159 / 240
第十五章 それぞれの思考が交差する新たなルート
キースの性格
しおりを挟む
殿下がお帰りになられるので、私とお義父さま、お義母さま、ノア先生とノエル、それに使用人達が外に出てお見送りする。
馬車に乗ろうとした殿下はピタリと動きを止め、私の方に振り向いて声を張った。
「それじゃあ、護衛はキースに勤めてもらうことになったから。ソフィア嬢の意見も聞かずに勝手に決めてしまったけど、どうしてもキースじゃないと難しくてね。オリヴァーは王国でやらなくちゃいけないものも残ってるから」
柔らかな笑みで言われ、私は頷くかわりにカーテシーで返事をした。
殿下が馬車の中に入るのを見届けたオリヴァーさんは急いで私の元に来て耳元で囁いた。
「……キースにはお気を付けて」
「え?」
「前にも見たでしょう? 可愛いものを見ると抱き着く癖があります。それに、それだけじゃなくて……抱き着くならまだ可愛い方なんですよ。本当なら俺が護衛につきたかったのですが……前の失態もあるので今回はキースに」
「抱き着く他になにかあるんですか?」
「キースは生き物で可愛いと思ったものを虐めるのが大好きなんです。虐めっていう可愛いレベルというよりも拷問に近いような。とりあえずキースの性癖には気を付けて」
「わ、分かり……ました??」
「その顔はわかってないんですね。仕方ないですが」
オリヴァーは私の顔を見るなり呆れたため息をつき、再度「気を付けて」と念を押し、馬車に乗る。
つまりキースさんの性格はヤンデレに近いということかな。
ちらりと横目でキースさんを見ると、ずっと笑顔を絶やさずに見送っていた。
これ、もしかしなくても……フラグ立ってる??
その心配が杞憂だと良いんだけど。
ーーーーーーーーーーーーーー
【オリヴァー視点】
「殿下、どうしてキースなんか護衛に? 色んな意味で危険なのは殿下がよくご存知でしょう」
馬車が走り出して数分、俺は向かいに座っている殿下に聞いた。
「ノア殿とノエル殿も居る。それに……護衛相手に危害は加えないさ。キースの腕はオリヴァーよりも上だ。それにキミは一回失態を犯している。護衛は任せることは出来ないよ」
「ですが……」
「キースはほんわかしているけど、仕事はちゃんとするさ」
そのほんわかさが危険なんだ。等と口が裂けても言えないのは上下関係があるからなんだけど。
あんまり意見は言えない。俺はグッと言いたいことを我慢した。
キースの危険度は一番近くにいた俺がよくわかっている。
ほんわかしてるのは獲物を無警戒にさせるため。気を許した獲物を一気に狩るのがキースだ。
拷問が大好きで可愛いものが傷を負う瞬間を楽しんでる。常識の範囲を超えてかなりイカれている。
だからこそ、ソフィア様に危害を加えられるかもしれないのに、殿下は至って冷静だ。余程信頼してるようだけど……。
念入りにノアさんに頼んでたみたいだからキース+ノアさんが護衛に自然となりそうだな。
最初の時も殿下のことだからソフィア嬢に選ばさせると思い、キースの印象を悪くしてドン引きさせたのに。
キースの可愛いもの好きを利用させてもらった。おかげでドン引きには成功したから良かったものの、キースの顔に恐怖してたから場を緩ませようと必死にもなっていたけども。
俺でさえも油断すれば傷を負わされるというのに。ソフィア様だと確実に殺られると思ったが、あの時も殿下は「流石に護衛相手には手を出さない。俺にもたまに可愛いって言われるけど傷を負わされたことは無いよ」って言われた。
確かに、それも一理あるかもしれない。でも、男性と女性の可愛さは違う。だからこそ、我慢出来るのかどうか心配だ。
俺を選ばさせたがあそこであんな失態をしなければ……。
なんて、後悔しても遅いが。
「心配しなくても大丈夫だよ。キースがソフィア嬢に手を出したら……ソフィア嬢にキースの秘密をバラすからって言っといたから」
俺が心配していたら殿下はニコッと笑った。
秘密って……あれか。キースだけじゃなく俺・た・ち・竜騎士の秘密か。
あれはごく一部の人しか知らない。かなり知られたくない内容だ。あの秘密はキースにとってトラウマがある。いや、竜騎士のほとんどの人がトラウマを抱えてると言ってもいいかもしれない。それをバラすって言われたら何がなんでも性癖を我慢するだろう。
それは少し安心する。
俺は窓の外を眺め、ふぅっと息を吐いた。
馬車に乗ろうとした殿下はピタリと動きを止め、私の方に振り向いて声を張った。
「それじゃあ、護衛はキースに勤めてもらうことになったから。ソフィア嬢の意見も聞かずに勝手に決めてしまったけど、どうしてもキースじゃないと難しくてね。オリヴァーは王国でやらなくちゃいけないものも残ってるから」
柔らかな笑みで言われ、私は頷くかわりにカーテシーで返事をした。
殿下が馬車の中に入るのを見届けたオリヴァーさんは急いで私の元に来て耳元で囁いた。
「……キースにはお気を付けて」
「え?」
「前にも見たでしょう? 可愛いものを見ると抱き着く癖があります。それに、それだけじゃなくて……抱き着くならまだ可愛い方なんですよ。本当なら俺が護衛につきたかったのですが……前の失態もあるので今回はキースに」
「抱き着く他になにかあるんですか?」
「キースは生き物で可愛いと思ったものを虐めるのが大好きなんです。虐めっていう可愛いレベルというよりも拷問に近いような。とりあえずキースの性癖には気を付けて」
「わ、分かり……ました??」
「その顔はわかってないんですね。仕方ないですが」
オリヴァーは私の顔を見るなり呆れたため息をつき、再度「気を付けて」と念を押し、馬車に乗る。
つまりキースさんの性格はヤンデレに近いということかな。
ちらりと横目でキースさんを見ると、ずっと笑顔を絶やさずに見送っていた。
これ、もしかしなくても……フラグ立ってる??
その心配が杞憂だと良いんだけど。
ーーーーーーーーーーーーーー
【オリヴァー視点】
「殿下、どうしてキースなんか護衛に? 色んな意味で危険なのは殿下がよくご存知でしょう」
馬車が走り出して数分、俺は向かいに座っている殿下に聞いた。
「ノア殿とノエル殿も居る。それに……護衛相手に危害は加えないさ。キースの腕はオリヴァーよりも上だ。それにキミは一回失態を犯している。護衛は任せることは出来ないよ」
「ですが……」
「キースはほんわかしているけど、仕事はちゃんとするさ」
そのほんわかさが危険なんだ。等と口が裂けても言えないのは上下関係があるからなんだけど。
あんまり意見は言えない。俺はグッと言いたいことを我慢した。
キースの危険度は一番近くにいた俺がよくわかっている。
ほんわかしてるのは獲物を無警戒にさせるため。気を許した獲物を一気に狩るのがキースだ。
拷問が大好きで可愛いものが傷を負う瞬間を楽しんでる。常識の範囲を超えてかなりイカれている。
だからこそ、ソフィア様に危害を加えられるかもしれないのに、殿下は至って冷静だ。余程信頼してるようだけど……。
念入りにノアさんに頼んでたみたいだからキース+ノアさんが護衛に自然となりそうだな。
最初の時も殿下のことだからソフィア嬢に選ばさせると思い、キースの印象を悪くしてドン引きさせたのに。
キースの可愛いもの好きを利用させてもらった。おかげでドン引きには成功したから良かったものの、キースの顔に恐怖してたから場を緩ませようと必死にもなっていたけども。
俺でさえも油断すれば傷を負わされるというのに。ソフィア様だと確実に殺られると思ったが、あの時も殿下は「流石に護衛相手には手を出さない。俺にもたまに可愛いって言われるけど傷を負わされたことは無いよ」って言われた。
確かに、それも一理あるかもしれない。でも、男性と女性の可愛さは違う。だからこそ、我慢出来るのかどうか心配だ。
俺を選ばさせたがあそこであんな失態をしなければ……。
なんて、後悔しても遅いが。
「心配しなくても大丈夫だよ。キースがソフィア嬢に手を出したら……ソフィア嬢にキースの秘密をバラすからって言っといたから」
俺が心配していたら殿下はニコッと笑った。
秘密って……あれか。キースだけじゃなく俺・た・ち・竜騎士の秘密か。
あれはごく一部の人しか知らない。かなり知られたくない内容だ。あの秘密はキースにとってトラウマがある。いや、竜騎士のほとんどの人がトラウマを抱えてると言ってもいいかもしれない。それをバラすって言われたら何がなんでも性癖を我慢するだろう。
それは少し安心する。
俺は窓の外を眺め、ふぅっと息を吐いた。
1
あなたにおすすめの小説
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。
その数日後王家から正式な手紙がくる。
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ!
※ざまぁ要素はあると思います。
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ
いつき
恋愛
身近に最上の推しがいたら、例え結ばれなくても人参をぶら下げた馬にでもなると言うものですよね?
両親を喪い平民から貴族になると同時に、前世で見た乙女ゲーム系アニメの最推しが義兄になったレンファラン
貴族の子女として家の為に婚姻?
前世の記憶で領の発展に貢献?
推しの役に立ちたいし、アニメ通りの婚約破棄だけは避けたいところだけれど…
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる