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第八章 世界樹の精霊
ちゃんと眠れたと思う
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ど、どうしよう……。
ベッドで具合悪いシーアさんがしゃがみこんでいる。
オリヴァーさんは私の両肩を掴んだままシーアさんを見ながら固まってる。
そんな状況で、部屋の外にはマテオ様がいる。
「……あの、オリヴァーさん。『聖なる乙女』を見ていてもらえますか?」
「そうですね。いや、マテオ様の用事なら俺が聞いてきます。ソフィア様にまた失礼な態度をとるかもしれませんからね」
「いえ、大丈夫ですよ」
私の声に我に返ったオリヴァーさんは掴んでいた手を離した。
私はマテオ様に返事をした後、部屋を出たら
ゴンッという鈍い音が聞こえた。
見ると、マテオ様の額に扉が当たってしまったんだ。
屋敷全ての扉は、押すタイプ。
中からでも外からでも押せば開く。
だからノックをしたら一歩後ろに下がって相手の出方を伺うのだが、慣れていないマテオ様(屋敷に来た時に説明されている)はそのことを忘れているようだ。
屋敷によって、扉の造りは違うから慣れるまで時間がかかるんだろうな。
マテオ様が暮らしてた屋敷の扉は引くタイプだったらしいから尚更か。
「だ、大丈夫ですか!?」
私は廊下に出ると扉を閉め、心配そうにマテオ様を見る。
マテオ様は額を押さえ、「平気」だと言うんだけど……。
若干、涙目なのでよっぽど痛かったんだろう。
本人が平気だと言うんだから、心配だけど、気にしないようにした。
「何か御用ですか?」
「昨日、ちゃんと眠れたかなって心配で」
「あっ、ええ。眠れました。マテオ様が持ってきてくれた置物のおかげですね」
うん。ちゃんと眠れたと思う。夢を見てたけど、悪夢ではないし、夜中に何回も起きるってことはなかった。
マテオ様は息を吐いた。
私の頬を優しく撫でる。それは壊れ物を扱うように丁寧に。
「えっ?」
私は驚いて目を丸くした。
今まで見たこともないような笑顔を私に向けた。
「良かった」と、安堵しながら。
マテオ様は攻略対象者の一人だ。心を開いた時に見せる笑顔はゲームで見てきたはず。
それなのに今の笑顔は、頬を赤く染め、はにかむように笑う。
それはカッコイイやカワイイではなく、『キレイ』な笑顔で思わず見惚れてしまうほどだった。
ゲームだと『カッコイイ』笑顔だったから。
「ソフィア様?」
私は驚きすぎて固まっていると不思議に思ったマテオ様は顔を覗き込んできた。
「な、なんでもないです。それでは、立て込んでますので」
マテオ様に背を向けると「立て込んでるとは知らなくて、ごめんなさい」と、謝ってきた。
なので、私は振り返った。
「気にしないでください。伝えなかった私が悪いのですから」
そう言い、寝室に入った。
寝室では、オリヴァーさんがおどおどしていた。
よくよく考えればオリヴァーさんはシーアさんの姿を光って見えるだけで姿形は見えてないんだった。
私はオリヴァーさんに声をかけ、シーアさんを寝かした。
体調が完全に良くなるまで少し時間かかりそうだな。
「あの、オリヴァーさん。契約のことについて詳しく教えてください」
シーアさんが目を覚ますまでの間に少しでも疑問に思ったことをオリヴァーさんに聞いてみよう。
そう思った。
ベッドで具合悪いシーアさんがしゃがみこんでいる。
オリヴァーさんは私の両肩を掴んだままシーアさんを見ながら固まってる。
そんな状況で、部屋の外にはマテオ様がいる。
「……あの、オリヴァーさん。『聖なる乙女』を見ていてもらえますか?」
「そうですね。いや、マテオ様の用事なら俺が聞いてきます。ソフィア様にまた失礼な態度をとるかもしれませんからね」
「いえ、大丈夫ですよ」
私の声に我に返ったオリヴァーさんは掴んでいた手を離した。
私はマテオ様に返事をした後、部屋を出たら
ゴンッという鈍い音が聞こえた。
見ると、マテオ様の額に扉が当たってしまったんだ。
屋敷全ての扉は、押すタイプ。
中からでも外からでも押せば開く。
だからノックをしたら一歩後ろに下がって相手の出方を伺うのだが、慣れていないマテオ様(屋敷に来た時に説明されている)はそのことを忘れているようだ。
屋敷によって、扉の造りは違うから慣れるまで時間がかかるんだろうな。
マテオ様が暮らしてた屋敷の扉は引くタイプだったらしいから尚更か。
「だ、大丈夫ですか!?」
私は廊下に出ると扉を閉め、心配そうにマテオ様を見る。
マテオ様は額を押さえ、「平気」だと言うんだけど……。
若干、涙目なのでよっぽど痛かったんだろう。
本人が平気だと言うんだから、心配だけど、気にしないようにした。
「何か御用ですか?」
「昨日、ちゃんと眠れたかなって心配で」
「あっ、ええ。眠れました。マテオ様が持ってきてくれた置物のおかげですね」
うん。ちゃんと眠れたと思う。夢を見てたけど、悪夢ではないし、夜中に何回も起きるってことはなかった。
マテオ様は息を吐いた。
私の頬を優しく撫でる。それは壊れ物を扱うように丁寧に。
「えっ?」
私は驚いて目を丸くした。
今まで見たこともないような笑顔を私に向けた。
「良かった」と、安堵しながら。
マテオ様は攻略対象者の一人だ。心を開いた時に見せる笑顔はゲームで見てきたはず。
それなのに今の笑顔は、頬を赤く染め、はにかむように笑う。
それはカッコイイやカワイイではなく、『キレイ』な笑顔で思わず見惚れてしまうほどだった。
ゲームだと『カッコイイ』笑顔だったから。
「ソフィア様?」
私は驚きすぎて固まっていると不思議に思ったマテオ様は顔を覗き込んできた。
「な、なんでもないです。それでは、立て込んでますので」
マテオ様に背を向けると「立て込んでるとは知らなくて、ごめんなさい」と、謝ってきた。
なので、私は振り返った。
「気にしないでください。伝えなかった私が悪いのですから」
そう言い、寝室に入った。
寝室では、オリヴァーさんがおどおどしていた。
よくよく考えればオリヴァーさんはシーアさんの姿を光って見えるだけで姿形は見えてないんだった。
私はオリヴァーさんに声をかけ、シーアさんを寝かした。
体調が完全に良くなるまで少し時間かかりそうだな。
「あの、オリヴァーさん。契約のことについて詳しく教えてください」
シーアさんが目を覚ますまでの間に少しでも疑問に思ったことをオリヴァーさんに聞いてみよう。
そう思った。
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