乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)

藤原 柚月

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第二十一章 悪魔は嗤う

許さない【ジャネット視点】

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 私はアレン・ミットライト王太子殿下の婚約者(自称)

 公にしないのは、私をよく思わない人物がいるから。殿下はお優しいから私に危害を与えないように十分な配慮をしてくれているの。

 だから、話した事なんてついさっきの中庭で転んだ時に手を差し伸べてくださったあの時だけ。

 でも私は分かるの。初対面でも私と殿下は心を通わせてるんだって。相思相愛なんだって。

 お父様もいつも言っていたもの。『お前は殿下と結婚するんだ』と、それを聞いて私も嬉しいと思った。

 誰もが羨む王太子妃に私がなるのよ。喜ばない方がおかしいわ。

 学園に入学したら、やっとお姿が間近で見られるんだって思った。

 けど……、入学式の時に公爵令嬢を横抱きしてるのを見てしまって、無性に腹が立った。

 止めて!  近付かないで!!   殿下は私と恋仲なの。

 そう心の中で騒いだ。公爵令嬢に向けている優しい笑顔は本来なら私に向かないとおかしいの。

 あの女は誰??

 許せない。人の婚約者に手を出そうとするなんて信じられない。

 それからというものの、私は殿下を遠くから見守りながらもある不穏な噂も流した。

 思っていたよりも噂が拡がらなかったけど。

 公爵令嬢はソフィア・デメトリアスというらしく、何でも養子なんだとか。

 ということはよ。貴族の血ではなく、平民の……もしくは貧民の血を受け継いでいるに違いないわ。

 そういえば、何年か前に複数の魔術士の子供が保護されて、貴族の養子になったとか噂を聞いた事がある。

 きっと、その中の一人なのだろう。

 ああ、なんて気持ちが悪いし、汚らしい。

 そんな女が殿下と話し、触れたと思うだけで吐き気がする。

 何よりも……許せない。

 その怒りを侍女にぶつけるだけじゃ気分が晴れない。

 どうしようかと、考えていると脳内に男性の声が聞こえた。
 その声は、アレン王太子殿下だ。

 殿下は「陥れたいのなら、とある呪文を言い、今から指定する場所で魔法陣が描け。さすれば、お前の願いが叶うだろう」と。なんて凛々しい命令口調なのでしょう。

 普段の穏やかな優しい口調ではない。けども、私は特別なのだと実感してしまい、心が踊る。

 私にしか知らない殿下の口調が聞けたのよ。嬉しいに決まってる。

 私は迷いなく、指示に従った。すると、黒いモヤが私の中に入ってきたのだ。

 それからだ、『こうしないといけない』と思うようになったのは。
 それと、魔力が前よりも上がっていた。

 噂は自分が思ったことを信じて行動した。

 そしたら、今度は拡がってくれた。

 それに不気味な塔にある石版の事も知らない筈なのに頭の中に急に浮かんでいた。

 なので、信じるままに石版に細工をした。呪いという名の細工を。

 実際に塔に行ったわけではなく、間近にあったガラスに魔法をかけ、ガラス越しに呪いをかけたんだ。

 そのやり方も急に頭に浮かんだのを実行した。

 目的は塔の地下にある石版に細工するので、地下にガラスがあるか不安だったけど、天井にステンドグラスがあったので難なく出来た。

 多分、地下は湿ってるから天井にステンドグラスをすることで外からの光を地下まで届けようとしてるのかもしれない。

 そのおかげで私の計画は無事に達成出来たんだけど。

 確実にあの令嬢に呪いはかかってるはず。

 即効性が無いのが残念な所だけど。

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