小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

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小助くんの雪あそび

ばけものとのたたかい

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「ふぉ~ほっほっほ、ふぉ~ほっほっほっほっほ」

 わらい声の気もちわるさに、小助もいつものえがおがきえてこわがるそぶりを見せています。しかし、小助はおそろしいものがどこにいるのかまだ分かりません。

「お、おしっこ……」

 思わず口にした小助のことばに、ばけものが森の中からおそろしいすがたをあらわしました。そのすがたは、今まで出会ったどうぶつとはまったくちがったこわいけものです。

 毛でおおわれたそのけものは、ものすごいいきおいで小助のいる高い木をのぼってきました。小助のいるばしょはてっぺんに近いところなので、これよりも上へのぼることはできません。

 そうするうちに、おそろしいけものは小助のすぐ目の下までせまってきました。けものが手をのばしてくるたびに、小助は何とかしてかわそうとひっしになっています。

「ふぉ~ほっほっほ、こんなところからにげることなんかできないぜ!」
「うわっ!」

 小助は、ばけものがのばしてきた大きな手でわしづかみにされてしまいました。そんな中でも、小助はこわいけものを前にキャッキャッとえがおを見せながらわらっています。

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

 さすがのばけものも、だまって小助のようすをじっと見ているわけではありません。その場で左手のにぎりこぶしを小助の目の前へつき出しました。

「ちっちゃい子どもだからって、おれさまが手かげんすると思ったら大まちがいだぜ」

 おそろしい顔つきで小さい子どもをにらみつけるけものですが、小助はわしづかみにされたばけものの右手からぬけ出しました。

 すると、小助は今までずっとガマンしていたおしっこをあいての顔にめいちゅうしはじめました。いきおいよく出しつづける小助のおしっこに、ばけものは思わずさけび声を上げています。

「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョ~ッ」
「や、やめてくれ! おれさまの顔におしっこをひっかけやがって……」

 ばけものにめいちゅうしたおしっこは、きびしいさむさのなかで白いゆげのように立ち込めています。これも、小助がお母さんオオカミと雪女のおっぱいをいっぱいのんだおかげです。

 でも、小助のこうげきはまだまだつづきます。おしっこをおえた小助は、ばけものの頭の上へとびのりました。

「お、おい! おれさまの頭にのるな!」

 ばけものがどんなに大声を上げても、小助はあいての頭の上からはなれようとはしません。その場にしがみついていると、小助は思わず元気いっぱいの音が出てしまいました。

「プウッ! ププウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「く、くさっ! こんなにくさいのって……」

 小助は、おそろしいばけものに向かって大きなおならを鳴りひびかせました。おならのくさいにおいは、ばけもののはなや口をおさえないといけないほどのすさまじさです。

「てへへ、プウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「やめてくれ! くさくていきをすることが……」

 くさいおならがただよう中、そのすさまじいにおいにガマンできないばけものは高い木のてっぺんからすがたをけしました。

「お、おぼえてろよ……」
「キャッキャッ、キャッキャッ」

 ばけものをやっつけてよろこぶ小助ですが、自分が空中にとりのこされていることにはまだ気づいていません。

「わっ! わわわわっ!」

 小助が気づいたのは、すでに高いところからまっさかさまにおちている時のことです。それでも、小助はとちゅうでぐるりと回って見事にじめんへ足をつけることができました。

 そんな小助の前には、ちびっこオオカミが走りかけてくるのが見えてきました。ちびっこオオカミは、大すきな小助のそばへきてはへばりつこうとします。

「うえええ~ん! さみしかったよ!」
「どこにも行っちゃダメ!」
「いつもいっちょ! いっちょ!」

 オオカミの子どもたちは、小助といっしょにいるのがとてもうれしそうです。後ろからやってきたオオカミのむれも、子どもたちのはしゃぐようすをやさしく見つめています。

「大きな鳥につれて行かれた時にはしんぱいしていたけど、ケガもなくぶじであることがうれしいよ」
「ぼうやが元気で明るい子にそだってほしいのは、ここにいるオオカミたちみんなのねがいだもの」

 オオカミのお父さんとお母さんは、雪のつもった中でいっしょにあそぶ小助たちをいつまでも見守っています。
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