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1話
しおりを挟むオードレインとの結婚から数ヶ月が経った頃、私は、彼が裏でこそこそ他の女性と会っていることを知る。
はじめは友人からの報告で。
だからそこまで信じてはおらず。
きっと見間違いか何かだろうと思っていた。
しかし、そんなある日、仕事関係の出張と聞いていたにもかかわらずオードレインが街を一人の赤髪女性と歩いているところを目撃してしまう。
二人はとても仲良さそうで。
私も彼としたことがないことだが、二人は腕を組み身を寄せ合うようにして見つめ合いながら歩いていて。
しかも、その二人が入っていこうとしていたのが、休憩所兼宿泊施設。
ちなみにこの国においてはそういった施設は大人の関係がある人たちが入るところと決まっている。
その時になって初めて、友人が言っていたことが間違いではなかったのだと知った。
妻がいる身で女性と二人きりになるなんて話にならない。
しかもそんないかがわしい場所へ入ろうとするなんてあり得ない。
ということで、私は、知人の調査員に頼んで二人の行動をきちんと調査してもらうことにした。
――その結果。
オードレインと赤髪女性の不倫が明らかなものとなった。
証拠も集まった。
ここまで来たらこちらの勝ち。
もう彼に自由にはさせない。
いや、そうじゃない、私の夫という身分のまま自由にはさせない、だ。
もうここですべて終わりにしよう。
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