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前編
しおりを挟むかつて世界は一度滅んだ。
激怒した女神の力によって。
――そして、それから数百年。
私たち人類は今、また、かつてのような繁栄の中に在る。
「リーフェッタ、少しいいか?」
「ええ、いいわよ」
「お前との婚約だが……破棄とすることにした」
婚約者の彼オーヴェスムは何の前触れもなくそんなことを言ってきた。
「え、どうして」
「お前の噂を聞いたんだ」
「噂?」
「お前、生まれ変わりなんだろ? 滅びの女神の」
滅びの女神――それは、かつて一度この世界を滅ぼした女神のことだが――それは確かに私の中に存在している。
「なぜ今さら?」
「どういうことだよ」
だが何も隠していたわけではない。
「婚約前に伝えたじゃない、そのこと」
そう、私はかつて一度彼にすべてを明かした。
私の中に何が棲んでいるいるのか。
彼は知っていたはずだ。
なのに今になって知らされていなかったかのようにそんなことを言い出すなんておかしな話である。
「……いや聞いてない」
「伝えたわ」
「知らん!」
「じゃあ忘れているのよ、きっと」
冷静に対応しても。
「聞いていない!」
彼はそう言い張るばかり。
「……本気で言っているの?」
「ああ!」
「そう……ならよっぽど記憶力がないのね」
「おい! 何だよそれ! その態度!」
「ならば婚約の時に交わした契約の書を持ってくるわ。そこには前もって伝えておいたことも書いてあるから」
こんな時のために作っておいたものだが、どうやらついに役立つ時が来たようだ。
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