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2話
しおりを挟む――これはきっといずれ我が剣となってくれるはず。
愛してる、なんて、もう信じない。
私は婚約破棄に向けて動き出す。
もう彼のことなんてどうでもいい。
あとは切り捨てるだけだ。
その日を迎えるために、着実に歩んでいこう。
◆
「婚約、破棄します」
彼の悪行を知った日から二ヶ月、私はついにここへやって来た。
「え……」
「エドワードさん、貴方は、他の女性と親しくなさっていますよね」
「ええっ!? 違う!! 勘違いだよ、あれは――」
「勘違い? そうですか? この写真を見ても、それでも、勘違いだと言えますか」
証拠物は徹底的に集めてきた。
だから敗北はない。
そのためにここまで密かに耐えてきたのだから、絶対に勝つ。
「これより、手続きに入ります」
「誤解だ!」
「はい? 何が誤解なのですか?」
「彼女とはちょっと遊んでいただけ! それ以上の関係じゃない! あくまでそういうことをしていただけで……つまり、愛しているのは彼女ではない!」
エドワードの頓珍漢な主張に笑ってしまう。
「まさか」
笑いがとまらない。
「そのような言い訳、呆れます」
今さら何を言っているの? そんな必死になって、私を引き留めようとでもしているの? でもだとしたら愚かの極みね。あんなことをしておいていざとなったら私に縋りつく? 愚かとしか言えないわ。少なくとも私には、どう考えても愚かとしか思えない。
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7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
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