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冒険者登録したいんですけど?
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フューネン王国の東部にあるミルフィナンドド伯爵領領都デオランツにある冒険者ギルドに一人の少年が足を踏み入れた。
時刻は昼頃なので冒険者の数は意外と少なかった。
ギルド併設の酒場で酒を飲んでいたり、軽食を摂っていたりしている。
受付に行くと、
「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件は?」
「え、あ、はい。登録をお願いします」
「ギルド登録ですね。畏まりました。では、こちらの水晶に手を置いて下さい」
「はい」
少年が水晶に手を置くと、青色に光った。
「成る程。罪科はないですね。魔法属性は…ああ~。これは…そうですね。では今から登録試験を受けていただきます」
「試験ですか?」
「はい。最低限の能力が無ければ冒険者にはなれません。なので試験を受けていただきます」
この水晶で少年が無属性魔法使いだと分かったのだろう。
「では、そうですね…え~と…ああ、丁度良かった。バルドさ~ん。ちょっといいですか?」
ギルドの受付嬢が酒場にいる冒険者に声をかけると、そのバルドと呼ばれた冒険者がやってきた。
「登録の試験官をすればいいんだろ?」
受付嬢の言葉が聞こえていたのだろう。
「はい。是非とも宜しくお願いします。こちらはBランク冒険者のバルドさんです。剣と魔法を使う魔剣士さんです」
「おう坊主。試験は地下の訓練場でやるからな。ついてこい」
少年は素直についていく。
その後ろから、
「バルドさん。思いっきり手加減してあげて下さいね~」
受付嬢が笑いながら注意している。
少年は一瞬だけ足を止めて、また歩きだした。
地下にある訓練場に入ろうとしたら、ホールから悲鳴が聞こえてきたが、それを無視する。
バルド試験官は面白そうに笑った。
「坊主。凄え殺気だったな。ありゃあ、普通の奴にはキツいだろうぜ?」
「馬鹿にした代償です。自業自得だと思いませんか」
「まあ、そりゃそうだな。坊主が無属性魔法使いだからと言って侮ったり馬鹿にしたりしちゃあいけないな。ところで坊主の名前は何て言うんだ?」
「僕はゲーゲンヒューバー。ヒューブと呼んで下さい」
「おっしゃ。それじゃあ、ヒューブ。試験を始めるぞ。武器は木製の物を使う。魔法は…そうだな。訓練場を破壊しない程度でやってくれ」
「分かりました」
試験が始まった。
無属性魔法と言えば分析と収納、身体強化くらいしか世の中に知られていないので、試験官のバルドは接近戦を想定した構えをとる。
ヒューブはニヤッと笑った。
「多重展開、魔力弾連続発射!!」
空中に幾つもの魔法陣が浮かび上がり、そこから威力を抑えた魔力弾が何十発も同時発射され続ける。
これにはバルドも顔色を変えて魔法障壁を張るが、そのバリアも二発目で粉々に砕け散った。
「なっ…!!!???」
バルドに何十発もの魔力弾が襲いかかり、避けたり悲鳴をあげたりする間もなく被弾して倒れた。
試験を口実に賭け事をしていた冒険者達は顎が外れるくらいに口を開いて驚いていた。
誰かが呆然と呟いた。
「マジかよ?」
と。
無属性魔法はハズレ魔法で役立ずだというのが世界の常識だった。
だから、今目の前で起こった事を信じられないでいるのだが…、
「す、凄え!凄えよ!マジかよっ!?」
誰かが歓声をあげると、冒険者達から拍手が巻き起こった。
冒険者は実力至上主義なところがあるので、どんな魔法だろうとスキルだろうと戦えるなら誰も文句は言わないし、感心もする。まあ、あの受付嬢みたいに馬鹿にする奴は少なくないのが現実だが、少なくてもここにいる冒険者達はソレをしない。
やがて意識を取り戻したバルドは自分に何が起きたのかをハッキリと覚えているようで、立ち上がるとヒューブの背中を笑顔でバシバシと叩いて称賛した。
「ヒューブ、お前凄えな!無属性魔法使いなんだろ?こんな凄い魔法が使えるとか初めて知ったぞ!さあ、受付に戻って登録するぞ!!」
「という事は、試験は合格ですか?」
「ああ?んなモン余裕で合格に決まってんだろ!仮にもBランクの俺を倒したんだぞ!これで不合格だったら、俺がギルドのシステムに文句を言ってやる。いや、俺だけじゃねえぞ。ここにいる皆んなも同じだぞ。そうだよな?」
「「「「『おうよ。当然。当たり前!』」」」」
ヒューブは無属性魔法使いというだけで散々馬鹿にされてきたので、とても嬉しかった。
バルド達と一緒に受付に戻ると、さっきの受付嬢ではなくて、筋肉ムキムキのスキンヘッド男性が座っていた。
「その様子だと合格したみたいだな」
筋肉ムキムキマンにバルドが親指を立てて笑う。
「そうか。分かった。え~と、ゲーゲンヒューバーくんだったな。さっきはウチの受付嬢が失礼した。申し訳ない」
「いえ、あの、もう罰は受けてもらったので別に気にしてません」
「そうか。ありがとう。俺はこの冒険者ギルドのギルドマスターのコリントスだ。しかし、ふむ。無属性魔法使いがBランクのバルドを倒したか。本当ならFランクからのスタートだが、Eランクにしてやろう。頑張ってくれよ」
「はい!ありがとうございます!!」
こうしてヒューブは無事に冒険者になれたのだった。
余談だが、あの受付嬢は職務規定違反によって三ヶ月間の減給処分にされたらしい。まあ、どうでもいいんだけどね?
時刻は昼頃なので冒険者の数は意外と少なかった。
ギルド併設の酒場で酒を飲んでいたり、軽食を摂っていたりしている。
受付に行くと、
「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件は?」
「え、あ、はい。登録をお願いします」
「ギルド登録ですね。畏まりました。では、こちらの水晶に手を置いて下さい」
「はい」
少年が水晶に手を置くと、青色に光った。
「成る程。罪科はないですね。魔法属性は…ああ~。これは…そうですね。では今から登録試験を受けていただきます」
「試験ですか?」
「はい。最低限の能力が無ければ冒険者にはなれません。なので試験を受けていただきます」
この水晶で少年が無属性魔法使いだと分かったのだろう。
「では、そうですね…え~と…ああ、丁度良かった。バルドさ~ん。ちょっといいですか?」
ギルドの受付嬢が酒場にいる冒険者に声をかけると、そのバルドと呼ばれた冒険者がやってきた。
「登録の試験官をすればいいんだろ?」
受付嬢の言葉が聞こえていたのだろう。
「はい。是非とも宜しくお願いします。こちらはBランク冒険者のバルドさんです。剣と魔法を使う魔剣士さんです」
「おう坊主。試験は地下の訓練場でやるからな。ついてこい」
少年は素直についていく。
その後ろから、
「バルドさん。思いっきり手加減してあげて下さいね~」
受付嬢が笑いながら注意している。
少年は一瞬だけ足を止めて、また歩きだした。
地下にある訓練場に入ろうとしたら、ホールから悲鳴が聞こえてきたが、それを無視する。
バルド試験官は面白そうに笑った。
「坊主。凄え殺気だったな。ありゃあ、普通の奴にはキツいだろうぜ?」
「馬鹿にした代償です。自業自得だと思いませんか」
「まあ、そりゃそうだな。坊主が無属性魔法使いだからと言って侮ったり馬鹿にしたりしちゃあいけないな。ところで坊主の名前は何て言うんだ?」
「僕はゲーゲンヒューバー。ヒューブと呼んで下さい」
「おっしゃ。それじゃあ、ヒューブ。試験を始めるぞ。武器は木製の物を使う。魔法は…そうだな。訓練場を破壊しない程度でやってくれ」
「分かりました」
試験が始まった。
無属性魔法と言えば分析と収納、身体強化くらいしか世の中に知られていないので、試験官のバルドは接近戦を想定した構えをとる。
ヒューブはニヤッと笑った。
「多重展開、魔力弾連続発射!!」
空中に幾つもの魔法陣が浮かび上がり、そこから威力を抑えた魔力弾が何十発も同時発射され続ける。
これにはバルドも顔色を変えて魔法障壁を張るが、そのバリアも二発目で粉々に砕け散った。
「なっ…!!!???」
バルドに何十発もの魔力弾が襲いかかり、避けたり悲鳴をあげたりする間もなく被弾して倒れた。
試験を口実に賭け事をしていた冒険者達は顎が外れるくらいに口を開いて驚いていた。
誰かが呆然と呟いた。
「マジかよ?」
と。
無属性魔法はハズレ魔法で役立ずだというのが世界の常識だった。
だから、今目の前で起こった事を信じられないでいるのだが…、
「す、凄え!凄えよ!マジかよっ!?」
誰かが歓声をあげると、冒険者達から拍手が巻き起こった。
冒険者は実力至上主義なところがあるので、どんな魔法だろうとスキルだろうと戦えるなら誰も文句は言わないし、感心もする。まあ、あの受付嬢みたいに馬鹿にする奴は少なくないのが現実だが、少なくてもここにいる冒険者達はソレをしない。
やがて意識を取り戻したバルドは自分に何が起きたのかをハッキリと覚えているようで、立ち上がるとヒューブの背中を笑顔でバシバシと叩いて称賛した。
「ヒューブ、お前凄えな!無属性魔法使いなんだろ?こんな凄い魔法が使えるとか初めて知ったぞ!さあ、受付に戻って登録するぞ!!」
「という事は、試験は合格ですか?」
「ああ?んなモン余裕で合格に決まってんだろ!仮にもBランクの俺を倒したんだぞ!これで不合格だったら、俺がギルドのシステムに文句を言ってやる。いや、俺だけじゃねえぞ。ここにいる皆んなも同じだぞ。そうだよな?」
「「「「『おうよ。当然。当たり前!』」」」」
ヒューブは無属性魔法使いというだけで散々馬鹿にされてきたので、とても嬉しかった。
バルド達と一緒に受付に戻ると、さっきの受付嬢ではなくて、筋肉ムキムキのスキンヘッド男性が座っていた。
「その様子だと合格したみたいだな」
筋肉ムキムキマンにバルドが親指を立てて笑う。
「そうか。分かった。え~と、ゲーゲンヒューバーくんだったな。さっきはウチの受付嬢が失礼した。申し訳ない」
「いえ、あの、もう罰は受けてもらったので別に気にしてません」
「そうか。ありがとう。俺はこの冒険者ギルドのギルドマスターのコリントスだ。しかし、ふむ。無属性魔法使いがBランクのバルドを倒したか。本当ならFランクからのスタートだが、Eランクにしてやろう。頑張ってくれよ」
「はい!ありがとうございます!!」
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