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第十六章 信頼
オリヴァーさんも苦労しているんだなと、この瞬間理解した。
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こまめに手入れされている庭に咲き誇る白薔薇はいつ見ても美しく、心が癒される。
「イリア様は……この屋敷に泊まる目的は、アイリスを知るため……でしょうか?」
白薔薇を見ながら歩いてるイリア様に疑問を投げかけてしまった。でも、どうしても言わないと後悔すると思ってしまった。後々自分の中でモヤりそうな予感がしたから。
イリア様はチラッと私……ではなく、私とイリア様の後ろに着いて来るキースさんを見た後、小声で話した。
「それもありますわ。けれど、ソフィア様との親睦を深めたいと思っております。私は……ソフィア様をお慕いしておりますので」
キースさんを気にしながら小声で話すのに違和感を感じ、私もキースさんを見ようとしたけど、イリア様に止められた。
「振り向いてはいけませんわ。あっ、綺麗な噴水ですわね」
イリア様の不審な行動に首を傾げながらも私はゆっくりと頷く。
……この噴水を見ると、あの時のことを思い出して恥ずかしくなるのであまり来たくなかった場所だった。
私が噴水に落ちて、アレン様が私を横抱きにしたあの時……。今となっては黒歴史の一つで思い出したくない恥ずかしい過去。
「どうしました? 百面相してましたけど」
あの時を思い出しているとイリア様は可笑しそうにクスッと笑った。それが余計に恥ずかしくなったけど、イリア様は私の黒歴史を知らないのでなんとか誤魔化す。
「あれ、姉上……と、イリア様」
「ひゃあ!!?」
背後から急に声をかけられ、奇妙な悲鳴した後、心臓がバクバクしながらも勢いよく振り向く。
そこには、私の悲鳴に驚いたノエルがいた。だけど、視点が定まらない。
それもそのはず、振り向く際に足を滑らせていたのだから。
そのまま噴水の中に落ちてしまった。
バシャーンっという水飛沫があがる。全身がずぶ濡れになっているのが感覚でわかる。
ドレスは水分を吸収して重さが増し、肌につく。前髪も額に張り付き、後ろ髪も首筋に張り付いている。
前髪から水が垂れ、目の下に落ちると泣いているように見えるだろう。
前を見ると両手で口元を抑えているイリア様と驚いて目を見開いているノエル様。
その後ろには眼鏡をかけ直しているキースさんが見える。
キースさんの反応が気になるが、今はそれどころではない。
「あ、姉上!? 大丈夫ですか??」
「う、うん。大丈夫よ。ごめんね、驚いちゃって」
ノエルは我に返ったように慌てて手を伸ばしてきた。私は迷わずにその手に触れ、握る。
ノエルも握り返し、私を引っ張る。
「だ、大丈夫ですの!? ソフィア様」
「はい、大丈夫です」
……いや、内心大丈夫じゃない。またやってしまったという恥ずかしさが。
驚いてしまったとはいえ、なんで噴水に落ちちゃうんだろう。また黒歴史が増えた。
穴があったら入りたい……。そう思うのはこれで何度目だろう。数え切れないほど、思ってる気がする。
「風邪を引いてしまいますね。一旦屋敷の中に入りませんか?」
キースさんが提案するが、ノエルとイリア様は私を庇うように前に出た。
「お気遣いありがとうございます。……ですが、その手の中に握り締めているものはなんなのでしょう? 場合によっては殿下の護衛騎士様だろうが見逃すことはないかと」
「……あなたの噂は聞いております。僕は姉上を傷付けようとする人を許すことはありませんよ」
キースさんは両手を後ろにしているというのに、二人にはキースさんが何を考えているのかわかってるようだった。
「勘が鋭いようで……、そんなに気になるのですかぁ? いくら可愛いものが好きだからって危害を加えたりしませんよぉ?? 魔導具で乾かしてあげようと思っただけですよぉ」
キースさんはプクッと頬を膨らまして両手に持っていた魔導具を見せてきた。
イリア様とノエルはその魔導具を見るなり、安堵の息をもらした。
そんなにキースさんは危険なのかな。とは思いつつも二人の反応を見る限りかなり危ない人なのかもしれない。
そうは見えないんだけどなぁ。
そう思ってるとキースさんが爆弾発言をしてきた。
「ただちょっと……、もう少しだけ可愛らしい悲鳴を聞きたいと思ってただけですので」
「それ、危害を加えようとしてましたよね!?」
ノエルがキースさんに噛み付く言葉を投げかけるがキースさんは頬を染め、下を向いた。
そして、
「可愛らしい人に危害は加えません。ただ、ほんのちょっと苦痛を感じた表情が見たいと思ってるだけです」
そのキースさんの発言にその場にいる全員がポカンと口を開けて立っていた。
……なるほど、オリヴァーさんも苦労してるんだなとこの瞬間に理解した。
「イリア様は……この屋敷に泊まる目的は、アイリスを知るため……でしょうか?」
白薔薇を見ながら歩いてるイリア様に疑問を投げかけてしまった。でも、どうしても言わないと後悔すると思ってしまった。後々自分の中でモヤりそうな予感がしたから。
イリア様はチラッと私……ではなく、私とイリア様の後ろに着いて来るキースさんを見た後、小声で話した。
「それもありますわ。けれど、ソフィア様との親睦を深めたいと思っております。私は……ソフィア様をお慕いしておりますので」
キースさんを気にしながら小声で話すのに違和感を感じ、私もキースさんを見ようとしたけど、イリア様に止められた。
「振り向いてはいけませんわ。あっ、綺麗な噴水ですわね」
イリア様の不審な行動に首を傾げながらも私はゆっくりと頷く。
……この噴水を見ると、あの時のことを思い出して恥ずかしくなるのであまり来たくなかった場所だった。
私が噴水に落ちて、アレン様が私を横抱きにしたあの時……。今となっては黒歴史の一つで思い出したくない恥ずかしい過去。
「どうしました? 百面相してましたけど」
あの時を思い出しているとイリア様は可笑しそうにクスッと笑った。それが余計に恥ずかしくなったけど、イリア様は私の黒歴史を知らないのでなんとか誤魔化す。
「あれ、姉上……と、イリア様」
「ひゃあ!!?」
背後から急に声をかけられ、奇妙な悲鳴した後、心臓がバクバクしながらも勢いよく振り向く。
そこには、私の悲鳴に驚いたノエルがいた。だけど、視点が定まらない。
それもそのはず、振り向く際に足を滑らせていたのだから。
そのまま噴水の中に落ちてしまった。
バシャーンっという水飛沫があがる。全身がずぶ濡れになっているのが感覚でわかる。
ドレスは水分を吸収して重さが増し、肌につく。前髪も額に張り付き、後ろ髪も首筋に張り付いている。
前髪から水が垂れ、目の下に落ちると泣いているように見えるだろう。
前を見ると両手で口元を抑えているイリア様と驚いて目を見開いているノエル様。
その後ろには眼鏡をかけ直しているキースさんが見える。
キースさんの反応が気になるが、今はそれどころではない。
「あ、姉上!? 大丈夫ですか??」
「う、うん。大丈夫よ。ごめんね、驚いちゃって」
ノエルは我に返ったように慌てて手を伸ばしてきた。私は迷わずにその手に触れ、握る。
ノエルも握り返し、私を引っ張る。
「だ、大丈夫ですの!? ソフィア様」
「はい、大丈夫です」
……いや、内心大丈夫じゃない。またやってしまったという恥ずかしさが。
驚いてしまったとはいえ、なんで噴水に落ちちゃうんだろう。また黒歴史が増えた。
穴があったら入りたい……。そう思うのはこれで何度目だろう。数え切れないほど、思ってる気がする。
「風邪を引いてしまいますね。一旦屋敷の中に入りませんか?」
キースさんが提案するが、ノエルとイリア様は私を庇うように前に出た。
「お気遣いありがとうございます。……ですが、その手の中に握り締めているものはなんなのでしょう? 場合によっては殿下の護衛騎士様だろうが見逃すことはないかと」
「……あなたの噂は聞いております。僕は姉上を傷付けようとする人を許すことはありませんよ」
キースさんは両手を後ろにしているというのに、二人にはキースさんが何を考えているのかわかってるようだった。
「勘が鋭いようで……、そんなに気になるのですかぁ? いくら可愛いものが好きだからって危害を加えたりしませんよぉ?? 魔導具で乾かしてあげようと思っただけですよぉ」
キースさんはプクッと頬を膨らまして両手に持っていた魔導具を見せてきた。
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そんなにキースさんは危険なのかな。とは思いつつも二人の反応を見る限りかなり危ない人なのかもしれない。
そうは見えないんだけどなぁ。
そう思ってるとキースさんが爆弾発言をしてきた。
「ただちょっと……、もう少しだけ可愛らしい悲鳴を聞きたいと思ってただけですので」
「それ、危害を加えようとしてましたよね!?」
ノエルがキースさんに噛み付く言葉を投げかけるがキースさんは頬を染め、下を向いた。
そして、
「可愛らしい人に危害は加えません。ただ、ほんのちょっと苦痛を感じた表情が見たいと思ってるだけです」
そのキースさんの発言にその場にいる全員がポカンと口を開けて立っていた。
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