父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました

四季

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前編

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 父親が再婚してからというもの、私はずっと虐げられてきました。

 私が十歳の時、本当の母親は病で命を失ったのです。けれどそれは悲劇の始まりでしかありませんでした。

 母親が亡くなった半年後、我が家に一人の女性がやって来たのです。

 ブロンドの髪を後頭部の辺りで一つの団子にまとめた美女。凛々しさを漂わせていて、聡明そうな、一見良さげな人でした。
 けれど幼い私は知ってしまいます。彼女は私の父親と以前から付き合っていた、いわば『愛人』のような存在だったのだと。

 そして、さらに、私はうっかり聞いてしまったのです——彼女と私の父親が共謀して私の母親を殺したのだと。

 二人は早く結ばれたいがために毒を盛ったのです。

 悪しき二人が寝室で身体を密着させながら恐ろしい話をしているのを聞いてしまった幼き日の私はその場で硬直してしまい、二人に気づかれてしまいます。

 その日から、悪夢の日々が始まりました。

 義母はことあるごとに私にいちゃもんをつけにきます。また、父親がいないところで脅迫まがいなことを言ってきたり、頬を打ってきたり、酷いことばかりされました。

 また、義母には娘が一人いたのですが、彼女もまた母親譲りの性格の悪さを持っていて。私によく絡んできました。時には持ち物を強制的に没収されることもありました。近所の同年代の子に私の悪口を広めることなどは日常茶飯事。

 彼女はとにかく私を虐めることを楽しんでいるようでした。

 そんな様を、父親は見て見ぬふりばかりしていました。注意などすれば愛する人に嫌われるかもしれない、そう恐れたのでしょう。

 結局彼は私より義母のことを愛していた。

 それがすべてなのでしょう。
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