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前編
しおりを挟む私たちは婚約者同士だった。
私は彼を愛していた。
二つ年上の青年オリビオ、私は彼と生涯を共に歩くつもりでいた。
ただひたすらに。
純粋に、その未来だけを見つめていたのだ。
けれども、婚約して三ヶ月ほどが経ったある日、オリビオは自宅に私を呼び出して「君との婚約は破棄する」と告げてきた。そして彼は悪気など一切ないような目つきで語った。君より君のいとこジェシーの方が良くなったからだ、と。
彼は驚くくらいあっさりと私を切り捨てた。
そしてその後すぐにジェシーと婚約。
私に「二度と近寄るな」などと言い、二人は一つの屋根の下で暮らし始めた。
その直後、私は資産家の長男である陽気な青年オッツォに出会う。
「いやぁ~よろしくっすぅ!」
「陽気な方ですね」
「ええ~っ!? どういう意味っすぅ!?」
「そのままの意味ですよ」
はじめこそその太陽のような明るさに馴染めなかったけれど、定期的に会って喋ったりお茶を飲んだりしているうちに次第に馴染めるようになっていって、気づけば彼を異性として意識するようになっていっていた。
そして。
「あの……よければ、なんすぅ、けど」
「何です? 改まって」
ついに。
「結婚! したい! ですっ!」
「え……って、ええええ!?」
オッツォに呼び出されて行きつけの店へ行ったところ、改まった様子の彼がいて、いきなりそんなことを言われてしまった。
「す、すみません、思わず大声が」
「い、い~っすぅ、こちら~、こそ……」
「それで、これは何かのいたずらですか? そろそろ種明かししてください」
「違うっす! 本気なんっすぅ!」
「え……あ、あの、気を遣わないでくださいよ?」
「本気で結婚したいんでっす!」
嬉しかった。
オッツォにそう言ってもらえて。
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