ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第91話 宣戦布告

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真剣な顔で僕を見つめる父上から

「アレク来たか。重要な話がある」

「はい……」

僕が何事かと返事をすると、父上は

「おい、話せ」

父上は知らない顔の男性に命令をした。

「ハッ!」

その男性は短く返事を返し、

「我が諜報部からの情報で、ケーリンネガー王国とグランプロス帝国の軍勢が、フロンガスター王国へ向けての準備が活発なっているとの報告が入って参りました。近いうちに、フロンガスター王国への進攻が始まると推測されます」


「――ついに来たか……」

フロンガスター王国対ケーリンネガー王国、グランプロス帝国連合軍の戦いが幕を開けようとしていた。

「アレク。戻って来て早々悪いが、国境の警備を厳重にしろ」

父上の一言で、その場の緊張が高る。

「ハッ! これより国境警備の任に行って参ります」

僕はそう言って、臣下の礼をとり国境へと向かった。





僕が国境沿いにあるラニバーレ平原に赴いたのは一週間ほど経っての事だった。ラニバーレ平原はケーリンネガー王国との交通の要所であり、陣形を展開させるのも容易な場所でもあった。

そして、ここラニバーレ平原が僕らフロンガスター軍が最初の決戦場所として定めた場所なのだ。

グランプロス帝国国境沿いには作戦立案者でもあるギョシン騎士師団長とウィザード魔法師団長に指揮を任せるつもりだ。彼らなら作戦を必ず遂行してくれると信じている。

ケーリンネガー王国攻略軍約25000名を指揮するのは総司令官兼、第1軍司令官アレク・ガルラ・フラスター。つまり僕である。副司令官には父上からの信頼が厚い、カルイ・チャラ・オーダ陸軍大将軍が僕の補佐をしてくれる事になった。一見、DQNチャラオヤジに見えるが、中身は誠実な紳士として、そのギャップに軍人問わず市民からも絶大な人気を博している。彼なら戦場の機微な匂いもかぎ分け、正しい判断をしてくれると思う。

一方、グランプロス帝国攻略軍約40000名は第2軍として布陣している。第2軍司令官はギョシン騎士師団長、副司令官にはウィザード魔法師団長が務める。正直に言えば、第2軍の方が主力と言っても過言ではない。

第1軍はあくまでも専守防衛が基本方針であり、ケーリンネガー軍の戦力を削る事が目的なのだ。

ケーリンネガー軍にとって、ラニバーレ平原は地獄になるとも知らず、この地にやって来るだろう。野戦だと思って戦っていたら、実は攻城戦でしたというのが、この作戦のオチなのだ。 ――クックククク…… ついつい笑いが込み上げてくる。


第1軍は陣地構築に取り掛かった。陣地構築と言っても、馬防柵を第1防衛ライン陣地設置し、その第1防衛ライン陣地から後方50ⅿには、第2防衛ライン陣地を、その50ⅿ後方には、第3防衛ライン陣地を、その後方には、第4防衛ライン陣地、第5防衛ライン陣地が続く。あとは、申し訳ない程度であるが、ケーリンネガー軍にちょっとした嫌がらせをする為にトラップも仕掛けて置いた。そして、遥か後方には治療院と宿舎など兵士が快適に過ごせる施設などの建設を始めた。

「アレク様、ついに陣地が出来上がりましたね」

陣地視察に一緒に出掛けていた。カルイ副司令官が呟いた。

「カルイ将軍もお疲れ様。魔法のお陰で早く陣をが出来上がって良かったよ。もし魔法が無かったら、もっと遅くなって開戦に間に合わなくなるところだったよ」

「しかし、アレク様から作戦を聞いた時には驚きましたぞ。野戦で攻城戦をやると言うのは。今まで聞いたことが無いですからね」

「そうだろうね。ケーリンネガー軍のヤツらには泣きを見てもらうつもりだよ」

僕はドヤ顔で答える。実際には織田信長の長篠の戦いを参考にさせてもらった。もらったというよりはそのままパクった感じだ。

「しかし、この陣地。実に悪意まみれの外道陣地ですな。心の底から考案した者の狂気を感じますぞ」

カルイ副司令官は気持ちの良くなるくらい、僕を絶賛してくれた。 
――ありがとう。カルイ副司令官!



「司令官! 陛下より伝令が届いております。大至急本部までお戻り下さい」

伝令係の兵士が、父上からの伝令が届いた事を告げた。急ぎ本部に戻り、伝書を開いてみた。そこには、


『ケーリンネガー王国、グランプロス帝国の両国はフロンガスター王国に対して宣戦布告をする』

と書かれてあった。
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