婚約破棄の理由、どうしてそれなのですか? そのことは前もって伝えていましたよね? ~そして彼は破滅へ向かうのです~

四季

文字の大きさ
2 / 2

後編

しおりを挟む

 私は書類を取り出し彼に見せる。
 そして「書いてあるでしょう」と言ってやれば、彼は驚いたような顔をしつつも小さく頷いた。

「ま、でもいいわ。婚約破棄したいのならそれでも構わない。好きにすればいい。じゃ、そういうことで。さようなら」
「え!? ちょ――」
「ただし、ここに書いてある約束を破った時の償いはしてもらうから。それは分かっておいてちょうだいね。さよなら」

 オーヴェスムがきょとんとしているうちに、私は彼の前から去った。


 ◆


 あれから数ヶ月。

 私はオーヴェスムではない男性を親戚のおばさんに紹介してもらい、その人と仲良くなれつつあるという現状だ。状況は悪くはない――否、むしろかなり良い状況と言えるだろう。彼との話は順調に進んでいる。明るい未来の方へと歩み出せている。

 一方、オーヴェスムはというと。
 あれ以降眠るたびに得体のしれない悪夢をみるようになり、そこから段々眠ることが怖くなっていったそうで――酷い不眠症になってしまったそう。
 で、心身ともに調子は著しく悪化。
 そんな状態で風邪を引いた冬にその風邪をこじらせてしまい、彼はそのまま死に至ったそうだ。

 また、彼の葬儀の途中、黒い女神の影が参加者の服にべったりとつくという謎現象も発生したそうで。

 皆「オーヴェスムは呪われていたのだろう」などと言っているようだ。

 ま、そういう面もあるかもしれないな、とは多少思うけれど……でも、私からすればもうどうでもいいことだ。


◆終わり◆
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

お金を頂きに参りました

狂乱の傀儡師
恋愛
名家の当主から一方的に婚約破棄されたアデリーは、それを堂々と受け入れ実家に戻る。 しかし、この婚約破棄の裏には宿敵の影があると知り——?

かつて婚約者に絶望に突き落とされた私でしたが、今は優しい婚約者に大切にされて幸せに生きています。

四季
恋愛
かつて婚約者に絶望に突き落とされた私でしたが……

そのフラグをへし折りまくっていることに気づかなかったあなたの負け

藤田あおい
恋愛
卒業パーティーで、婚約破棄を言い渡されたアリエッタ。 しかし、そこにアリエッタの幼馴染の男が現れる。 アリエッタの婚約者の殿下を奪った少女は、慌てた様子で、「フラグは立っているのに、なんで?」と叫ぶ。 どうやら、この世界は恋愛小説の世界らしい。 しかし、アリエッタの中には、その小説を知っている前世の私の人格がいた。 その前世の私の助言によって、フラグをへし折られていることを知らない男爵令嬢は、本命ルート入りを失敗してしまったのだった。

継母は実娘のため私の婚約を強制的に破棄させましたが……思わぬ方向へ進んでしまうこととなってしまったようです。

四季
恋愛
継母は実娘のため私の婚約を強制的に破棄させましたが……。

やたらと見下してくる厄介な義妹がいましたが、私が王子から求婚されていることを知ると壊れてしまったようです。

四季
恋愛
やたらと見下してくる厄介な義妹がいましたが……。

晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。

四季
恋愛
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。 どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。

魅力が足りないから婚約破棄!? 酷くないですか!? ~その後隣国の王子に愛されることとなったのです~

四季
恋愛
魅力が足りないから婚約破棄!? 酷くないですか!? その後隣国の王子に愛されることとなったのです。

気さくな良い人だった婚約者ですが、実は私ではない女性を愛していました。~何を失ったとしても、いずれは幸福を掴むのです~

四季
恋愛
気さくな良い人だった婚約者ですが、実は私ではない女性を愛していました。

処理中です...