14 / 39
14. ※ クライド
しおりを挟む
──五年前
クライド・エリィク・フォンレスター第三王子が学園という準社交の場に入った。
齢十四歳。
(今後の縮図の構成に、自分の人生を担う為の人選……)
王族は気が抜けないなあと新入生代表の壇上に上がりつつ、クライドは内心で溜息を吐いていた。
(遊びたい。サボりたい)
けれど王族の手本のような兄二人を見ていると、そんな弱音も吐けなくなってしまう。
きっと自分は根が真面目なのだろうと諦める事にして、遊びやサボりは自分なりの方法で行う事にした。
学園在学中に側近を選ぶ。
──面白い奴にしよう。
学園在学中に婚約者を選ぶ。
──面白い奴にしよう。
おもちゃ代わりに遊べて、良い暇つぶし、サボりの口実にする為に。
だから一年間は猫を被って人を観察に勤しんだ。そして二年になってこれはと思う人間を選び抜いた。
シェイドは変な奴だと思っていた。
整った顔立ちを隠しているのは直ぐに気が付いた。恐らく騎士の家系の嫡男あたりも気付いている。
自分のように、隠しているものを暴くような真似をするような者ではないってだけだ。
シェイドはそれ程優秀では無いと思うのだけれど、必死に優等生クラスに齧り付いていた。
(何か理由があるのかな?)
軽く興味を持ち、暫く様子を見ていれば、成る程と納得した。何でも人伝に聞いたところによると『昔は美少年だった』のだそうだ。
今も隠されているだけで、その面は変わらず美しいと思うのだけれど……
(多分、女性が苦手になったんだろうなあ)
分かる! とクライドは膝を打った。
王族という肩書きに見惚れる女たちに追い回される身としては、うんうんと頷くばかりだ。
──と、同時にこいつは隠せて羨ましいというやっかみが生まれた。
(はい、採用)
嫌がらせ要員である。
最初はそのつもりだった。
だから一年の終わりに生徒会役員に抜擢する旨を告げた時、シェイドが目を輝かせたのを見て不思議に思った。
(……目立ちたく無かったのでは?)
首を傾げつつ観察を続ければ、どうやら想い人がいるらしい。こいつは、ただ一人に認められたくて、努力している奴だった。
何度かつついてようやく口を割らせて、彼女が入学する時にその顔を見た。
(……大人しそうな子だな)
印象としてはそれくらいだった。
けれどアロット伯爵家といえばこの国では由緒正しく資産も充分な家だ。当然縁付けたい家は一定数あるだろうから、シェイドが努力するのも頷けた。
ただ生徒会にいる以上、彼が自分の側近になる未来は固い。直に伯爵も首を縦に振るだろう。
二人の始まりを知らない頃だったから、クライドはそう結論付けた。ついでに学園内でも猛攻を繰り広げてくるベリンダがいい加減に鬱陶しくなり、彼女の前でワザとシェイドの眼鏡を払ってやった。
少し盾に使うくらい構わないだろう。
思った通りシェイドの綺麗な顔はベリンダのお眼鏡に適ったようで、ベリンダはクライドとシェイドの両方に色目を使うようになった。
(馬鹿な奴……)
家柄が良く見目も悪くないものだから自分に自信がある令嬢。だから自分が一番で、その上何をしても許されると思っている。
王族の婚約者候補という立場にありながら他の男に色目を使う。淑女として致命的であるといえるそんな事すら自分は構わないという謎の自信。
レーゼント侯爵家の内情が透けて見えるというものだ。
彼女の話は兄たちから話を聞いていたものの。
父が彼女の家柄を考慮して悩んでいたのは知っていたから、面白そうなら娶ってもいいかなと思ってはいた。だが実際会ってみれば面白がる余裕もないというか、気が遠くなりそうなくらいにアレで──……
(あんなもん妻に迎えたら身の破滅だ)
母が甥の評判に度々悩まされているのを知っているから余計。妻は賢く品のある女でなければ。
彼女にはいずれ自滅してもらうにせよ……
なんて理由もあり、婚約者は割と早い段階でミレイ侯爵家次女のアリサに目を付けていた。
アリサは勤勉で実直だが、気が強いのと少し口が悪い。
前者は王族として良い資質だろう。気が強いのは自分の好みだ。泣かせたい。口が悪いのも公の場で控えるようにすれば問題ない。
ただ彼女には既に親の決めた五歳上の婚約者がいたので、そいつには頭と身持ちの悪そうな女を送り込んでおいた。
すっかり仲を深めた二人が夜会で間違えて王族の休憩室で逢瀬に興じているのを次兄に見つかり、破婚したのは私たちが卒業間近の十七歳の頃。
王族が率いる生徒会、副会長の醜聞は広がらないよう配慮され、箝口令が敷かれた。
けれど萎れたアリサを見て良い気分にはならなかった。そこに彼女の元婚約者への気持ちが透けて見えるからだ。仕向けたのは私でも、その心は自分へは向いていないのは知っていた。だから暫くは彼女を甘やかそうと誓った。
おかげで卒業して一年も経つのに未だに私には婚約者が決まらない。断じて自業自得ではなく、アリサの気持ちに寄り添う結果こうなっただけだ。
だから婚約者は既に内定しているのだが、彼女の心の傷を考慮して、発表はもう少し先になる。
最近はやっと彼女が心を開いてくれて嬉しい。
自分に春の兆しが見えた頃、そういえばシェイドは何をやってるんだろうかと思い至った。
生徒会の仕事に猛然と励み、成績も上位をキープ。教師の覚えもめでたく、生徒からの信頼も得るようになった。
その自信を抱き、アロット伯爵家にリエラ嬢のエスコートを願い出る手紙を送るとか言っていた。名義はタガが外れた父ではなく祖父を頼ったと聞いているから、門前払いはないだろう。
けれど結果は惨敗。
地に臥したシェイドをアリサと二人、残念な気持ちで眺めた。
……因みにこれは我々の卒業パーティーの同伴の許可である。
諦めない姿勢は尊敬に値するが、相談くらいしてくれれば根回しに協力したのにと思った。
シェイドは卒業後私の側近として宮廷貴族となる予定だ。彼の弟が高位貴族の次女と婚約し、両親が弟に爵位を渡す事を決めた為だ。
シェイドの弟には兄を差し置いてと迷う気持ちもあったようだが、婚約者と良好な関係であった事、相手と添い遂げたい気持ちが勝ったようだった。
しかしその弟の婚約はシェイドが王族の側近となる事が後押ししたもの。だから侯爵家が子爵家へ嫁す事を許したというのに……当の功労者であるシェイドは床に膝を付き涙を流している。
「……」
少しだけ不憫に思った。
アリサを見れば同じ気持ちのようで、複雑な表情をしている。
彼女もまた、不実な男は嫌いだが、シェイドの働きは学園の垣間見てきた仲である。確かに不愉快な態度を取った履歴はあるが、経緯があるし、今は真面目だ。礼節も処世術も身につけている。
(確かセドリー家には問題児がいたんだっけか……)
クライドは頭を巡らせた。
特に気にした事も無かったが、そういえばリエラは隙のない令嬢だった。家柄に間違いはなく、教育も行き届いているのだろう。
これは貴族の娘として申し分ない資質である。それ故に申し訳無いが、力技で貶める必要があるのだ。シェイドの元に堕とす為に……
(昔好きだった男に、少しだけチャンスをあげておくれね)
チラとアリサを見ればこちらの意図を汲むようにこくりと頷いた。
そうしてクライドは伯爵家に堅固に守られている娘を引っ張り出す為、レイモンドを巻き込んで画策した。
レイモンドは暑苦しい男だが、悪い男ではない。
元々妹の引きこもりに難色を示していた事もあり、彼の協力は容易に叶った。
……まあ結局は、妹のその原因たるシェイド自身が、子供の頃の話を馬鹿正直に伝えたのが決め手だったのだけれど。
暑苦しい男が好きな展開だったようだ。
伯爵が心配するように、レイモンドは直情的だ。真っ向からこられれば受け止めてしまう質なのだろう。
こちらとしてはありがたかったけど……
(このお礼に今後搦手でも仕込んであげようかな)
それで手打ちに出来るよう、立ち回る事にした。
クライド・エリィク・フォンレスター第三王子が学園という準社交の場に入った。
齢十四歳。
(今後の縮図の構成に、自分の人生を担う為の人選……)
王族は気が抜けないなあと新入生代表の壇上に上がりつつ、クライドは内心で溜息を吐いていた。
(遊びたい。サボりたい)
けれど王族の手本のような兄二人を見ていると、そんな弱音も吐けなくなってしまう。
きっと自分は根が真面目なのだろうと諦める事にして、遊びやサボりは自分なりの方法で行う事にした。
学園在学中に側近を選ぶ。
──面白い奴にしよう。
学園在学中に婚約者を選ぶ。
──面白い奴にしよう。
おもちゃ代わりに遊べて、良い暇つぶし、サボりの口実にする為に。
だから一年間は猫を被って人を観察に勤しんだ。そして二年になってこれはと思う人間を選び抜いた。
シェイドは変な奴だと思っていた。
整った顔立ちを隠しているのは直ぐに気が付いた。恐らく騎士の家系の嫡男あたりも気付いている。
自分のように、隠しているものを暴くような真似をするような者ではないってだけだ。
シェイドはそれ程優秀では無いと思うのだけれど、必死に優等生クラスに齧り付いていた。
(何か理由があるのかな?)
軽く興味を持ち、暫く様子を見ていれば、成る程と納得した。何でも人伝に聞いたところによると『昔は美少年だった』のだそうだ。
今も隠されているだけで、その面は変わらず美しいと思うのだけれど……
(多分、女性が苦手になったんだろうなあ)
分かる! とクライドは膝を打った。
王族という肩書きに見惚れる女たちに追い回される身としては、うんうんと頷くばかりだ。
──と、同時にこいつは隠せて羨ましいというやっかみが生まれた。
(はい、採用)
嫌がらせ要員である。
最初はそのつもりだった。
だから一年の終わりに生徒会役員に抜擢する旨を告げた時、シェイドが目を輝かせたのを見て不思議に思った。
(……目立ちたく無かったのでは?)
首を傾げつつ観察を続ければ、どうやら想い人がいるらしい。こいつは、ただ一人に認められたくて、努力している奴だった。
何度かつついてようやく口を割らせて、彼女が入学する時にその顔を見た。
(……大人しそうな子だな)
印象としてはそれくらいだった。
けれどアロット伯爵家といえばこの国では由緒正しく資産も充分な家だ。当然縁付けたい家は一定数あるだろうから、シェイドが努力するのも頷けた。
ただ生徒会にいる以上、彼が自分の側近になる未来は固い。直に伯爵も首を縦に振るだろう。
二人の始まりを知らない頃だったから、クライドはそう結論付けた。ついでに学園内でも猛攻を繰り広げてくるベリンダがいい加減に鬱陶しくなり、彼女の前でワザとシェイドの眼鏡を払ってやった。
少し盾に使うくらい構わないだろう。
思った通りシェイドの綺麗な顔はベリンダのお眼鏡に適ったようで、ベリンダはクライドとシェイドの両方に色目を使うようになった。
(馬鹿な奴……)
家柄が良く見目も悪くないものだから自分に自信がある令嬢。だから自分が一番で、その上何をしても許されると思っている。
王族の婚約者候補という立場にありながら他の男に色目を使う。淑女として致命的であるといえるそんな事すら自分は構わないという謎の自信。
レーゼント侯爵家の内情が透けて見えるというものだ。
彼女の話は兄たちから話を聞いていたものの。
父が彼女の家柄を考慮して悩んでいたのは知っていたから、面白そうなら娶ってもいいかなと思ってはいた。だが実際会ってみれば面白がる余裕もないというか、気が遠くなりそうなくらいにアレで──……
(あんなもん妻に迎えたら身の破滅だ)
母が甥の評判に度々悩まされているのを知っているから余計。妻は賢く品のある女でなければ。
彼女にはいずれ自滅してもらうにせよ……
なんて理由もあり、婚約者は割と早い段階でミレイ侯爵家次女のアリサに目を付けていた。
アリサは勤勉で実直だが、気が強いのと少し口が悪い。
前者は王族として良い資質だろう。気が強いのは自分の好みだ。泣かせたい。口が悪いのも公の場で控えるようにすれば問題ない。
ただ彼女には既に親の決めた五歳上の婚約者がいたので、そいつには頭と身持ちの悪そうな女を送り込んでおいた。
すっかり仲を深めた二人が夜会で間違えて王族の休憩室で逢瀬に興じているのを次兄に見つかり、破婚したのは私たちが卒業間近の十七歳の頃。
王族が率いる生徒会、副会長の醜聞は広がらないよう配慮され、箝口令が敷かれた。
けれど萎れたアリサを見て良い気分にはならなかった。そこに彼女の元婚約者への気持ちが透けて見えるからだ。仕向けたのは私でも、その心は自分へは向いていないのは知っていた。だから暫くは彼女を甘やかそうと誓った。
おかげで卒業して一年も経つのに未だに私には婚約者が決まらない。断じて自業自得ではなく、アリサの気持ちに寄り添う結果こうなっただけだ。
だから婚約者は既に内定しているのだが、彼女の心の傷を考慮して、発表はもう少し先になる。
最近はやっと彼女が心を開いてくれて嬉しい。
自分に春の兆しが見えた頃、そういえばシェイドは何をやってるんだろうかと思い至った。
生徒会の仕事に猛然と励み、成績も上位をキープ。教師の覚えもめでたく、生徒からの信頼も得るようになった。
その自信を抱き、アロット伯爵家にリエラ嬢のエスコートを願い出る手紙を送るとか言っていた。名義はタガが外れた父ではなく祖父を頼ったと聞いているから、門前払いはないだろう。
けれど結果は惨敗。
地に臥したシェイドをアリサと二人、残念な気持ちで眺めた。
……因みにこれは我々の卒業パーティーの同伴の許可である。
諦めない姿勢は尊敬に値するが、相談くらいしてくれれば根回しに協力したのにと思った。
シェイドは卒業後私の側近として宮廷貴族となる予定だ。彼の弟が高位貴族の次女と婚約し、両親が弟に爵位を渡す事を決めた為だ。
シェイドの弟には兄を差し置いてと迷う気持ちもあったようだが、婚約者と良好な関係であった事、相手と添い遂げたい気持ちが勝ったようだった。
しかしその弟の婚約はシェイドが王族の側近となる事が後押ししたもの。だから侯爵家が子爵家へ嫁す事を許したというのに……当の功労者であるシェイドは床に膝を付き涙を流している。
「……」
少しだけ不憫に思った。
アリサを見れば同じ気持ちのようで、複雑な表情をしている。
彼女もまた、不実な男は嫌いだが、シェイドの働きは学園の垣間見てきた仲である。確かに不愉快な態度を取った履歴はあるが、経緯があるし、今は真面目だ。礼節も処世術も身につけている。
(確かセドリー家には問題児がいたんだっけか……)
クライドは頭を巡らせた。
特に気にした事も無かったが、そういえばリエラは隙のない令嬢だった。家柄に間違いはなく、教育も行き届いているのだろう。
これは貴族の娘として申し分ない資質である。それ故に申し訳無いが、力技で貶める必要があるのだ。シェイドの元に堕とす為に……
(昔好きだった男に、少しだけチャンスをあげておくれね)
チラとアリサを見ればこちらの意図を汲むようにこくりと頷いた。
そうしてクライドは伯爵家に堅固に守られている娘を引っ張り出す為、レイモンドを巻き込んで画策した。
レイモンドは暑苦しい男だが、悪い男ではない。
元々妹の引きこもりに難色を示していた事もあり、彼の協力は容易に叶った。
……まあ結局は、妹のその原因たるシェイド自身が、子供の頃の話を馬鹿正直に伝えたのが決め手だったのだけれど。
暑苦しい男が好きな展開だったようだ。
伯爵が心配するように、レイモンドは直情的だ。真っ向からこられれば受け止めてしまう質なのだろう。
こちらとしてはありがたかったけど……
(このお礼に今後搦手でも仕込んであげようかな)
それで手打ちに出来るよう、立ち回る事にした。
291
あなたにおすすめの小説
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
全てを捨てて消え去ろうとしたのですが…なぜか殿下に執着されています
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のセーラは、1人崖から海を見つめていた。大好きだった父は、2ヶ月前に事故死。愛していた婚約者、ワイアームは、公爵令嬢のレイリスに夢中。
さらにレイリスに酷い事をしたという噂まで流されたセーラは、貴族世界で完全に孤立していた。独りぼっちになってしまった彼女は、絶望の中海を見つめる。
“私さえいなくなれば、皆幸せになれる”
そう強く思ったセーラは、子供の頃から大好きだった歌を口ずさみながら、海に身を投げたのだった。
一方、婚約者でもあるワイアームもまた、一人孤独な戦いをしていた。それもこれも、愛するセーラを守るため。
そんなワイアームの気持ちなど全く知らないセーラは…
龍の血を受け継いだワイアームと、海神の娘の血を受け継いだセーラの恋の物語です。
ご都合主義全開、ファンタジー要素が強め?な作品です。
よろしくお願いいたします。
※カクヨム、小説家になろうでも同時配信しています。
『婚約なんて予定にないんですが!? 転生モブの私に公爵様が迫ってくる』
ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。
現代で過労死した原田あかりは、愛読していた恋愛小説の世界に転生し、主人公の美しい姉を引き立てる“妹モブ”ティナ・ミルフォードとして生まれ変わる。今度こそ静かに暮らそうと決めた彼女だったが、絵の才能が公爵家嫡男ジークハルトの目に留まり、婚約を申し込まれてしまう。のんびり人生を望むティナと、穏やかに心を寄せるジーク――絵と愛が織りなす、やがて幸せな結婚へとつながる転生ラブストーリー。
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる