小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
186 / 347
夏は大ぼうけんのきせつ

小助くんとカメたちの出会い

しおりを挟む
 いよいよ、山おくにも夏のあついきせつがやってきました。青空が広がる中、小助はワン太といっしょにきれいな川のほとりを歩いています。 

「ねえねえ、ねえねえ」 
「小助くん、どうしたの?」 
「これなあに?」 

 小助は、後ろからやってきた犬のお母さんにどうしても聞きたいことがあります。それは、川のほとりにいるふしぎな生きものです。 

「これは、カメという生きものだよ。カメのせなかをよく見てね」 
「これなあに?」 
「これは、こうらと言うの。カメのせなかには、このようなこうらをもっているのがたくさんいるのよ」 

 お母さん犬は、小助とワン太にカメのことを教えています。小助は、カメのすがたをじっと見つづけています。 

 そんな小助に、イヌのお母さんはこの先にある大きな池へ行ってみようとよびかけています。 

「カメは川のそばだけでなく、あっちの大きな池のほうにもいるかもしれないわ」 

 これから向かうところは、小助があそんだりおよいだりする大きな池です。その池からは、たくさんの水がながれおちる大きなたきが見えます。 

 とちゅうには、岩だらけの道といくつものたおれた木が行き先をさえぎっています。それでも、小助は犬の親子をつれて行こうといっしょうけんめいになっています。 

「うんしょ! うんしょ!」 
「こちゅけくん(小助くん)、ありがとう」 

 足元に気をつけながら足をすすめると、たきのながれおちる音が小助たちの耳に入ってきました。目の前には、夏にぴったりのけしきが広がっています。 

「わ~い! 池だ! 池だ!」 

 小助は、大きな池を見つけるといきおいよく水中へとびこみました。ワン太とお母さん犬も、小助のようすを見ようと池のそばへ足をはこびました。 

 そんな犬たちの近くには、カメたちがあつまるように池のほうへ向かっています。 

「小助くん、カメたちがいっぱいいるからこっちへもどっておいで」 

 お母さん犬のよびかけを聞いて、小助はいそいで池から上がることにしました。犬たちのそばへくると、カメが5ひきぐらいあつまって池に入ろうとするのが見えます。 

 すると、小助はカメたちに何かを話しかけようとしています。 

「カメさん! カメさん!」 
「おっ! はじめて耳にする声だなあ」 

 カメたちがふり向いた目の前には、はらがけ1まいの小助がしゃがんだままで自分たちを見つめています。 

「びっくりしたと思ったら、人間のぼうやだったのか」 
「どうしたのかしら」 

 小助は、かわいいえがおでカメたちをじっと見つづけています。その先に広がる大きな池をながめながら、小助はあることをしようと思いつきました。 

「カメさん! カメさん!」 
「ぼうや、何か言いたいことがあったら言ってごらん」 
「カメさんにのりたい! カメさんにのりたい!」 

 いくら何でも、小助がカメのこうらにのることはできないはずです。そのままのったら、カメたちはそのままつぶされてしまいます。 

 けれども、カメたちは小助たちがのることができるほうほうがあります。 

「ぼうや、その場で目をつぶってごらん」 

 カメたちのことばに、小助はすぐに目をつぶることにしました。 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...