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1話
しおりを挟む朝起きたら同じ部屋にいた婚約者が見知らぬ女と抱き合いながら寝ていた。
なんじゃこりゃあ、というような朝。
衝撃的な一日の始まり。
その衝撃といったら、一瞬頭が真っ白になってしまったほどであった。
「ねぇルイーゴ、これは一体どういうことなの?」
起床後、婚約者である彼ルイーゴを問い詰めてみたところ、見知らぬ女はレミーという名で彼と裏で交際していた女性であったことが判明した。
あまりにも酷い。
なぜこんなことを平気でできるのか。
「レミーさん、貴女も、行動が酷すぎますよ」
「あらぁ? 愛されていない女にそんなことを言う権利があるのかしら」
彼女は勝ち誇ったような顔をしているけれど、でも、正当に彼と関係を築いているのは誰が何と言おうと私の方である。
愛とか、好きとか、抽象的なことは今は関係ない。
「私は彼の婚約者です」
「だとしても、彼に愛されているのはあたしよねぇ?」
「今しているのは愛されているか否かという話ではありません、それとは別の話です」
「あらぁ、負けるから話を変えるっていうのね? あらあらださいわねぇ。相手にされていない婚約者、所詮形だけなのに威張って、恥ずかしくないのかしら?」
それから話し合いが始まる。
「ルイーゴ、どちらを取るのかしら。私と、彼女と」
私がそう問えば。
「君だよ!」
ルイーゴは素早くそう答えた。
まさか、だったのか、驚いた顔をするレミー。
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