187 / 347
夏は大ぼうけんのきせつ
カメにのって大ぼうけんのはじまり
しおりを挟む
小助はしばらく目をつぶりながら、自分がカメにのって池の中をすすむようすを思いうかべています。
「ぼうや、もう目をあけてもいいよ」
カメからのよびかけに、小助はゆっくりと目をあけています。すると、さっきまで小さかったはずのカメが小助と同じくらいの大きさになっています。
「わっ! でっかい!」
「はっはっは、わしらがでっかくなったのではないよ。ぼうやが小さくなったんだよ」
「のりたい! のりたい!」
「そんなにあわてなくても、もうすこししたらのせてあげるから」
小助は、カメにのって早くイメの中へ入りたいようです。でも、カメたちは小助といっしょにいる犬の親子をわすれているわけではありません。
「あれれ? こちゅけくん(小助くん)は?」
ワン太は、小助がきゅうにいなくなったとまわりを見回しています。
「小助くんって、あのぼうやのことか?」
「うん!」
「しんぱいしなくても大じょうぶだよ。目をつぶったら、小助くんがどこにいるかすぐに分かるよ」
カメたちのことばを耳にしたワン太は、お母さん犬とともに目をつぶっています。しばらくすると、カメたちからふたたび声がかかりました。
「さあ、目をあけてみてね」
ワン太と犬のお母さんは、そろって目をあけることにしました。目をあけると、ワン太のそばに小助がいることに気づきました。
「こちゅけくん、ここにいてくれてよかった……」
いつもいっしょの小助がいるので、ワン太はホッと一安心しています。小助は、池の向こうがわを見ながらカメたちにおねだりをしています。
「ねえねえ! あっちへ行こう! あっちへ行こう!」
「この池の向こうへ行きたいのか」
「だけど、向こうにはこわいけものがいるぞ」
「行きたい! 行きたい!」
小助は、カメたちの言うこわいけものがどんなものか知っています。それは、ワン太も犬のお母さんも同じです。
「しょうがないなあ。向こうまで行ってあげるから」
「せなかのこうらに早くのって」
これを聞いた小助は、うれしそうに足をピョンピョンとびはねています。
カメたちは、小助たちがせなかにのっているのをたしかめると池の中へゆっくりと足を入れています。2ひきいるカメのうち、1ぴきは小助が、もう1ぴきは犬の親子がそれぞれのっています。その後ろには、3ひきのカメがいっしょについていきます。
水の中をすすんでいると、カメが小助たちに何か言おうとしています。
「わしらにのっている間は、声を出しても大じょうぶだぞ」
これを聞いたワン太は、おそるおそると口をひらくと池の中でもしゃべることができます。お母さん犬のほうも、水中にいたままでワン太と同じようにことばを話しています。
池の中では、イワナやヤマメといったお魚がたくさんおよいでいます。
「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」
小助は、池の中をもぐる時にこうしたお魚をよく見るので大よろこびです。お魚がつぎつぎと出会うことができるのは、この大きな池がいつもきれいであるおかげです。
「まだ先は長いから、しっかりつかまっていないといけないぞ」
小助たちをのせたカメたちは、大きな池の向かいがわを目ざして水中をすすみつづけています。
「ぼうや、もう目をあけてもいいよ」
カメからのよびかけに、小助はゆっくりと目をあけています。すると、さっきまで小さかったはずのカメが小助と同じくらいの大きさになっています。
「わっ! でっかい!」
「はっはっは、わしらがでっかくなったのではないよ。ぼうやが小さくなったんだよ」
「のりたい! のりたい!」
「そんなにあわてなくても、もうすこししたらのせてあげるから」
小助は、カメにのって早くイメの中へ入りたいようです。でも、カメたちは小助といっしょにいる犬の親子をわすれているわけではありません。
「あれれ? こちゅけくん(小助くん)は?」
ワン太は、小助がきゅうにいなくなったとまわりを見回しています。
「小助くんって、あのぼうやのことか?」
「うん!」
「しんぱいしなくても大じょうぶだよ。目をつぶったら、小助くんがどこにいるかすぐに分かるよ」
カメたちのことばを耳にしたワン太は、お母さん犬とともに目をつぶっています。しばらくすると、カメたちからふたたび声がかかりました。
「さあ、目をあけてみてね」
ワン太と犬のお母さんは、そろって目をあけることにしました。目をあけると、ワン太のそばに小助がいることに気づきました。
「こちゅけくん、ここにいてくれてよかった……」
いつもいっしょの小助がいるので、ワン太はホッと一安心しています。小助は、池の向こうがわを見ながらカメたちにおねだりをしています。
「ねえねえ! あっちへ行こう! あっちへ行こう!」
「この池の向こうへ行きたいのか」
「だけど、向こうにはこわいけものがいるぞ」
「行きたい! 行きたい!」
小助は、カメたちの言うこわいけものがどんなものか知っています。それは、ワン太も犬のお母さんも同じです。
「しょうがないなあ。向こうまで行ってあげるから」
「せなかのこうらに早くのって」
これを聞いた小助は、うれしそうに足をピョンピョンとびはねています。
カメたちは、小助たちがせなかにのっているのをたしかめると池の中へゆっくりと足を入れています。2ひきいるカメのうち、1ぴきは小助が、もう1ぴきは犬の親子がそれぞれのっています。その後ろには、3ひきのカメがいっしょについていきます。
水の中をすすんでいると、カメが小助たちに何か言おうとしています。
「わしらにのっている間は、声を出しても大じょうぶだぞ」
これを聞いたワン太は、おそるおそると口をひらくと池の中でもしゃべることができます。お母さん犬のほうも、水中にいたままでワン太と同じようにことばを話しています。
池の中では、イワナやヤマメといったお魚がたくさんおよいでいます。
「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」
小助は、池の中をもぐる時にこうしたお魚をよく見るので大よろこびです。お魚がつぎつぎと出会うことができるのは、この大きな池がいつもきれいであるおかげです。
「まだ先は長いから、しっかりつかまっていないといけないぞ」
小助たちをのせたカメたちは、大きな池の向かいがわを目ざして水中をすすみつづけています。
0
あなたにおすすめの小説
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
宇宙人は恋をする!
山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】
私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。
全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの?
中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉
(表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)
ぼくのだいじなヒーラー
もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。
遊んでほしくて駄々をこねただけなのに
怖い顔で怒っていたお母さん。
そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。
癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。
お子様向けの作品です
ひらがな表記です。
ぜひ読んでみてください。
イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる