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第十章⠀深紅の魔術士
私の義弟はキュン死しそうなほど美形に育ちました
しおりを挟む「では、行って参ります。お義父さま、お義母さま」
私は十六歳になった。
今日は学園の入学式。その夜が特別式でパーティを行うそうだ。
「行ってらっしゃい」
「気をつけて」
義父母と侍女が見送る中、私は魔法陣の上に乗った。
デメトリアス家から学園まではどんなに急いでも十日かかる距離だ。
私は、学園の入学が皇帝の許可を取らなければいけないらしく、二年前に許可申請出したのだが、返事が来たのがギリギリになってしまった。
そのため、空間魔法を使うこととなった。
もしもの為にとノア先生が魔力を込めた魔法陣が小部屋一面に描かれている。
ノア先生の『もしもの為』が、こんな形で役に経つとは思わなかったけど。
学園では、侍女を連れていけるので、アイリスを推薦した。
アイリスが魔法陣に入るのを確かめると両手を胸の前で祈るように握る。
ゆっくりと深呼吸して手に集中する。
ノア先生とシーアさんが屋敷を出て、しばらくしたある日。
私はある属性を生み出すことに成功した。
それはたまたまなんだけどね。
それが桜空属性(あおぞらぞくせい)というもの。
空間魔法には、その属性を使う。
魔導具を使うのだが、その属性は道具を使わずに魔法を発動出来る。
アイリスを見ると、ゆっくりと頷いた。私もそれに答えると二人同時に目を閉じる。
目を開けると、見慣れない場所。いや、ゲームでは何回も見ている。
……着いた。ここからが始まりね。
どうやら正門前のようだ。
急に現れた私とアイリスの登場にその場にいる人達は物珍しそうな顔で見ていたり、声を潜めて話し出してる人達もいる。
当然か。普通なら、急に現れれば警戒するに決まってる。
「あっ、姉上!!!」
「え……、ノエル!?」
ノエルは私に気付くと駆け寄ってきた。
顔立ちに愛らしさは残るものの、とても美しい男子に成長していた。
……何年ぶりだろうか。こうして直接会って話すのは。
「お久しぶりですね。姉上」
ニコッと微笑むノエルはまるで天使の微笑みのようで、胸がキュンってなってしまう。
ノエルの笑顔の破壊力は半端ない……。油断するとキュン死にだって、なりかねない。
恐ろしい子。
「久しぶりね。元気そうで良かったわ」
ノエルとは、誕生日の差で私が姉になったようなもの。
学年でいうと、同級生になる。
なので、入学式にいるのは不思議ではない。
「そうだわ。イアン様は?」
「……ああ、さっきまでいたのですが、はぐれてしまいまして」
え、迷子……?
って、そんなことを呑気に思ってる場合じゃなかったわ。
ノエルが居るってことは、主人公ヒロインに会っているかもしれないってことよ!
ノエルと主人公ヒロインの出会いは、正門に入ってすぐ。
主人公ヒロインが噴水に魅入ってしまい、人とぶつかって転びそうなところをノエルが支える。
その出会いがキッカケでよく話すようになったというのが、ゲームのシナリオだ。
もう出会ったのかしら?
「ノエル。クロエ・ルイーズという男爵令嬢を知ってる?」
「いいえ、その方がどうかしたんですか?」
「知らないなら、いいのよ」
「驚きですね。同姓同名な方が入学してくるんですね。しかも爵位まで同じとは」
ん?
なんか、今意味深なことを言われた気が。
「同姓同名?」
「はい。クロエ・ルイーズ男爵子息様です。その方ならば先程お会いしましたよ。丁度噴水の前で」
男爵……子息!?
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