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第二十一章 悪魔は嗤う
立たれたフラグは自分でへし折ります
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塔の外に出ようとしたらエレノアさんに会った。
「もう、良いんですか?」
「……」
「そんなに警戒しないでくださいよ。何もしないので」
エレノアさんはいつものようにフレンドリーに話しかけてくる。
「すみません。留守番を任せてしまって」
「い、いえ……あの。私はこれで」
気まずくてエレノアさんから目を逸らしながら歩き出す。
すれ違うと、エレノアさんは口を開いた。
「行ってしまうのですか。私を置いて、貴女も」
「??」
「……私はずっと待ってました。貴女に会えるのをずっとずっと。だって私はソフィア様を守る為に造られたようなものです。ご両親はご立派ですし、慈悲深い。なので私はソフィア様を守らなければなりません。だから、大人しく守らせてくださいよ。どうしてダメなのです、悪魔は貴女を狙っている。守れるのは私しかいません。それなのに……意味がわかりません」
守る?
エレノアさんは私を憎んでる筈じゃないの。それなのに、どうして?
もしかして、守りたいからわざと怖がらせた?
なんて……不器用なんだろう。
「エレノアさん、知ってますか。守るって考え方や行動で意味も違うんですよ。私、守られてばかりの気弱な女の子にはなりたくないんです。立たれたフラグは自分でへし折ります。なんて、今まで助けられてますけど。それでも自分に出来ることをやるだけなんです」
私は塔の外まで歩き出す。
塔を見上げる。ペチっと、自分の両頬を軽く叩いて気持ちを切り替える。
ーーーーーーーーーーーー
【アレン視点】
さて、どうやって弁解しようか。
まさか、学園中の噂になってるとは思わなかった。弁解しても都合のいい様に解釈されてしまい、非常に困った。
ソフィア嬢のクラスに行きたいが、悪い噂になりそうだから会いに行けないのが辛いところ。
「最近の噂、どう思う?」
「どうと言われましても……。それは殿下が優柔不断なのがいけないのかと。誰彼構わず笑顔を振りまくから」
「最近、俺に対して言うようになったよね」
「多少の事があっても殿下は怒らないでしょう」
そう言うなり、テーブルを挟んだ向かい側のソファに座っているノエル殿は紅茶を飲む。
ソフィア嬢の件でノエル殿の部屋に行っている(度々呼び出すのは忍びないので)。
それは今回だけではなく、学園に入学してから度々ノエル殿の部屋で茶を飲んでいる。
何回も部屋に出入りしているのもあり、そこそこな友好関係が築いている。ノエル殿が素で話せるぐらいには。
最初の頃なんて、緊張したピリついた空気でノエル殿は貼り付けた笑顔と模範解答みたいな返しをしていた。
それに比べたら、今は随分と打ち解けたと思う。やはり、王族だからと気を張っていたのだろう。
気兼ねなく会話をするようになってくれたのには少し安心する。
「愛想がある方が楽だったんだけどな」
「それはなんと言いましょうか。周りの人の評価を言ってしまうと、殿下は品性があり、知的。それに男女共にとても優しい。なので周りの人達はこう思ったのでしょう。お優しい殿下の事だから、婚約者を危険な目に合わせたくないからこそ嘘を言っているのだと。慈愛に満ちているお人なのだからと」
「……確かに優しくはしたが」
実際、それだけじゃないだろう。噂を面白がって広める人もいるはずだ。
また、俺を嫌ってる人もな。王族だから直接不満を言う人は少ない。
その不満はいつしか苛立ちになり、本人に直接言う代わりに立場が弱くなった人物へと標的を変える。
心が弱かったり流されやすい人は嘘か真実かはどうでも良くて、他の人に合わせる人もいるはずだ。
俺はため息をつくと、ノエル殿が話を続けた。
「殿下は自身の悪い所を見せていないでしょう。いつも笑顔で対応してて。嫌な事は顔に出さないですし。僕も最初会った頃は騙されましたよ。その屈託のない笑顔には」
「……仕方ないだろ。そういう環境で育ったんだから」
俺は拗ねたように口を尖らせると、ノエル殿は紅茶をテーブルの上にあるソーサーに置く。
「まぁ、本当の殿下はたった一人の女性に気を惹かせたくて必死だったり、女心が分からずに悩んでたり……、普段は表情に感情を見せないのに心を許した相手にだけ見せる顔があったり。僕はこのぐらいしか今の所は分かりませんし、見つけられてませんがもっと探せばあるんでしょうね」
楽しそうに微笑むノエル殿を見て、目を逸らした。
面と向かって言われるとくすぐったさがある。
それに、ノエル殿が楽しそうにしているがどことなく悲しそうな瞳になるのは、寂しいのだろう。
最初のうちに聞いている。ノエル殿は姉であるソフィア嬢を慕っているのは、姉としてでもないと。恋愛感情と問われれば微妙なんだとか。
それならばあまり関わらない方が良いだろうかと考えたが、今の関係をノエル殿が望んだことだ。
感情に応えを見つけたら、どうするかは本人次第だ。俺がとやかく言うことでは無いのだが、複雑な気持ちになるのは心の片隅にでも閉まっておこう。
「もう、良いんですか?」
「……」
「そんなに警戒しないでくださいよ。何もしないので」
エレノアさんはいつものようにフレンドリーに話しかけてくる。
「すみません。留守番を任せてしまって」
「い、いえ……あの。私はこれで」
気まずくてエレノアさんから目を逸らしながら歩き出す。
すれ違うと、エレノアさんは口を開いた。
「行ってしまうのですか。私を置いて、貴女も」
「??」
「……私はずっと待ってました。貴女に会えるのをずっとずっと。だって私はソフィア様を守る為に造られたようなものです。ご両親はご立派ですし、慈悲深い。なので私はソフィア様を守らなければなりません。だから、大人しく守らせてくださいよ。どうしてダメなのです、悪魔は貴女を狙っている。守れるのは私しかいません。それなのに……意味がわかりません」
守る?
エレノアさんは私を憎んでる筈じゃないの。それなのに、どうして?
もしかして、守りたいからわざと怖がらせた?
なんて……不器用なんだろう。
「エレノアさん、知ってますか。守るって考え方や行動で意味も違うんですよ。私、守られてばかりの気弱な女の子にはなりたくないんです。立たれたフラグは自分でへし折ります。なんて、今まで助けられてますけど。それでも自分に出来ることをやるだけなんです」
私は塔の外まで歩き出す。
塔を見上げる。ペチっと、自分の両頬を軽く叩いて気持ちを切り替える。
ーーーーーーーーーーーー
【アレン視点】
さて、どうやって弁解しようか。
まさか、学園中の噂になってるとは思わなかった。弁解しても都合のいい様に解釈されてしまい、非常に困った。
ソフィア嬢のクラスに行きたいが、悪い噂になりそうだから会いに行けないのが辛いところ。
「最近の噂、どう思う?」
「どうと言われましても……。それは殿下が優柔不断なのがいけないのかと。誰彼構わず笑顔を振りまくから」
「最近、俺に対して言うようになったよね」
「多少の事があっても殿下は怒らないでしょう」
そう言うなり、テーブルを挟んだ向かい側のソファに座っているノエル殿は紅茶を飲む。
ソフィア嬢の件でノエル殿の部屋に行っている(度々呼び出すのは忍びないので)。
それは今回だけではなく、学園に入学してから度々ノエル殿の部屋で茶を飲んでいる。
何回も部屋に出入りしているのもあり、そこそこな友好関係が築いている。ノエル殿が素で話せるぐらいには。
最初の頃なんて、緊張したピリついた空気でノエル殿は貼り付けた笑顔と模範解答みたいな返しをしていた。
それに比べたら、今は随分と打ち解けたと思う。やはり、王族だからと気を張っていたのだろう。
気兼ねなく会話をするようになってくれたのには少し安心する。
「愛想がある方が楽だったんだけどな」
「それはなんと言いましょうか。周りの人の評価を言ってしまうと、殿下は品性があり、知的。それに男女共にとても優しい。なので周りの人達はこう思ったのでしょう。お優しい殿下の事だから、婚約者を危険な目に合わせたくないからこそ嘘を言っているのだと。慈愛に満ちているお人なのだからと」
「……確かに優しくはしたが」
実際、それだけじゃないだろう。噂を面白がって広める人もいるはずだ。
また、俺を嫌ってる人もな。王族だから直接不満を言う人は少ない。
その不満はいつしか苛立ちになり、本人に直接言う代わりに立場が弱くなった人物へと標的を変える。
心が弱かったり流されやすい人は嘘か真実かはどうでも良くて、他の人に合わせる人もいるはずだ。
俺はため息をつくと、ノエル殿が話を続けた。
「殿下は自身の悪い所を見せていないでしょう。いつも笑顔で対応してて。嫌な事は顔に出さないですし。僕も最初会った頃は騙されましたよ。その屈託のない笑顔には」
「……仕方ないだろ。そういう環境で育ったんだから」
俺は拗ねたように口を尖らせると、ノエル殿は紅茶をテーブルの上にあるソーサーに置く。
「まぁ、本当の殿下はたった一人の女性に気を惹かせたくて必死だったり、女心が分からずに悩んでたり……、普段は表情に感情を見せないのに心を許した相手にだけ見せる顔があったり。僕はこのぐらいしか今の所は分かりませんし、見つけられてませんがもっと探せばあるんでしょうね」
楽しそうに微笑むノエル殿を見て、目を逸らした。
面と向かって言われるとくすぐったさがある。
それに、ノエル殿が楽しそうにしているがどことなく悲しそうな瞳になるのは、寂しいのだろう。
最初のうちに聞いている。ノエル殿は姉であるソフィア嬢を慕っているのは、姉としてでもないと。恋愛感情と問われれば微妙なんだとか。
それならばあまり関わらない方が良いだろうかと考えたが、今の関係をノエル殿が望んだことだ。
感情に応えを見つけたら、どうするかは本人次第だ。俺がとやかく言うことでは無いのだが、複雑な気持ちになるのは心の片隅にでも閉まっておこう。
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