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第十三章 流星群が降り注ぐ夜に
またまたやらかしてしまった……
しおりを挟む私は殿下と二人っきりで話せる手段は無いのかと考えた。
だけど、異性を呼び出すなんて初めてのことだ。前世での記憶を頼りに実行した。
手紙を机の中に入れた。入れたまでが良かったのだけど、入れる場所を間違えてしまった。
しかも最悪なことに宛名を書き忘れ、署名を間違えてしまっていた。
署名をSophia(ソフィア)じゃなくてSophie(ソフィー)にしてしまったんだ。
ソフィーという学生は居ないが、先生には居るので手紙を読んでしまった生徒が絶句した。
なにせその先生は老人だったからだ。しかも男性。読んだ生徒も男性なので、そっちの気が無い人には堪える展開だ。
そもそもそっちの気があったとしても年の差がかなりあるので難しいとは思うけど……。
やらかしてしまったけど、すぐに誤解は解けた。
次は、偶然を装って話しかけようとした……だけど、いざ話しかけるとなると何から話せばいいのか分からなくなりそうだと思った。
そこで前世の記憶を遡り、少女漫画では定番のをやろうとした。
遅刻しそうになったヒロインが朝食を食べる時間が無くて走りながらパンを咥えてるやつよ。
だけど、そんなはしたないことは出来ないので紅茶をティーカップに注いで手に持ち、殿下が来るタイミングで歩いた。
……つもりだったんだ。
歩こうとしたら足を捻りバランスを崩して尻もちをついてしまう。
運が悪いことに紅茶を頭から被ってしまい、ティーカップは割れてしまった。幸いなことに怪我をしなかったのが救いかもしれない。
「……え」
「……あ」
転んだのと丁度に殿下が私の近くを通りかかって、何が起こってるのか分からないこの状況を見た殿下は慌てだした。
「ソ、ソフィア嬢!!? 誰かにやられた!? というか怪我は?? 湯気が立ってるけど熱い!!? 火傷は?」
「えっと……人肌程度の熱さなので大丈夫です!! 舐めれば治りますので」
盛大に失敗してしまったので恥ずかしさのあまり早くこの場から逃げ出そうとしたが、アレン殿下はそれを許さない。
「舐めればって……、面白い冗談だね」
少し取り乱した殿下は、すぐに落ち着きを取り戻したのか呆れたような顔になった。
「まずは医務室に行かないと。その後、何があったのか詳しく話してもらうからね」
殿下は自身が着ている白いケープを私の頭に被せる。
「ダメです。汚れてしまいます!!」
「心配はないよ。このケープは特殊でね、汚れてもシミにはならないようになっているから」
「ですが……」
そういうことではなく、周りの視線がかなり痛い……。
令嬢達がものすごく私を睨んでるのがわかる。
こうなるからなんとか自然に行こうと思ってたのに、こんなところでドジを踏むだなんて。
時間を戻してやり直したい。
自分の失敗に落ち込んでいると殿下は頭に被せたフードを私の顔を隠すように被せ直した。
ふんわりと良い匂いがするので、余計に恥ずかしさが増し、テンパってしまう。
だが、テンパる前に目の前が真っ暗になったと思ったら急に浮遊感を覚えた。
殿下は私を横抱きにして歩き出したんだ。早歩きになっているような気がする。
「え……? ええ!?」
急に横抱きされたものだからパニックになってじたばたと暴れるが、殿下は私を落とさないようにと抱えてる手に力を込める。
殿下には何回も横抱きされてはいるが、視界を奪われてしまうと恐怖でしかない。
相手の表情と周りが見れないから余計に怖い。
それと同じぐらいにドキッとする。
「暴れると危ないよ」
クスリと可笑しそうに笑ったような口調は、どこか楽しそうだ。
~~っ。
また懲りずにやらかすなんて……。
恥ずかしすぎて穴があったら入ってしまいたい。
はぁ……っと、深いため息をついた。
まぁでも、顔が見られなくて良かったかも。
ーーきっと、私は今耳まで真っ赤だ。
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