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第十三章 流星群が降り注ぐ夜に

そんなの酷ではないか……【アレン視点】

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 毎日のように悪夢に悩まされてきた。(とある薬のおかげで悪夢は一時的に見なくはなってきたが)

 それがやっとその原因がわかったというのに……。どうも納得出来ない。いや、薄々気付いてはいたが、認めたくはなかったのかもしれない。

 その原因がソフィア嬢の可能性が高いだなんて。夢の中での我儘ぶりが反映されていたなら真っ先に疑っていたが……。

「そんなの……酷ではないか」

 さらに最悪なことにソフィア嬢は両親の最期を思い出してしまったことだ。

 あれは事故。そう言うのは簡単だ。だけど、手に掛けた事実は変わらない。

 一番辛いのは自分を責めれば責めるほど、闇属性が暴走する危険性があるということだ。

 ソフィア嬢はそれがわかってるから必死に責めないように前向きにと、努力してるのだろう。

 なにより、闇属性の封印は解かれたのに暴走をしてないのが証拠。

 追い討ちをかけるように俺の悪夢の原因ともなれば……。思い詰めたはずだ。

 本当に酷すぎる。

 それは同情にすぎないかもしれない。

 ただ一つ言えることは、必死に前を向こうとしている相手に「可哀想」だなんて言葉は毒にしかならないということだ。

 同情の言葉でどんなに優しく接しても時と場合によっては酷く傷付く。

 俺はその事をよく知っている。

 ……出来ることなら、ソフィア嬢には記憶を思い出してほしくはなかった。

 それは国の為ではなく。個人としての意見だ。

 ソフィア嬢には何も知らずに、幸せに生きてほしかった。

 だからこそ、反対をした。

 危険だと思ったからだ。ソフィア嬢の身に何かがあったらと考えたら咄嗟に言葉が出てしまった。

 空回ることが多いが、何事にも必死になって頑張る姿は以前の俺を見ているようだった。

 小さい頃の俺は……、自分の人生に嫌気がさしていたんだ。
 それでも、色んな面で強くならないと命取りになることを幼少期に叩き込まれた。

 嫌気はさしても死にたくはなかったし、かといって王族から逃げたとしてもそのうち捕まるから、努力をし続けるしか選択肢は無かった。

 いつの間にか俺は、小さい頃の自分をソフィア嬢に重ねていたのに気付いてしまった。

 だけど今となっては、ソフィア嬢を危険なめには合わせたくないという気持ちが大きい。

 それは自分とソフィア嬢を重ねているからではなく、もっと深い……感情。

 ……俺は、ソフィア嬢キミを殺したくない。

 例え、夢の中だろうと。それが現実になることを俺は恐れている。

 まさか俺にこんな弱みが生まれるとは思ってもいなかったな。

 だからといって、距離を置きたくはない。

 俺は……自分が思ってるほど強欲なのかもな。

 だってこんなにも、

 ーーソフィア嬢を『好き』になってしまったのだから……。


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