王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。が、その結果こうして幸せになれたのかもしれない。

四季

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後編

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 そしてついに、エリーザは幸せを掴もうとしている。

 エリーザの夫となる男性は妖精族の血を引く高貴な家柄の子息でありながらエリーザを誰よりも大事に思い愛している。

 だからこそこうして結婚式前夜にまで至ることができたのである。

「美しい姿を見られるのが楽しみだ」
「父さんったら相変わらず」
「何でだ!? 何でそんな冷めた目でこっちを見る!?」
「……いいの、気にしないでちょうだい」
「何か言いたいことがあるなら言ってくれよ!?」
「ないわよそんなの」

 じゃあね、と言って、エリーザは父の前から去ってゆく。

 その背中を見つめ、父はそっと微笑んでいた。

 ――そして翌日。

「貴方と結婚できてとても嬉しいわ」
「こちらこそ」
「これまで婚約破棄されてきて……良かったと、今はそう思っているの」
「なぜ?」
「だって、もし婚約破棄されていなかったら、貴方とはくっつけなかったでしょう? あの時は辛かった、でも、あれがあったからこそ貴方と出会え結ばれることができた」

 ここは終着点ではない。

 そう、新たな始まり。

 ただ、彼女は今、幸福の頂点にいるかのような気持ちでいる。

「ありがとう、ずっと……共に歩みましょうね」
「はい、もちろん」

 二人は抱擁を交わし、それから互いを見つめて静かに笑みを滲ませた。


◆終わり◆
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