266 / 334
第2章
第266話 次の魔道具
しおりを挟む
森から帰る道の途中に、今度作る魔道具について考えていた。
「お話」の魔道具や「手紙」の魔道具で、何かあった時に連絡を取り合うことができるけど。どの場所から連絡しているのかわかれば、緊急時とかに助けに向かったりできると思う。
連絡したときに必ず居場所が分かるっていうのもあまり良くないのかな。とりあえず、緊急な時に使う魔道具を考えよう。
緊急時に魔力を通したら、「緊急」の連絡が相手に届いて、更に居場所がわかるようにしたい。緊急な時は連絡する相手を選ぶ余裕がないかもしれないから、先に連絡する相手のことをあらかじめ設定して置くようにする。
問題は場所だ。居場所を表すには地図があって、その地図の中のどの辺に居るとかがわかると良いんだけど、それを魔道具でどうやって実現するか、なんだよね。
気配を察知する時に周囲に意識を広げるから、その動きを魔法陣にしたら今居る位置と周囲の物の形をイメージとして取り出すことができるんじゃないかな。
遠くの山や建物が目印になるから、遠い場所は風魔法を使おう。
馬に乗りながら試しに、風魔法を使いながら気配察知をしてみた。特に大きい木や山の位置、強そうな魔獣の位置とかが
わかる。頭の中にはイメージできるけど、連絡を受けた側に地図が見えるようにするにはどうしようか。
イメージを絵にする……?
「手紙」の魔道具で文字を表示しているところに絵まで出せるかな。
「手紙」の魔道具で文字を表すときは、火魔法で小さい光を文字の形に光らせている。絵の時も絵の形に光らせれば良いか。
「クリス、ボーッとするなよ。危ないぞ」
「あ!」
兄上に声をかけられて、ハッとして前を見ると、牙リスが木の上に三匹いて、こちらの様子を伺っている。
さっと弓を構えて中央の牙リスに矢を放った。
「キュェ!」
矢が命中して中央の牙リスがすっ飛んでいくと、両脇の牙リスが騒ぎ立てた。
「キィ!」
バチバチ!
甲高い声を上げた牙リスの前足に火花が散った。勢いよく枝から飛び降りてくる。
ザシュ!
兄上の剣が牙リスを斬る。牙リスの頭が飛ぶ。もう一匹の牙リスはボブがナイフで仕留めたみたいだ。
戦闘は一瞬だった。念の為周囲の気配を探ったけど、近くには魔獣はもういないようだ。
安全を確認してから、地面に落ちた牙リスに近づいた。
「解体」の短剣で牙リスの胸元を突くと、バラバラ。魔石だけ拾い上げてから残りを「収納」した。
「やった。雷魔石だ!」
「希少なやつだな。牙リスが持ってるのか」
「全部じゃないかも。ほら、こっちは違う」
仕留めた三匹のうち二匹が雷魔石を持った牙リスだった。
「希少だと言っても、かなり小さいよな。使えるのか?」
「大丈夫」
牙リス自体が大きい魔獣じゃないから、当然魔石も小さい。
それでも、魔法陣を一つは刻むことができる。雷魔石は魔法陣を他の魔石に転写できるから便利なものだ。魔道具作りも捗る。手に入って嬉しい。
「お話」の魔道具や「手紙」の魔道具で、何かあった時に連絡を取り合うことができるけど。どの場所から連絡しているのかわかれば、緊急時とかに助けに向かったりできると思う。
連絡したときに必ず居場所が分かるっていうのもあまり良くないのかな。とりあえず、緊急な時に使う魔道具を考えよう。
緊急時に魔力を通したら、「緊急」の連絡が相手に届いて、更に居場所がわかるようにしたい。緊急な時は連絡する相手を選ぶ余裕がないかもしれないから、先に連絡する相手のことをあらかじめ設定して置くようにする。
問題は場所だ。居場所を表すには地図があって、その地図の中のどの辺に居るとかがわかると良いんだけど、それを魔道具でどうやって実現するか、なんだよね。
気配を察知する時に周囲に意識を広げるから、その動きを魔法陣にしたら今居る位置と周囲の物の形をイメージとして取り出すことができるんじゃないかな。
遠くの山や建物が目印になるから、遠い場所は風魔法を使おう。
馬に乗りながら試しに、風魔法を使いながら気配察知をしてみた。特に大きい木や山の位置、強そうな魔獣の位置とかが
わかる。頭の中にはイメージできるけど、連絡を受けた側に地図が見えるようにするにはどうしようか。
イメージを絵にする……?
「手紙」の魔道具で文字を表示しているところに絵まで出せるかな。
「手紙」の魔道具で文字を表すときは、火魔法で小さい光を文字の形に光らせている。絵の時も絵の形に光らせれば良いか。
「クリス、ボーッとするなよ。危ないぞ」
「あ!」
兄上に声をかけられて、ハッとして前を見ると、牙リスが木の上に三匹いて、こちらの様子を伺っている。
さっと弓を構えて中央の牙リスに矢を放った。
「キュェ!」
矢が命中して中央の牙リスがすっ飛んでいくと、両脇の牙リスが騒ぎ立てた。
「キィ!」
バチバチ!
甲高い声を上げた牙リスの前足に火花が散った。勢いよく枝から飛び降りてくる。
ザシュ!
兄上の剣が牙リスを斬る。牙リスの頭が飛ぶ。もう一匹の牙リスはボブがナイフで仕留めたみたいだ。
戦闘は一瞬だった。念の為周囲の気配を探ったけど、近くには魔獣はもういないようだ。
安全を確認してから、地面に落ちた牙リスに近づいた。
「解体」の短剣で牙リスの胸元を突くと、バラバラ。魔石だけ拾い上げてから残りを「収納」した。
「やった。雷魔石だ!」
「希少なやつだな。牙リスが持ってるのか」
「全部じゃないかも。ほら、こっちは違う」
仕留めた三匹のうち二匹が雷魔石を持った牙リスだった。
「希少だと言っても、かなり小さいよな。使えるのか?」
「大丈夫」
牙リス自体が大きい魔獣じゃないから、当然魔石も小さい。
それでも、魔法陣を一つは刻むことができる。雷魔石は魔法陣を他の魔石に転写できるから便利なものだ。魔道具作りも捗る。手に入って嬉しい。
302
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる