乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)

藤原 柚月

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第二十章 過去、そして現在

悪魔と円盤

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 私は、『クリムゾン メイジ』を全クリしていない。隠れキャラの攻略ルートが分からない。

 分からないからこそ、会いたいという怖いもの見たさで行動してる部分はある。

 慣れって恐ろしいもので、何回も命の危機に陥ると次も大丈夫だろうと思ってしまう。

 ーー最初のうちはそうでもなかったのにな。

 だからといって、警戒をしてないわけではない。攻略ルートが分からないからこそ、慎重にやらないといけない。

 そう思っていたのよ。数時間前までは……。

 悪魔がいる場所は図書室なので、帰りに寄ることにした……、までは良かった。

 クロエ様は用事があるらしいので、終わり次第に向かうことになった。用事が終わるまで時間を潰そうと思ったが、迷子になりそうだし、どうしようかと悩んだ末。

 書き置きして、カミーリャ塔の管理人であるエレノアに会いに行くことにした。

 地下には色んな書物があったし、図書館は危険だから。久しぶりに猫に会いたくなったとか……そんなことはない。

 カミーリャ塔の中に入って挨拶しても返事は帰ってこなく、地下にいるのだろうと思って向かう。

 扉を開けようと手を伸ばし、そっと開ける。

「エレノアさん?」

 エレノアさんの姿はなく、猫達の姿もなかった。一体どういうことだろうかと周りを見渡していると……。

「円盤が……光って?」

 以前、エレノアさんに『悪魔に喰われる』からと、注意された円盤。

 その円盤が宙に浮いて紫色に光っていた。

 途端に、円盤に触れたくなって近付く。ダメなのは頭ではわかってるけど、体が勝手に動いてしまう。引き寄せられるように……。

 円盤に触れようとしたら、アルくんが煙と共に現れ、私を包むように結界を張られた。

 体が自由になったのでアルくんを抱きかかえる。

 アルくんは円盤に向かってずっと威嚇している。

「誰かいるの?」

 扉からエレノアさんの声が聞こえ、振り向いた。

「え、ソフィア様!!??」

 いきなりの私の来訪に驚いていたがすぐに円盤が異様な雰囲気なのを察した。

「ソフィア様。ゆっくりと……こちらへ」

 エレノアさんは円盤からは目を離さずに、冷静に私を扉まで誘導する。

 扉から出ると、音を立てないように閉める。

「これは一体??」
「んー……、ソフィア様、以前よりも魔力強くなりました? 恐らく、円盤がソフィア様の魔力に反応したのだと思います」
「……あの円盤ってなんなんですか?」
「元は悪魔を封印する為の円盤なんです。ですが……悪魔の魔力に近い魔力持ちが現れると、悪魔だと間違えてしまうんです。円盤に触れると何があるか分からないので、魔力持ちだろうが関係なく忠告はしてます。私はその円盤の管理するのが役目……なのですが」

 魔力が近い……。私は、アルくんを抱き締めている力を少し強めた。

 それに気付いたアルくんは不思議そうに私を見上げる。

「ソフィア様には魔力が感じられなかったので、近付かせてしまいましたが……魔力が無いのではなく、魔力を無に変えていたのですね」

 エレノアさんは、扉を少しだけ開け、中の様子を見ながら言う。

 以前に、シーアさんが話していたのを思い出す。

 私の無属性は、特殊なのだと。自身の魔力を溜める器に少々で抑えられるのだと。相手側のは無効化はするのだが、自身の魔力に関しては無効化というよりも小さくして力を抑える……らしい。

 桜空属性もあるのだが、無属性と融合しているのもあり、魔力は感じられないが魔法を使えるというものらしい。

 エレノアさんが言ってるのは、それなのかもしれない。魔力が小さいならば魔力はそうそう感じない。

 私の闇属性の魔力はかなり大きい為、小さくしても魔力漏れするみたいよね。感じとれる人は少数なんだけど、エレノアさんもその一人のようだ。

 その事に気付いたのがアレン様の呪いを解く時だった。シーアさんと一緒に行った場所だったのに途中ではぐれた時に……シーアさんが気付いたようだ。

「あの円盤には、悪魔が封印されてるんですか?」
「いいえ、それはまだですが……円盤は完全にソフィア様を悪魔だと認識してしまったようです」
「……なんでそんな欠点のある石版を壊すこと出来なかったんですか?」
「出来ません。それに、あの円盤ではなくては封印出来ないのですが……っ!!」


 エレノアさんが息をのむ。私も殺気を感じ、扉を見た。

 少し開いていた扉をエレノアさんが閉めた瞬間ーー爆発音が聞こえ、閉めたはずの扉が破壊された。

 幸いなことに破壊される前にアルくんが私とエレノアさんを結界で包んでくれた為、怪我は無かった。




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