小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
88 / 347
小助くんと春のきせつ

クマとオオカミのお母さん

しおりを挟む
 いよいよ、小助たちがくらす山おくにも春がやってきました。小助は家からかけ出すと、いそぎ足で森のほうへ向かっていきます。

 まだ雪がすこしのこっている中、小助が森の中へ足をふみしめながらすすんでいます。この先にあるほらあなには、冬ごもりをしているクマの親子がくらしています。

 さらにすすむと、小助の目の前に子グマたちがほらあなから出てきました。そのすがたを見て、小助は大よろこびで子グマたちのそばへきました。

「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! あちょぼう!」

 小さい子どもたちは、さっそくじめんの上でじゃれあいながらあそびはじめました。お母さんグマも、ほらあなから外へ出て小助たちのようすをじっと見ています。

「ぼうや、ひさしぶりだね」
「かあちゃ! かあちゃ!」

 小助と子グマたちは、お母さんグマにあまえようとしがみつこうとします。そんな子どもたちのようすに、お母さんグマはやさしく声をかけています。

「ふふふ、みんなどうしたのかな」
「かあちゃ! かあちゃ!」
「もしかして、おっぱいがのみたいの?」
「うん!」

 お母さんグマのよびかけに、小助と子グマはすぐにだきつきました。小助たちがおっぱいをのんでいるすがたは、クマのお母さんにもすぐにつたわりました。

「いっぱいのんで、元気で強い子になろうね」

 おっぱいをいっぱいのむのは、小助が元気な子どもにすくすくとそだつためにも大切なことです。そんな小助たちのそばを、オオカミたちのむれが通りかかっていきます。

 オオカミたちのほうでも、ちびっこたちがお母さんにいつものおねだりをしています。ちびっこオオカミは、お母さんオオカミのそばへやってきてはおっぱいをいっせいにのみはじめました。

 お母さんグマのおっぱいをのみおえた小助は、すぐ近くにいるオオカミたちのそばへきました。お母さんオオカミは、小助がどうしてここにいるのかよく知っています。

 小助は、オオカミのお母さんに元気な声でいつものことばをかけました。

「おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、こっちへおいで」

 あお向けになった小助は、すぐにお母さんオオカミのおっぱいをのもうとしています。小助がおっぱいをよくのんでいるようすに、クマのお母さんはどうしても気になってしまうことがあります。

「あんなにおっぱいをのんでいるけど、おしっこは大じょうぶかしら」

 小助はおっぱいをのみすぎて、森の中でおしっこやうんこをいっぱいおもらしすることがあります。そのすがたを、お母さんグマはなんどもこの目で見ています。

 そんなしんぱいをよそに、小助はクマとオオカミのおっぱいをのみおえました。小助はどうぶつたちがいる前であお向けにねころがると、その場でキャッキャッとわらい声を上げています。

 男の子のかわいいすがたに、お母さんグマとお母さんオオカミはやさしい顔つきで見つめています。そんなどうぶつのお母さんの前で、小助があんよを上げたその時のことです。

「ジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

 小助は、元気いっぱいのおしっこをふんすいのように空中に向かって出しつづけています。それは、おっぱいをたくさんのんだ小助にぴったりのみごとなものです。

「あらあら、おしっこがこんなにいっぱい出ちゃったね」

 お母さんオオカミは、小助のおしっこふんすいに思わずびっくりしています。でも、小助の元気なところはこれだけにとどまりません。

「ぼうやったら、うんこもたくさん出たみたいだわ」

 小助はおしっこのみならず、うんこのほうもいっぱい出てしまったようです。どうぶつたちのやさしさにかこまれながら、小助はあお向けになったままでえがおを見せています。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

左左左右右左左  ~いらないモノ、売ります~

菱沼あゆ
児童書・童話
 菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。 『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。  旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』  大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

処理中です...