乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)

藤原 柚月

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第十章⠀深紅の魔術士

悪役令嬢になったのは理由がありそう

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 おかしい。確か、クロエ・ルイーズは女性だ。

 しかもこの世界のヒロインなはずだし。

 同姓同名の人は聞いたことは無い。

 ……それは本当に?

 私が知らなかっただけで実在していたんだとすれば。

 ゲームではヒロイン目線で物語が進んでいく。

 ヒロインが興味が無かったとしたら?

「それにしても、彼は珍しい瞳の色をしてました」
「瞳?」
「はい。真っ赤な色をしていました。深紅のような」

 ノエルは噴水を見ながら言う。
 私はその言葉を聞いて息を呑んだ。

 深紅……、それって。

 口を開きかけると、いきなりノエルに腕を引っ張られた。

「急ぎましょう、姉上」
「えっ、あ」

 もうそろそろで時間になるのを察してノエルは私の腕を引く。

 前までは転んでたところだが、しっかりとバランスを整えることが出来る。


 これも特訓のおかげだろう。と、感動していた。

 イアン様(師匠)のおかげだ。

 イアン様が居なくなってもずっと一人で稽古したり、オリヴァーさんにも付き合ってもらったりしていた。

 後ろを振り向くと、アイリスが深々とお辞儀をしていた。

 そっか。一緒には行けないんだっけ。

 侍女と行動出来るのは、朝とお昼と夜。

 常に一緒だと、侍女に甘えてしまい不正の原因にもなるらしい。

 上の命令には逆らえないからね。どんなにいけない事でもやってしまう。

 ゲームの私もそうだったのかも。

 逆らえないことを良いことに、やりたい放題。

 ゲームの私……か。

 殿下と友人になったあの日、一瞬だけ見えた人物。

 あれは間違いなくゲームの私。悪役令嬢(ソフィア・デメトリアス)だった。

 初めの頃に疑問に思うべきだったんだ。

 ソフィアの記憶と前世の記憶。二つの記憶を持ってはいたが、ソフィアの記憶があやふやでふわふわしていたんだ。

 まぁ、ソフィアの記憶は忘れているところがあるからそう思うのかもしれない。

 そして、主人格は前世の私だということ。

 だったらソフィアの人格は?

 いや、そもそも傲慢な性格になる前に前世を思い出したんだけど……。

 小さい頃はとても良い子だった。それが貴族として生きていくことになってから変わってしまった。

環境が変わったからといって、すぐに横暴な態度は取らないだろう。元々の性格もあるんだから。

 それには何か理由があるのかも。と、私は考えている。

 あの恨めしそうな目が気になる。

 こういう仮説を立ててみた。

 ソフィアは殿下に恋をしていた。その恋は、いつしか執着に変わり、行き過ぎた結果。

 殿下に殺されてしまう。だけど、歪んでしまった恋心が悪魔を呼び寄せ、殿下に悪夢を見させる。いつでもソフィアを忘れないようにと。

 何度生まれ変わっても同じ運命と同じ出会いを繰り返すように。

 ーーそれはまるで呪いのように。

 ソフィアの魂は、今もまだ殺された感情のまま殿下に恋をして、憎み続けてる。

 私はそう思った。だったら、ソフィアの魂は……一体どこに?

 もしかしたら、殿下の中に??

 だとしたら、今の主人格は殿下だけど、何かをきっかけに主人格が変わったら?

 いや、ただの仮説。

 その仮説が間違いであることを願おう。

 どうか、間違っていて……。

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