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第94話 悲惨な戦場
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ぶっ殺すマンと化した敵兵は、意気揚々と馬防柵に突撃を仕掛けて来た。
「ウワァーー!! ギャーーー!!」
「グファ!! 止めてくれ!!」
「止まれーー!! 押すなぁーー!!」
「うぉぉーー!! グワァァーー!!」
「お母さんーー!! 助けてーー!!」
目の前で消えた敵兵の絶望的な悲鳴が辺り一面に響く……
馬防柵の手前に幅2m、深さ3mの堀を作っていたのだ。堀の底には先を尖らせた丸太を隙間なく設置していた。
敵兵は勢い良く堀の中へと落ちていく。突貫するということは兵士にとって、とても勇気のいることであり騎士の誉れと言っても過言てはない。しかし、今回に関しては、その勇敢な行動が裏目に出る。勢い良く突貫しているが故に、急に止まる事が出来ない。運良く止まれたとしても、後ろから押され堀の中へと吸い込まれていく。
堀に落ちた敵兵は丸太に串刺しになるか、串刺しから逃れたとしても3mからの落下では無傷ではすまないだろう。
堀の中から敵兵の悲痛な叫び声が聞こえたが、その声は静かに消えていった。
「カルイ副司令。貴殿、なかなかヤベェ事を考えつくな。人として、と言うか同じ人間として、どうかと思うぞ」
僕はカルイ副司令官に人としての在り方を説こうとしたが、
「私の記憶では堀を独断で考え、作られたのはアレク様お一人だったように思いましたが…… それにしてもエゲツない……」
「――!? そうだっけ?」
記憶喪失気味の僕に向かって、カルイ副司令官は毒を吐いた。
「ところで敵兵の遺体はこのままになさるのですか?」
カルイ副司令官は串刺しにされた遺体の処理をどうするか懸念しているようだった。
「敵兵の遺体は敵軍に投げ返すよ」
僕はあっけらかんとした表情で答える。
「敵軍に投げ返すんですか!?」
「当たり前じゃない。僕らに弔られるより味方に弔ってもらった方が戦死者も喜ぶんじゃないの」
「……………………」
カルイ副司令官は黙り込んでしまった。
――だって元寇の戦いの時だって、鎌倉武士団は元軍の船に牛馬の死骸を投げ返してあげたじゃん! なんて優しいく、狂った鎌倉武士団なんだ。確かモンゴル兵も敵の城にペストに感染した死体を投げ入れて、その結果。その城で疫病《ペスト》が流行《はや》りまくり、死者が大量に出たと聞いた事があったんだけど……
僕らは敵の第1波攻撃を退け、敵軍も一瞬で軽装備歩兵隊一個大隊400名の損失には度肝を抜かさせているだろうと思う。
暫しの時間をおき、第2波攻撃は槍を装備した重装備騎兵2000騎が攻撃を仕掛けて来た。騎兵による地響きが鳴り響き、第1防衛ライン陣地へ近付いて迫って来た。
僕は待ちに待った男のロマンでもある。アームストロング砲による攻撃の為、
「アームストロング砲! いっどぉ!」
「「「よかど!」」」
砲兵に向け攻撃命令を出した。緊張をほぐす為、あえて鹿児島弁で命令を出したが、砲兵も鹿児島弁で返してくるとは夢にも思っていなかったが、彼らの優しさが心に沁みる。
その直後にアームストロング砲各種100門が火を吹いた。
『『『ドォーーン!!!!』』』
砲弾が騎兵に向けて飛んでいく。数秒後……
『『『ドォガァァーーン!!』』』
弾着音が鳴り響き、炸裂弾が騎兵を薙ぎ倒す。ラニバーレ平原は地獄絵図と化した。時間を置かず、第2射が放たれる。そして、第3射、第4射と次々と射ち込まれる。
炸裂弾の餌食になる騎兵。一体何が起こっているのかわからない敵兵に容赦なく頭上から降り注ぐ砲弾。情け容赦のない弾幕の中をかいくぐり馬防柵までたどり着いた瞬間、凶悪な堀が大口を開けて待っている。
軍馬もろとも落下していく兵士に同情を禁じ得ないが、軽軽装備歩兵と重装備騎兵を闇に葬り、次にお出ましになったのは、ケーリンネガー軍主力である重装備歩兵だ! 盾と槍を携え隊列を組んで、ゆっくりと前進してきた。その後ろには、同じ重装備歩兵第2攻撃隊だ。盾と長剣を持ち、槍隊に続く。
「絶好の標的じゃないか!」
僕が嬉々として呟くと、カルイ副司令官も呆れ顔で、
「あれでは全滅させて下さい。と言ってるようなものですよ」
機動力の遅い重装備歩兵はアームストロング砲の絶好の標的目標だった。ケーリンネガー軍は数に物を言わせての攻撃だったが、時代遅れの密集した隊列。しかも身を隠す遮蔽物も無い。あるのは盾と鎧のみ。
僕は皆に告げる。
「ついに主力のお出ましだ! これからが本番だ! 気を抜くなよ。チェスト―!」
「「「チェストーー!!」」」
「ウワァーー!! ギャーーー!!」
「グファ!! 止めてくれ!!」
「止まれーー!! 押すなぁーー!!」
「うぉぉーー!! グワァァーー!!」
「お母さんーー!! 助けてーー!!」
目の前で消えた敵兵の絶望的な悲鳴が辺り一面に響く……
馬防柵の手前に幅2m、深さ3mの堀を作っていたのだ。堀の底には先を尖らせた丸太を隙間なく設置していた。
敵兵は勢い良く堀の中へと落ちていく。突貫するということは兵士にとって、とても勇気のいることであり騎士の誉れと言っても過言てはない。しかし、今回に関しては、その勇敢な行動が裏目に出る。勢い良く突貫しているが故に、急に止まる事が出来ない。運良く止まれたとしても、後ろから押され堀の中へと吸い込まれていく。
堀に落ちた敵兵は丸太に串刺しになるか、串刺しから逃れたとしても3mからの落下では無傷ではすまないだろう。
堀の中から敵兵の悲痛な叫び声が聞こえたが、その声は静かに消えていった。
「カルイ副司令。貴殿、なかなかヤベェ事を考えつくな。人として、と言うか同じ人間として、どうかと思うぞ」
僕はカルイ副司令官に人としての在り方を説こうとしたが、
「私の記憶では堀を独断で考え、作られたのはアレク様お一人だったように思いましたが…… それにしてもエゲツない……」
「――!? そうだっけ?」
記憶喪失気味の僕に向かって、カルイ副司令官は毒を吐いた。
「ところで敵兵の遺体はこのままになさるのですか?」
カルイ副司令官は串刺しにされた遺体の処理をどうするか懸念しているようだった。
「敵兵の遺体は敵軍に投げ返すよ」
僕はあっけらかんとした表情で答える。
「敵軍に投げ返すんですか!?」
「当たり前じゃない。僕らに弔られるより味方に弔ってもらった方が戦死者も喜ぶんじゃないの」
「……………………」
カルイ副司令官は黙り込んでしまった。
――だって元寇の戦いの時だって、鎌倉武士団は元軍の船に牛馬の死骸を投げ返してあげたじゃん! なんて優しいく、狂った鎌倉武士団なんだ。確かモンゴル兵も敵の城にペストに感染した死体を投げ入れて、その結果。その城で疫病《ペスト》が流行《はや》りまくり、死者が大量に出たと聞いた事があったんだけど……
僕らは敵の第1波攻撃を退け、敵軍も一瞬で軽装備歩兵隊一個大隊400名の損失には度肝を抜かさせているだろうと思う。
暫しの時間をおき、第2波攻撃は槍を装備した重装備騎兵2000騎が攻撃を仕掛けて来た。騎兵による地響きが鳴り響き、第1防衛ライン陣地へ近付いて迫って来た。
僕は待ちに待った男のロマンでもある。アームストロング砲による攻撃の為、
「アームストロング砲! いっどぉ!」
「「「よかど!」」」
砲兵に向け攻撃命令を出した。緊張をほぐす為、あえて鹿児島弁で命令を出したが、砲兵も鹿児島弁で返してくるとは夢にも思っていなかったが、彼らの優しさが心に沁みる。
その直後にアームストロング砲各種100門が火を吹いた。
『『『ドォーーン!!!!』』』
砲弾が騎兵に向けて飛んでいく。数秒後……
『『『ドォガァァーーン!!』』』
弾着音が鳴り響き、炸裂弾が騎兵を薙ぎ倒す。ラニバーレ平原は地獄絵図と化した。時間を置かず、第2射が放たれる。そして、第3射、第4射と次々と射ち込まれる。
炸裂弾の餌食になる騎兵。一体何が起こっているのかわからない敵兵に容赦なく頭上から降り注ぐ砲弾。情け容赦のない弾幕の中をかいくぐり馬防柵までたどり着いた瞬間、凶悪な堀が大口を開けて待っている。
軍馬もろとも落下していく兵士に同情を禁じ得ないが、軽軽装備歩兵と重装備騎兵を闇に葬り、次にお出ましになったのは、ケーリンネガー軍主力である重装備歩兵だ! 盾と槍を携え隊列を組んで、ゆっくりと前進してきた。その後ろには、同じ重装備歩兵第2攻撃隊だ。盾と長剣を持ち、槍隊に続く。
「絶好の標的じゃないか!」
僕が嬉々として呟くと、カルイ副司令官も呆れ顔で、
「あれでは全滅させて下さい。と言ってるようなものですよ」
機動力の遅い重装備歩兵はアームストロング砲の絶好の標的目標だった。ケーリンネガー軍は数に物を言わせての攻撃だったが、時代遅れの密集した隊列。しかも身を隠す遮蔽物も無い。あるのは盾と鎧のみ。
僕は皆に告げる。
「ついに主力のお出ましだ! これからが本番だ! 気を抜くなよ。チェスト―!」
「「「チェストーー!!」」」
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