてたけれど、少し心配そうに眉を顰めた。
「……もしかして……、ゲンティアナ家の責任になってしまうんですか?」
「ええ!?」
僕はびっくりしてちょっと大きい声を出してしまった。
前に脳裏で見た光景で殿下が言っていた言葉を思い出す。
ーーー家が取り潰しになった領主は気の毒だったな。
「お……」
「お取り潰し」って言おうとして言葉を飲み込んだ。
本当になったら嫌だ。
「大丈夫よ。何も責められたりしていないわ。心配しないで」
母様が兄上の前髪をちょっと直してニコリとした。
そうだよね。誰も毒を口にしないうちに容疑者は捕まったし。
最初に手袋の騎士を捕まえたのは父上だったよね。
褒められることはしてても、責められるような事はないと思う。
でも、なんだかまだ心臓がドキドキする。
お取り潰しなんてことにはならない……はず……。
母様は、お茶を飲み終えると本館へと戻って行った。
兄上と僕とメイリで並んで見送った。
自分の部屋に戻ってきて、しばらく椅子に座って考える。
一日で色んなことがあった気がする。
沼地を荒らしたらしい人達が捕まって、その後に「初討伐」のお祝いの宴が
急遽開催されて、さらに宴の中で毒事件が起きた。
沼地を荒らした人達は、辺境伯家とテッセン伯爵家の騎士の人達で
毒事件で捕まった騎士は王宮騎士だ。
どうなっちゃうんだろう。
不安な気持ちもあるし、色々起きすぎれ訳がわからないって気持ちもある。
殿下達の訓練、続けられるのかな……。
もしも……、もしも共犯がいたとしたら、まだ毒の警戒をした方が良いんだろうか。
そう言えば、ゴブレットに付着していた毒は灰色キノコの毒だった。
厨房の差し入れに混じっていた毒キノコも灰色キノコだ。
厨房の差し入れの時は間違って毒キノコが混ざり込んだのかなと思ったけど
わざとだったりして?
考えてみて、喉がヒュッと鳴ってしまった。
「怖!」
でも、その後で野営で料理した王宮騎士が毒キノコに当たったんだよね。
知ってたら食べないよね。単にこの辺の手近な「毒」が灰色キノコだったってことかな。
厨房に持ち込まれたキノコの中に毒キノコが混じってたのがわざとかなんて、証拠もないし、考えてても怖くなるだけだ。
もしも毒が紛れ込んでいても大丈夫なように毒耐性のことでも考えようかな。
「ローレンもクリスも頑張ってくれたわね。助かったわ。ありがとう」
「何か役に立った?」
「ええ。ゴブレットが光った時も、騎士が不審な挙動をした時も
素早く反応してくれて、殿下達をお守りしてくれたわ。
ゲンティアナ家として誇らしいわ」
「守るって言うほどの事は……」
「真っ先に反応したのが偉かったのよ」
母様はそう言って立ち上がると、兄上と僕を抱きしめた。そしてメイリも
きゅっと抱きしめた。
ふわっと良い匂いがした。
兄上はちょっと照れた顔をしてたけれど、少し心配そうに眉を顰めた。
「……もしかして……、ゲンティアナ家の責任になってしまうんですか?」
「ええ!?」
僕はびっくりしてちょっと大きい声を出してしまった。
前に脳裏で見た光景で殿下が言っていた言葉を思い出す。
ーーー家が取り潰しになった領主は気の毒だったな。
「お……」
「お取り潰し」って言おうとして言葉を飲み込んだ。
本当になったら嫌だ。
「大丈夫よ。何も責められたりしていないわ。心配しないで」
母様が兄上の前髪をちょっと直してニコリとした。
そうだよね。誰も毒を口にしないうちに容疑者は捕まったし。
最初に手袋の騎士を捕まえたのは父上だったよね。
褒められることはしてても、責められるような事はないと思う。
でも、なんだかまだ心臓がドキドキする。
お取り潰しなんてことにはならない……はず……。
母様は、お茶を飲み終えると本館へと戻って行った。
兄上と僕とメイリで並んで見送った。
自分の部屋に戻ってきて、しばらく椅子に座って考える。
一日で色んなことがあった気がする。
沼地を荒らしたらしい人達が捕まって、その後に「初討伐」のお祝いの宴が
急遽開催されて、さらに宴の中で毒事件が起きた。
沼地を荒らした人達は、辺境伯家とテッセン伯爵家の騎士の人達で
毒事件で捕まった騎士は王宮騎士だ。
どうなっちゃうんだろう。
不安な気持ちもあるし、色々起きすぎれ訳がわからないって気持ちもある。
殿下達の訓練、続けられるのかな……。
もしも……、もしも共犯がいたとしたら、まだ毒の警戒をした方が良いんだろうか。
そう言えば、ゴブレットに付着していた毒は灰色キノコの毒だった。
厨房の差し入れに混じっていた毒キノコも灰色キノコだ。
厨房の差し入れの時は間違って毒キノコが混ざり込んだのかなと思ったけど
わざとだったりして?
考えてみて、喉がヒュッと鳴ってしまった。
「怖!」
でも、その後で野営で料理した王宮騎士が毒キノコに当たったんだよね。
知ってたら食べないよね。単にこの辺の手近な「毒」が灰色キノコだったってことかな。
厨房に持ち込まれたキノコの中に毒キノコが混じってたのがわざとかなんて、証拠もないし、考えてても怖くなるだけだ。
もしも毒が紛れ込んでいても大丈夫なように毒耐性のことでも考えようかな。
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